ビジネスシーンで突然「それ、ロハでいいよ」と言われて、戸惑った経験はありませんか? 普段あまり耳にしないこの「ロハ」という言葉。実は、おじさん世代がよく使う表現なのです。
この記事では、この「ロハ」の意味や使い方、そして現代風の言い換え表現まで解説します。世代間のギャップを埋めるヒントが満載です!
おじさん用語「ロハ」って何?
ビジネスの場で突如飛び出す、「ロハ」という言葉。その背後にはどんな意味が隠されているのでしょうか? まずは、意味から確認していきましょう。
「ロハ」の意味とは? ビジネスで使われるその真意
「ロハ」は辞書に載っています。内容を以下に紹介しましょう。
ろ‐は
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《「只(ただ)」の字が片仮名のロとハを続けた形であるところから》代金や料金などが要らないこと。ただ。無料。「―で映画を見る」
「ロハ」とは、「無料」や「ただ」という意味を持つ言葉だということがわかりました。おじさん世代にとっては馴染み深い言葉で、「このサービスはロハで提供します」といった形で使われます。
若い世代にはあまり知られていないため、初めて聞くと戸惑うかもしれませんね。
「ロハ」の語源と由来|なぜ「無料」を意味するのか?
「ロハ」の語源は漢字の「只(ただ)」を分解し、「ロ」と「ハ」と読んだことに由来します。漢字を部首などで分解して読み替える言葉遊びが存在し、その中から生まれた表現です。
実際のビジネスシーンでの「ロハ」の使い方
では、実際に「ロハ」はどのような場面で使われるのでしょうか? 具体的な会話例を挙げながら、使い方と注意点を見ていきましょう。
追加分は、なんとかロハになりませんか?
「ロハ」は「無料」を意味するため、「なんとかロハになりませんか?」は「何とか無料にしていただけませんか?」という意味になります。「無料にしてください」とは、なかなか言い出しにくいものですよね。そんなとき、「ロハ」を使うことで、表現が柔らかくなります。
ただし、この言葉を相手が知らない可能性もあるため、誤解を避けるためには注意が必要です。
このセミナー、ロハで参加できるらしいよ。
社内の同僚や部下に、無料で参加できる研修やセミナーを紹介する会話例です。カジュアルな表現で親しみやすさを出せますが、公式な案内やメールでは使用を避けたほうがいいでしょう。
この修理費用はロハにしておきますね。
顧客対応の場面で、サービスとして無償で対応することを伝えるフレーズです。顧客満足度を高める効果がありますが、ビジネスの正式な場では「無料で対応いたします」といった表現のほうが適切でしょう。
「ロハ」を使うときの注意点
「ロハ」は親しみやすい反面、若い世代や取引先には通じない可能性があります。誤解や混乱を避けるためにも、相手や場面を選んで使うことが重要です。
正式なビジネスシーンでは「無料」や「サービスで対応します」といった明確な表現を心がけたいですね。
「ロハ」の言い換え表現は?
ここでは、「ロハ」の適切な言い換え表現を紹介します。
無料
最もシンプルでわかりやすい表現です。「このサービスは無料でご利用いただけます」と言えば、誰にでも正確に伝わります。
サービス
「サービス」の意味は複数あるので、辞書の情報を紹介します。
サービス【service】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名](スル)
1 人のために力を尽くすこと。奉仕。「休日は家族に―する」
2 商売で、客をもてなすこと。また、顧客のためになされる種々の奉仕。「―のよい店」「アフター―」
3 商売で、値引きしたり、おまけをつけたりすること。「買ってくだされば―しますよ」
4 運輸・通信・商業など、物質的財貨を生産する過程以外で機能する労働。用役。役務。
5 ⇒サーブ1
「今回はサービスで対応いたします」は、追加料金なしで提供することを柔らかく伝える表現です。相手に対する好意や特別感を示すニュアンスがあります。
無償
「無償」の意味を辞書で確認しておきましょう。
む‐しょう〔‐シヤウ〕【無償】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 報酬のないこと。また、報酬を求めないこと。「―の奉仕」
2 代金を払わないでいいこと。ただ。無料。「―で貸与する」⇔有償。
「この部分は無償で修理いたします」は、正式な場面でも使える丁寧な表現です。信頼性を高めたいビジネスシーンに適しています。
他にもある! 知っておきたいおじさん用語リスト
「ロハ」以外にも、ビジネスシーンで使われるおじさん用語はたくさんあります。ここでは、特に知っておきたい言葉を3つ紹介します。
一丁目一番地
「一丁目一番地」とは、物事の中心や最も重要な部分を指す言葉です。由来については諸説ありますが、一丁目一番地は一等地が多いことから転じて、ビジネスでは「最優先事項」や「核心」を意味します。プロジェクトの重要課題を議論する際に使われることがあります。
カバン持ち
「カバン持ち」は、先輩や上司に付き添って経験を積む新人や若手社員を指す言葉です。かつての日本の企業文化においては、上司の側近としてのカバン持ちは、仕事の細部を学ぶ場でもありました。
ガラガラポン
「ガラガラポン」は、一度全てをリセットして新たに始めることを意味します。福引きの「ガラガラポン」が由来で、計画の見直しや組織改革を提案する際に使われます。大胆なアイデアを求める場面で登場することの多い言葉です。
最後に
おじさん用語には、時代背景や文化が反映されていることが多いでしょう。言葉の意味や由来を知ることで、世代間のコミュニケーションもスムーズになることがあります。今回紹介した「ロハ」を活用して、円滑なコミュニケーションを目指してみてください。
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