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「学問に王道なし」の意味と読み方
「学問に王道なし(がくもんにおうどうなし)」は、ギリシャの数学者・ユークリッドが、当時の王・プトレマイオスに説いた言葉だといわれています。
学問を習得するのに近道はなく、誰もが基礎から手順を学ばなくてはいけないという意味のことわざです。
ユークリッドが「幾何学の父」や「幾何学の祖」と呼ばれることから、「幾何学に王道なし」のかたちでも知られています。
「コツコツ勉強に励もう」、「基礎を大切に学ぼう」という気持ちを表現できるフレーズです。
学問に王道なし
出典:小学館 デジタル大辞泉
《ユークリッドがプトレマイオス王に答えた言葉》学問をするのに安易な方法はない。だれが学んでも等しく経なければならない過程があるということ。幾何学に王道なし。
「学問に王道なし」の由来とは
「学問に王道なし」の由来は、幾何学の父・ユークリッドに関係しているとされます。
そもそもユークリッドはどのような人物だったのか、「王道」の具体的な意味とともに確認していきましょう。

「学問に王道なし」はユークリッドの言葉
ユークリッドは、紀元前に活躍したギリシャの数学者です。幾何学についてまとめた「原論」の著者としても知られています。
そもそも幾何学とは、図形や空間などの性質を研究する数学の分野のこと。ユークリッドは、現代の数学と共通する考えを「原論」に記しました。
ある日、ユークリッドはプトレマイオス王に「幾何学を学ぶのに、もっと簡単な方法はないのか」と問われます。これに対しユークリッドは「幾何学に王道なし」と答えました。
これは、数学における1つの法則を見つけるまで、基礎から地道に学び続け努力したユークリッドならではの言葉だと考えられます。「幾何学に王道なし」は後に「学問に王道なし」のかたちで語り継がれるように。
現在は数学に限らず、幅広い分野に対して活用できる言葉です。何事も学びを得るためには、地道な努力が必要だと教えてくれるといえるでしょう。
「王道」とは「王様のための道」のこと
「学問に王道なし」の「王道」は、英語で「royal road」と書きます。直訳すると「王様のための道」のことです。
ここでの王様の道は、安易な道や近道を指します。気を付けたいのは、「王道」には「正当な道」という意味もある点です。
「王道を行く」とした場合は近道ではなく、「まともな道を行く」「正当な道を行く」という意味に変化します。
例)
・連日多くの人で賑わう中華屋は、奇をてらわない王道の味だと評判だ
・どうやら痩せるための近道はないようだ。運動と食事制限。ダイエットの王道を行くしかない
この場合、「学問に王道なし」の「王道」とはニュアンスが異なります。
日常生活で使い方を誤らないよう、「王道」には複数の意味があることを理解しておきましょう。
「学問に王道なし」の使い方と例文
「学問に王道なし」は、おもに勉学に取り組む場面で使用できます。ビジネスにおいても、さまざまな場面で学びの意識は必要です。
ここでは、「学問に王道なし」の具体的な使用例を確認していきましょう。
・「資格試験が迫っているのに全然勉強ができていない! 一週間で何とかならないだろうか…」「それは難しいんじゃないかなぁ。学問に王道なしっていうでしょう? 」
・英会話の基礎から学べる本を購入した。学問に王道なし。一からコツコツと勉強を始めるつもりだ
・試験なんて余裕だと思っていたら、基礎問題でつまずいてしまった。学問に王道なしというが、本当にその通りだ
・先方から商品への理解が足りないと指摘されてしまった。学問に王道なしというが、もう一度基礎から学び直す必要があるのかもしれない
「学問に王道なし」の類語「下学して上達す」
論語が語源のことわざ「下学して上達す」は、「学問に王道なし」と似た意味をもちます。
具体的な意味や語源、使い方などを知り「学問に王道なし」と上手に使い分けましょう。

「下学して上達す」の意味と語源
「下学して上達す」は「かがくしてじょうたつす」と読みます。「下学」とは、身近で簡単なことから学び始めることです。初歩から学び、やがて高度な領域まで上達するさまを表します。
言葉の語源は、中国の思想書「論語」にあるとされます。論語は、中国の著名な思想家「孔子」の考えや言葉をまとめたものです。
「下学して上達す」は、何事も基礎からコツコツを学べば、やがて高いレベルまで上達するだろうという孔子の考えを表しています。何事も基礎が大切、という思いはユークリッドと同様といえるでしょう。
「学問に王道なし」との違いは「下学上達(かがくじょうたつ)」と四字熟語でも活用できる点です。より端的に、勉強に向けた考えや意志を表明できます。
かがく【下学】 して 上達(じょうたつ)す
出典:小学館 精選版 日本国語大辞典
( 「論語‐憲問」の「下学而上達、知レ我者其天乎」から ) 初歩的なところから学び始め、やがて後には高遠な学理にまで達して、それをきわめる。下学上達。
「下学して上達す」の使い方
「下学して上達す」は、「学問に王道なし」と似たニュアンスで活用できます。ここでは、「下学上達」の使い方もみていきましょう。
・英会話を始めようと上級者クラスに体験参加してみたが、まったく理解できなかった。下学して上達すというし、やっぱり初心者コースから始めようかな
・下学して上達すというように、表舞台で活躍している人たちも、みな基礎から地道に努力を重ねたのだろう
・今日から新入社員研修が始まる。下学上達、まずは基礎からしっかりと学んでいこう
・幼いころからの夢が諦められず、飲食店に転職した。下学上達の気持ちで、下働きから地道に頑張ろう
「学問に王道なし」の気持ちで物事に取り組もう
「学問に王道なし」は、コツコツと学ぶことの大切さを教えてくれることわざです。由来はギリシャの数学者・ユークリッドにあります。
また、「王道」には2つの意味があります。「学問に王道なし」の「王道」は、近道や簡単な道筋のことです。正しい道を示す「王道」とはニュアンスが異なるため、使用時は気を付けてください。
類語の意味や使い方を知れば、表現の幅がより広がります。何かを得て成長するためには、学びの意識が重要です。「学問に王道なし」の気持ちで、意欲的に物事に取り組んでいきましょう。
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