「浅慮」とはどんな意味?
「浅慮」と書いて「せんりょ」と読みますが、正しい意味についてご存知ですか? このページでは、意味や使い方、類義語や対義語を解説していきます。
あまり日常的に使う言葉ではないかもしれませんが、ビジネスシーンで使える言葉なので、この機会にしっかり身につけ語彙力を高めてみてください。
◆浅慮の意味
まずは、「浅慮」を表す文字をひとつずつ見ていきましょう。「浅」は文字の通り、「浅い」という意味ですね。では、「慮」はどうでしょうか?
「慮」は、「あれこれと思いめぐらすこと」、「思い」、「考え」を意味します。この「浅」と「慮」を組み合わせた言葉が「浅慮」です。つまり、「浅慮」とは、「考えが浅いこと」、「浅はかな考え」を意味します。
浅慮の正しい使い方は? 例文をご紹介
続いて、「浅慮」の使い方について、具体的な例文を交えながら説明していきます。ちなみに「浅慮」は「浅はかな考え」を意味すると先述しました。
したがって、「浅慮」という言葉を使う際、「浅慮な考え」と表すと、意味が重複してしまうため注意しましょう。
「部下の度重なる浅慮な行動には、呆れてしまう」
こちらの例文では、相手に対して「浅慮」だと指摘しています。非難する意味も込められていますね。相手に注意を促したいときは、「もう少し浅慮な行動は慎んだほうがいい」などというように使われるでしょう。
「私の浅慮さから迂闊な行動をしてしまったことを恥じています」
こちらの例文では、ビジネス上で謝罪をする際に「浅慮」を使っています。「浅はかな考えで申し訳なかった」と反省する気持ちが伝わってきますね。他にも、「この件につきましては、私の浅慮の致すところです」などというように使うことができます。
「浅慮ではありますが、私のプランも一度ご検討いただけないでしょうか?」
こちらもビジネス上で使う例文。「私の浅い考えで恐縮ではありますが、このプランについてご一考いただけないですか?」という意味です。
この例文のように、「浅慮」は謙遜したり、へりくだったりしながらも、控えめに自己主張したいときにも使われます。他にも、「浅慮ではありますが、代替案としてこちらをご提案します」などというように使用できます。
浅慮の類語とは?
次に、「浅慮」と似たような意味を持つ言葉を紹介していきましょう。
短慮(たんりょ)
「短慮」には主にふたつの意味があります。ひとつ目は「考えが浅はかなこと」、「思慮の足りないこと」。ふたつ目の意味は、「気の短いこと」。ふたつの意味のうち、前者が「浅慮」の類語に当たります。「短慮な行動が問題を引き起こした」などというように使えます。
浅薄(せんぱく)
「浅薄」とは「考えや知識が浅く薄っぺらいこと」、「浅はか」なことを表す言葉です。「浅薄」が指すのは、考えだけではなく、知識も含んでいるところに「浅慮」との違いがありますが、「浅慮」の類語と言っていいでしょう。「浅薄な知識をひけらかすのは恥ずかしい」などというように使います。
短絡的(たんらくてき)
「短絡的」とは、「物事の本質や筋道を深く考えずに、原因と結果などを性急に結びつけてしまうさま」を意味します。考えが浅いことと近い意味があるので、「浅慮」の類語と言えるでしょう。「見た目だけで判断するのは短絡的だ」などというように使います。
浅慮の対義語とは?
では、「浅慮」と反対の意味を持つ言葉には何があるのでしょうか? こちらもひとつずつ説明していきます。
深慮(しんりょ)
「深慮」とは、「深く考えをめぐらすこと」、「深い考え」という意味。したがって、まさに「浅慮」の対義語に当たります。「深」と「浅」で正反対の漢字を使っていることからも、反対の意味を持っていることがわかりますね。「後になって彼の深慮に気づき、胸にこみ上げてくるものがあった」などというように使います。
「遠謀深慮」(えんぼうしんりょ)という四字熟語もあり、「遠い先のことまで深く考えること」を意味しています。
熟慮(じゅくりょ)
「熟慮」は、「よく考えること」、「いろいろなことを考えに入れて、念入りに検討すること」、「熟考」を表します。したがって、こちらも「浅慮」と対照的な意味を持つ言葉と言えます。「熟慮した末に、退社することにした」などというように使います。
思慮深い(しりょぶかい)
「思慮深い」は「物事を注意深く、十分に考えるさま」を意味します。したがって、考えが浅いことを指す「浅慮」と対照的な意味の言葉となりますね。「後輩の思慮深い対応にハッとした」などというように使います。
最後に
「浅慮」の正しい意味や使い方、類義語や対義語を解説してきましたが、いかがでしたか? ビジネスシーンでしばしば用いられる言葉なので、難しいと忌避せずに、しっかりと覚えておきたいですね。
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