目次Contents
転職の面接などで、「前職の退職理由は?」という質問を受けるときがありますよね。こんなとき、「どう言ったらいいの?」や、「ネガティブな理由でも、正直に答えていいの?」などという疑問をお持ちの方も多いことでしょう。
そこで、この記事では、退職理由のポジティブな言い換えや、おさえておきたいポイントを解説します。
退職理由はこう言い換えよう! ポジティブに伝えて面接で好印象を掴む方法
退職理由の言い換えがなぜ大切なのでしょうか? ポジティブな言い換え表現も合わせてみていきましょう。
退職理由の言い換えが大切な理由とは?
退職理由を伝える際、ネガティブな言い方だと、損をしてしまうこともあります。退職するという決断をしたということは、何か不満や事情があるケースが多いですよね。ですが、言い方がネガティブなだけで、第一印象が悪くなってしまうことも多いのです。
「この人、入社してもすぐやめてしまうのでは?」や、「今後トラブルになりそう」と不安に思われてしまうと、採用をためらってしまうという話もよく耳にします。そのため、退職理由を伝える際は、なるべくポジティブに言い換えることを意識した方が良いでしょう。
誰でも使える! ポジティブな退職理由の言い換え例文
同じことを説明するのでも、言い方で大きく印象が変わります。退職理由に限ったことではありませんが、何事も言い方が重要。例えば、何か不満があった時、それを裏返してみると、「○○したい」という理想が出てくるのではないでしょうか?
「これがいやだったから辞めた」より、「○○を実現したい」などと、未来を考えた表現にするとポジティブな印象を持たれやすいですよ。
「人間関係」を理由に退職した場合の前向きな言い換え術
ここからは、人間関係を理由に仕事を辞めた時、どうすれば前向きに言い換えることができるかを解説します。
人間関係のトラブルをポジティブに伝えるコツと例文
人間関係のトラブルで退職した場合、そのまま伝えてしまうとあまり良い印象にはなりませんよね。この場合、「人とのチームワークを大切にしたい」や、「うまく人と連携して成果をあげたい」という表現に変えるのがおすすめです。
もちろん、中には、深刻なハラスメントやいじめなどで退職をせざるを得ないという人もいらっしゃることでしょう。ですが、事情をよく知らない人が聞いても、実情が全て伝わるとは限りません。また、くれぐれも、前職の悪口は避けるようにしたいところです。
「仕事が合わない」をプラスに変える! 次に繋げる退職理由の伝え方
仕事内容が自分に合わず、退職するということもあるかもしれませんね。この場合の言い方もみていきましょう。
「仕事が合わなかった」と感じた時の効果的な言い換え例
「仕事が合わなかった」という否定的な言い方を、「こういう仕事に携わりたい」という肯定的な言い方に変えることがおすすめです。例えば、「○○の業務を通して、貢献していきたい」などのイメージですね。
特に、その会社の特色や、強み、ビジョンなどと合わせて話すとさらに好印象です。仕事ですので、自分のやりたいことだけを選ぶというのが、難しい場面もあるかもしれません。「自分はこういう仕事をしたい」というだけでなく、それによって会社や人にどのような良い影響があるか、過去にどんな行動をしてきたかなどを合わせて話すようにするのがポイントですよ。
実際に、あるIT企業では、その会社の実績や会社の経緯などをよく調べてきてくれて、「○○のような仕事に携わりたい」と具体的に話してくれた人を採用するようにしていると言います。
もちろん、その人の経験やスキルにもよるでしょう。ですが、人と一緒に仕事をする以上、周囲の状況や売り上げ、チームメンバーとの連携など、いろいろな事情もありますよね。そういったところに配慮できる人なのかも重要なポイントと言えるでしょう。
「給料が安い」とは言わない! 退職理由をスマートに言い換える方法
給料が安くて、退職するという場合の言い換え方法もみていきましょう。
給料が安かった場合の前向きな言い方と例文
年収や待遇は、生活にも大きく関わるため、給料が安すぎて退職せざるを得ないという人もいらっしゃるかもしれません。また、「年収アップのために転職する」と転職の目的がはっきりしている人もいらっしゃることでしょう。もちろん、業界によってはそのまま伝えても、特に違和感がないということもあります。
ですが、「給料が安かった」という言い方は、後ろ向きイメージを持たれることも。「貢献を正当に認めてもらえる環境で働きたい」などの前向きな言い方にすると、印象が変わりますよ。
「ノルマが厳しかった」退職理由の上手な伝え方
「ノルマが厳しい」という退職理由を、上手く伝えるにはどうすればいいのでしょうか? これも言い方でぐっと印象が変わりますので、例文をみていきましょう。
ノルマを理由にした退職をポジティブに言い換える例文集
ノルマが厳しすぎて退職をした場合、意識したいポイントは、「売り上げや目標の重要性は分かっている」ということが伝わるような言い方にするということです。
「売り上げ目標はもちろんですが、顧客との関係性も大切にして、長期的に成果を上げていきたい」や、「お客様とじっくり向き合っていきたい」などの言い換えを参考にしてみてください。
「ノルマは仕方ないものじゃないの?」などの意見もあるでしょう。もちろん、考え方は会社や職種によってさまざまです。ですが、短期的な数字よりも、長期的な関係を安定させることを重視している会社もありますよ。実際に、ある会社では、面接の際、「長期的にお客様との関係性を大切にしたい」というマインドの人を、積極的に採用するようにしているといいます。
面接官に刺さる! ポジティブな退職理由の言い換えテクニック集
退職するということは、少なからず何か事情があることが多いでしょう。中には、大きな不満やトラブルが理由でやめるというケースも。ですが、面接官や採用する側の立場になって考えてみると、退職理由を聞いたときに、不満げな人よりも、ポジティブな方が、いい印象になりやすいのではないでしょうか?
退職理由の言い換えを成功させるための具体例と活用法
退職するにあたり何か不満があった場合、その不満の対義語や、反対の表現を使うというのもおすすめの方法です。例えば、「前の仕事は単純作業ばかりで、やりがいがなかった」という表現を、「自発的に考えて、やりがいを感じながら仕事をしていきたい」などと言うと、印象が変わりますよね。
また、もし自分が採用する側だった時に、どんな人と働きたいと思うでしょうか? このように、立場を入れ替えてイメージしてみるのもおすすめですよ。
最後に
この記事では、退職理由のポジティブな言い換え表現や、おさえておきたいポイントなどを、実際の事例をまじえて解説しました。退職理由は言い方次第で、聞いた時の印象がかなり変わりますので、参考にしてみてくださいね。
TOP画像/(c) Adobe Stock
塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサルの傍ら、ポジティブ心理学をベースとした研修講師としても活動中。HP:塚原社会保険労務士事務所 ライター所属:京都メディアライン