「毎日がエブリデイ」ってどんな意味?
皆さんは「毎日がエブリデイ」という言葉を聞いたことがありますか? 知らない方はこの言葉を聞いても「さっぱり意味が分からない」、「なんじゃそりゃ」と思うことでしょう。
「エブリデイ」は「毎日」という意味を持つ英語の「everyday」を、カタカナで表記したもの。すなわち、「毎日がエブリデイ」を全て日本語に置き換えると「毎日が毎日」という繰り返しになります。
「毎日が毎日」。
直訳をしてもどのような意味を持つのかわかりませんね。実は「毎日がエブリデイ」には2つの意味があるのです。
毎日がエブリデイの2つの意味
1つ目の意味は「代わり映えのしない日々」、「何気ない日常」。なぜこのような意味になるのかわかりますか? 先述の通り、「毎日がエブリデイ」は「エブリデイ」を訳すと「毎日が毎日」です。毎日の意味が毎日なのは当たり前ですね。「毎日が毎日なのは当たり前」という認識から、「何事もない毎日」、「当たり前の日常」という意味で用いられるようになりました。
2つ目の意味は「ニート」、「無職」。人に対して「毎日がエブリデイ」を用いる際はこちらの意味となります。自虐的に使われることが多いようですね。こちらの意味を「毎日がエブリデイ」という言葉から連想するのは、少し難しいかも。
なぜ「毎日がエブリデイ」の意味に「ニート」や「無職」が含まれるのか。それは、この「毎日がエブリデイ」の元ネタが関係しています。
毎日がエブリデイの元ネタは一体?
「毎日がエブリデイ」という言葉は、1990年代のインターネット初期と呼ばれる頃には、すでに使われていました。この頃は「無職」、「ニート」という意味でのみ用いられています。
しかしながら「いつ」「誰が」言い出したのかは明確ではありません。そのため、「毎日がエブリデイ」の元ネタには諸説あります。
「毎日がエブリデイ」という言葉の元ネタとして代表的なものは、“毎日が日曜日”を誤訳したというものです。「毎日が日曜日」の「日曜日」を英語にする際、どのように訳すかわかりますか?
正解は「ホリデイ(holiday)」や「ウィークエンド(weekend)」。そのため、「毎日がホリデイ」や「毎日がウィークエンド」が本来の表現でした。
しかし、誰かが誤った使い方である「毎日がエブリデイ」を掲示板に投稿。その掲示板を見ていた人たちの間で、「毎日がエブリデイ」という言葉が流行り、拡散されたことで、多くの人に使われるようになりました。
本来投稿をしたかった「毎日が日曜日」の意味は「毎日が(サラリーマンが出社をしなくていい)日曜日」=「毎日働いていない」。転じて仕事をしていない「無職」や「ニート」のことを指すようになりました。
これが「毎日が日曜日」の誤訳である「毎日がエブリデイ」に「無職」、「ニート」といった意味が含まれることになった経緯です。
毎日がエブリデイと似たネットスラング
「毎日がエブリデイ」や「頭痛が痛い」「馬から落馬」のように同じ意味を繰り返す表現を「重言」と呼びます。本来、こういった重言を用いることは誤り。しかしながら、ネットや若者の間では「同じことを繰り返す」=「その言葉を強調している」という考えから、わざと用いられることがあります。
「力こそパワー」
「毎日がエブリデイ」のような重言を用いたネットスラングの中で特に有名なのが、この「力こそパワー」。この「力こそパワー」はアニメ作品「新ビックリマン」のキャラクターである「ブラックゼウス」の台詞です。
「この画像はイメージです」
ネットの記事やSNSで、この文言を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。よく使われるカタカナ英語である「イメージ」ですが、実はこの言葉も重言表現となっています。「イメージ(image)」の意味は「画像」や「映像」。直訳をすると「この画像は画像です」となりますね。
毎日がエブリデイの適切な使い方・例文をご紹介
「毎日がエブリデイで面白くないなぁ」
目新しいことのない「変哲のない日々」であることを指します。「変哲のない日々」という意味としての「毎日がエブリデイ」は、ブログや日記のタイトルでよく用いられます。
「予定ならいつでも合わせられるよ。なんてったって、毎日がエブリデイだからね」
こちらは自身が「無職」や「ニート」であると宣言しています。自分自身に対して使う場合は、自虐として用いることが多いですね。
「君はいつもログインしているね。毎日がエブリデイみたいで羨ましいよ」
こちらは前述のものとは異なり、他人に対して用いています。この場合は「まるでニートや無職のようだ」と相手に伝えています。
「無職」、「ニート」を意味することから、悪口と捉えられる可能性が高いです。冗談が通じる間柄でもない限り、他人に対して用いることはお勧めしません。
「この店は閉店が早すぎる。毎日がエブリデイでもない限り、行けないじゃないか」
閉店時間が平日の早い時間であることから、「サラリーマンのように平日の夜まで働いている人」では行くことができないだろう、と伝えたいときに、比喩として用います。
最後に
「毎日がエブリデイ」の意味について、理解が深まりましたでしょうか? 「毎日がエブリデイ」は、主に「無職」や「ニート」のような状態を指す場合に用いられます。そのため、人を傷つける可能性があることを忘れずに、注意して使いましょう。
また、『毎日はEVERYDAY』という楽曲が、アーティストの影山ヒロノブさんの作品として実際に存在しています。こちらは「何気ない日常」、「変哲もない日常」といった意味で用いられているようですね。
このように「毎日がエブリデイ」には良い意味も存在します。毎日がエブリデイ、何でもない日々が大切だったりしますね。
TOP画像/(c)Adobe Stock