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2025.09.11

ビジネス現場で信頼される「旨を伝える」の正しい使い方と応用例【専門家監修】

「その旨お伝えします」——よく使うけれど、実は「どこまでが旨で、どこからが詳細か」曖昧になりがち。誤解なく速く伝えるにはルールがあります。本記事では、「旨(むね)」の正しい意味、メール定型文、言い換え・敬語、社内外の使い分け、誤解を避ける実践術までを一気に整理。今日から“伝わる人”になる最短ルートを解説します。

ビジネスシーンで頻繁に使われる「旨を伝える」という表現。一見シンプルですが、「旨」の正しい意味や使い方を理解していないと、意図が誤って伝わる原因にもなります。本記事では、「旨を伝える」の意味から、場面別の応用方法、言い換え表現、実践のポイントまで徹底解説します。

「旨を伝える」ビジネス現場で信頼される伝達力を身につける

「旨を伝える」は、ビジネスコミュニケーションにおいて欠かせない表現の一つです。正しく使いこなすことで、効率的で誤解のない情報伝達が可能になり、相手からの信頼も高まります。

まずは、意味と読み方を押さえましょう。

「旨を伝える」の意味と正しい読み方

「旨を伝える」の「旨」は「むね」と読みます。これは「物事の中心」「要点」「趣旨」といった意味を持つ言葉です。したがって、「旨を伝える」とは、「話の要点や大切な部分を伝える」「そういう内容であることを伝える」という意味になります。

例えば、「部長がA社の件で折り返しお電話する旨、先方にお伝えしました」という文は、「『部長がA社の件で折り返し電話をします』という要点を先方に伝えました」という意味になります。

複雑な内容や長い話を、この一言で簡潔にまとめることができる、非常に便利な表現です。

「旨を伝える」が求められる場面

この表現は、特に以下のような場面で効果を発揮します。

・伝言を頼む・伝えるとき: 「〇〇さんが本日欠席される旨、皆様にお伝えください」
・会議や打ち合わせの結論を報告するとき: 「会議の結果、プロジェクトを継続する旨、役員会に報告いたしました」
・第三者からの指示や意向を共有するとき: 「社長室より、経費削減にご協力いただきたい旨、通達がございました」
・メールや文書で決定事項を通知するとき: 「添付の資料をご確認いただきたい旨、ご連絡いたしました」

このように、自分以外の誰かの言葉や決定事項を、客観的な事実として簡潔に報告・伝達する際に最適な言葉です。

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(c)Adobe Stock

間違えやすい表記や読み方の注意点

便利な言葉だからこそ、誤用は避けたいものです。以下の点に注意しましょう。

・読み方の間違い: 「旨」を「し」や「うま」と読むのは誤りです。正しくは「むね」です。
・避けるべき表記:「むね」(ひらがな)「旨」は常用漢字ですが、日常ではひらがなで「むね」と記すこともあります。ビジネス文書では「旨」と漢字で記すほうが正式感を与えます。

「旨を伝える」の使い方と基本例文

正しい意味を押さえたら、実際の使い方を身につけましょう。定型文からアレンジ表現まで紹介します。

定型文とそのアレンジ例

【定型文の例】
・「その旨をお伝えいたします」
・「その旨、承知いたしました」
・「その旨をご連絡ください」
・「その旨をお知らせいたします」

【アレンジ例】
・「承知いたしました。田中部長が戻られましたら、その旨をお伝えいたします」
・「会議の日程変更の旨、関係者全員にメールでお知らせいたします」
・「資料の準備ができましたら、その旨をご連絡いただけますでしょうか」
・「プロジェクト完了の旨、お客様にご報告させていただきました」

使用時の注意点

「旨を伝える」は便利な表現ですが、万能ではありません。以下の点に注意して、効果的に使いましょう。

詳細な説明は省いていることを理解する

「旨」はあくまで「要点」です。複雑な背景や詳細なデータ、微妙なニュアンスまで含めて伝えるべき場面では、「~という旨」だけでは不十分です。必要に応じて、補足説明を加えましょう。

自分の意見や感情には使わない

この表現は、客観的な事実や他者からの伝言を伝える際に使います。「(私は)貴社の提案に感動した旨、お伝えします」のような使い方は不自然です。「貴社の提案に大変感銘を受けたと、弊社の〇〇が申しておりました旨、お伝えいたします」のように、第三者の言葉として伝えるのが適切です。

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(c)Adobe Stock

メールやチャットでの表現

テキストコミュニケーションでは、言葉のニュアンスが伝わりにくいため、より丁寧な表現が求められます。

【メールでの表現例】
「お打ち合わせの結果、来月より業務フローを変更する旨をご連絡申し上げます」

【チャットでの表現例】
「会議で来週の出張が中止になった旨、共有します」

「旨を伝える」の言い換え表現・敬語・類語表現

ビジネスコミュニケーションでは、相手や場面に応じて適切な表現を選択することが重要です。「旨を伝える」の言い換え表現を豊富に持つことで、より柔軟で効果的なコミュニケーションが可能になります。

