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2020.09.25

【医師監修】がん発見の遅れも!? 新型コロナ感染での間接的健康被害は…

新型コロナウイルスによる生活や健康への影響についてお届けします。国立がん研究センター研究所でがん幹細胞研究分野分野長をつとめる増富先生の健康コラム。

国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉

新型コロナウイルス感染による間接的健康被害

新型コロナウイルス感染が日本で流行しはじめてから約半年くらいになりますね。経済への影響が随分と報道されていますが、経済のみならず、学生生活や教育での影響、そして思わぬところで健康への影響も出てきているようです。

今日は、新型コロナウイルス感染が間接的に健康に及ぼす影響をお話ししようと思います。

◆一人ひとりの健康意識が変わった

(c)Shutterstock.com

まず、紹介するのは、ある大手生命保険会社の調査によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響での生活の変化で、実に、二人に一人は「以前より健康になった」と回答しているそうです。これは、食事に気をつけたり、運動不足予防目的にランニングを始めるような人が増えたなどの影響で「健康になった」と感じる人が多くなったのかもしれません。

たとえ「個人的感想」であっても、新型コロナウイルス感染拡大による生活の変化が「健康」に関して好影響を与えることは良いことです。

では、いくつか新型コロナウイルスと健康関連での「悪影響」に関しても紹介しましょう。

◆風疹予防の遅れ

以前に、この健康コラムで、女性とウイルスの関係で風疹の話を紹介しました。

▶︎【医師監修】妊娠中ならとりわけコロナに用心!<女性とウイルスの関係性>

風疹は「三日ばしか」と呼ばれるくらいの通常は軽い感染症です。しかし、妊娠中の女性が風疹に罹るとお腹の赤ちゃんに大きな危険が及ぶことが知られています。赤ちゃんの眼(白内障)、耳(難聴)、心臓(心奇形)に影響がでます。

女性は妊娠適齢期前までに予防注射で抗体をつけておくことが極めて重要ですので、女性は中学を卒業するまでに予防接種を受けています。

(c)Shutterstock.com

しかし、我々の世代のおじさん達が、かわいらしい小・中学生であった頃の医療行政で、予防接種を受けなかった(られなかった)「男子生徒」がいて「当時の男子生徒達」がいまや、中年のおじさんになって、風疹流行の発生源になる可能性が危惧されています。

中年のおじさんたちが風疹流行のクラスターの原因にならないように、今年(新型コロナとは関係なくたまたまです)、国は、中年のおじさん達に風疹の抗体検査と予防注射のセットクーポン券を配布しました。国は今年の7月までに抗体検査を480万人に実施する目標でしたが、この目標には遠く及ばず、実施期間を1年延長することになりました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、病院受診を控える人が増えたことが原因で検査が進まなかったと分析されています。

◆新型コロナによる病院控え

(c)Shutterstock.com

他にも、「新型コロナによる病院控え」が原因で、がんの診断・治療がおくれたり、がん治療後の定期検査のスケジュールに狂いが生じてしまうという事態も出てきているようです。

このように、新型コロナウイルス感染が約半年続いたことで、新型コロナウイルスの直接的ウイルス感染による影響ではなくても、間接的には「健康」を害する影響が出始めています。

赤ん坊や子供の計画に沿った予防接種、おじさん達の風疹抗体検査、予防注射の追加、がん患者さんの定期的な検診、女性の定期的ながん検診(子宮頸がん、乳がんなど)などはいずれも大切なことです。

新型コロナウイルス感染の数字ばかりが毎日報道されていますが、少し冷静に長期的な眼で、自分たちの健康を守っていくことをそろそろ考え始めることも大切だと思います。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉

1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ


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