「和洋折衷」とは?簡単に基礎知識を解説
和洋折衷の読み方は〈わようせっちゅう〉です。料理や家などの建築物、ファッションの分野などでよく取り入れられていて、ビジネスシーン以外でも耳にすることがあるかもしれません。
それでは、和洋折衷とはどのような言葉なのか、基礎知識を確認しましょう。まずは、詳しい意味や語源・由来、使い方・例文などを紹介します。
和洋折衷の意味・語源
和洋折衷とは、日本風と西洋風をほどよく取り合わせることを意味する言葉です。和洋折衷で使われている単語の意味は、以下のとおりです。
・和……日本のこと。
・洋……西洋(外国)のこと。
・和洋……日本と西洋(外国)のこと。
・折衷……ふたつ以上の考え方や物事を、それぞれのよいところをあわせてひとつにとりまとめること。
また、「衷」の字は「中」とも書くことがあります。
和洋折衷の使い方や例文
和洋折衷の使い方を、例文で簡単に確認しましょう。
・この建物は明治時代に建てられたもので、日本家屋に洋間を取り入れた和洋折衷の建築様式が採用されている。
・このレストランには和洋折衷のメニューが用意されています。日本人と外国人、どちらの舌にも合って人気が高いです。
・今度のお出かけは和洋折衷のコーディネートにしようかな。
和洋折衷とは和と洋のいいところを取り合わせたもののため、基本的にポジティブな意味で使われます。
和洋折衷がよく使われるのは家・建築物・服など
和洋折衷がよく使われるのは、家などの建築物や服、料理といったような分野のものです。とくに建築物に関しては、現在でも和洋折衷の家を建てたり、リノベーションで和洋折衷を取り入れたりすることがあります。洋風建築のメリットと和風建築のメリットを持った建物にできるため、うまく取り入れると快適に過ごしやすくなるという考えもあるようです。
和洋折衷の類語・言い換え・似た表現
あわせて、類語や言い換えが可能な似た言葉を確認しましょう。たとえば以下の表現が挙げられます。
・和魂洋才(わこんようさい)
・和魂漢才(わこんかんさい)
・和洋中(わようちゅう)
それでは、和洋折衷の類語・言い換え・似た表現を解説します。
和魂洋才(わこんようさい)
和魂洋才とは、「日本の伝統精神を保ちながら、西洋の学問や文化の優れた部分を巧みに取り入れ調和させること」という意味の言葉です。後述する和魂漢才をもじった言葉といわれています。
なお、「和魂」とは日本固有の大和魂の精神を指します。和魂洋才という用語が定着したのも、和洋折衷と同じく、明治時代の日本に西洋文化が流入し始めたころといわれています。
和魂漢才(わこんかんさい)
和魂漢才は、和魂洋才よりも前からある表現でした。和魂漢才からの類推でできた言葉が、和魂洋才とされています。
これらの言葉の違いは、取り入れた文化が「洋」=「西洋」、「漢」=「中国」のどちらのものかです。
和洋中(わようちゅう)
和洋中とは、日本と西洋と中国をまとめて伝える言葉です。料理に関して使われることが多いようで、その場合は和食・洋食・中華を指します。
また、和洋折衷に一文字を加えた「和洋中折衷」という表現が使われることも。この場合、和と洋だけでなく中国風のものも含めてうまく取り合わせたものを指します。
和洋折衷という言葉を正しく理解しよう
和洋折衷とは、日本風と西洋風をほどよく取り合わせることです。また、日本と西洋と中国をまとめて伝えるときには和洋中とも表現されることがあります。
言葉の詳しい意味や使い方、関連する表現などをあわせて確認し、言葉への理解を深めましょう。
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