丁寧な言い換えやフォーマルな表現

より敬意を示したい場面や、公式な文書で使える表現を覚えておきましょう。

【丁寧な言い換え例】
「そのように申し伝えます」
「そのことをお伝えいたします」
「ご指示の内容をお伝えいたします」

【フォーマルな表現例】
「ご依頼の趣旨をお伝え申し上げます」
「ご指示いただきました内容につきまして、関係者にお伝えいたします」
「ご相談いただいた件の詳細について、担当者にお伝えいたします」

似た表現との違いと選び方

似たような意味を持つ言葉でも、ニュアンスは少しずつ異なります。その違いを理解し、的確に選び取ることが大切です。

【主な似た表現とその違い】
・主旨を伝える:全体的な方向性や考え方を伝える
・要旨を伝える:要点を簡潔にまとめて伝える

シーン別・相手別の言い換え例

誰に、どのような状況で伝えるかによって、最適な言葉は変わります。

【上司・目上の人へ】
敬意を最大限に払い、謙譲語や丁寧語を正しく使いましょう。
「〇〇様よりお電話があり、本日中に資料をご確認いただきたいとの旨、伺っております」
・「先方のご意向としましては、価格の見直しをご検討いただきたい、という趣旨でございました」

【同僚・チームメンバーへ】
丁寧さを保ちつつも、簡潔で分かりやすい表現を心がけましょう。
・「Aチームから、例の件で協力依頼があったので、その旨共有します」
・「今朝の会議の要旨をチャットで送りますね」

【取引先・社外の方へ】
会社の代表としての立場を意識し、丁寧かつ明確な言葉を選びます。
・「弊社の担当〇〇が、ただいま席を外しております。戻り次第、折り返しお電話を差し上げる旨、申し伝えます」
・「本メールは、弊社プライバシーポリシー改定の趣旨をご説明するものでございます」

ビジネスシーンでの「旨を伝える」応用例と実践ポイント

実際の業務で効果的に使うには、簡潔さと明確さが不可欠です。

組織内連絡・会議での活用

・朝礼での共有: 「人事部より、クールビズ期間が来月末まで延長される旨、通達がありましたので、周知いたします」
・会議での報告: 「営業第一部からは、新規契約数が目標を達成した旨、報告がありました」

取引先や顧客対応での使い方

社外の方とのやり取りでは、丁寧さと正確さが信頼に直結します。

・アポイントの再確認: 「明日の14時に貴社へお伺いする旨、念のためご連絡いたしました」
・納期遅延のお詫び: 「製造ラインのトラブルにより、納品が3日ほど遅延いたします旨、ご連絡いたしました。多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」

顧客との対話
(c)Adobe Stock

誤解を防ぐポイントと注意すべき表現

言葉足らずや不適切な表現は、思わぬ誤解やトラブルの原因になります。

【誤解を防ぐポイント】

・具体的な文脈の提供
「その旨」だけでは分かりにくい場合は、「○○の件について、その旨を」のように、具体的な内容を併記する。

・ 相手の理解度の確認
重要な内容の場合は、「○○についてお伝えしたその件についてですが」など、念押しの表現を加える。

・ 期限や条件の明示
「来週までに」「条件が整い次第」など、時期や条件を明確に。

【注意すべき表現】

・曖昧な表現
「~の件、いい感じに進んでいる旨、お伝えください」といった曖昧な伝え方はNGです。「~の件、A案で進める方向で合意した旨、お伝えください」のように具体的に表現しましょう。

・責任転嫁に聞こえる表現
「私は反対だったのですが、部長がやれとおっしゃった旨、ご報告します」のような言い方は、責任逃れと捉えられかねません。あくまで客観的な事実として「部長の指示により、〇〇を進行する旨、ご報告いたします」と伝えましょう。

「旨を伝える」のよくある疑問と対策

ここでは、多くの方が疑問に思ったり、間違えやすかったりする点について、具体的にお答えします。日々のコミュニケーションでの迷いを解消しましょう。

間違いやすい使い方・NG例

自分の意見に使う
NG: 「この企画は素晴らしい旨、申し上げます」
OK: 「この企画は素晴らしいと、私は考えております」
「旨」は客観的な内容を伝える言葉です。自分の意見や感想を述べるときは、「~と思います」「~と感じております」といった表現が適切です。

・複雑な内容の要約を怠る
NG: 「先ほどの1時間にわたる会議の旨、部長にお伝えください」
OK: 「先ほどの会議の結果、A案の採用が決定し、来週から具体的な準備に入る旨、部長にお伝えください」
「旨」を使う際は、伝える側がきちんと要点をまとめる責任があります。内容を丸投げするような使い方は避けましょう。

最後に

「旨を伝える」は、単なる言い回しではなく、ビジネスの信頼関係を築くための有用な表現です。正しく理解し、状況に応じた使い方を心がけることで、あなたの発言や文章はより明快で説得力のあるものになります。今日からメールや会話に取り入れて、伝達力を一段と高めていきましょう。

TOP・アイキャッチ・吹き出し画像/(c) Adobe Stock

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執筆

武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

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