「ふてくされる」とは?
自分の都合が悪くなると、途端に不機嫌になる人っていますよね。自分の機嫌が自分で取れなかったり、周りにあたり散らす人は悩みの種。そういった態度のことを、「ふてくされる」といいます。
今回は、「ふてくされる」の言葉や人物像について詳しく見ていきましょう。
「ふてくされる」の意味
「ふてくされる」とは、「都合の悪いことが起きたり、不満の気持ちがあったりして反抗的な態度をとること」です。「反抗的な態度」とは、不平不満を言ったりするだけでなく、相手を無視したり、投げやりな態度をとったりすることも含みます。
「ふてくされる」の「ふて」は、当て字で「不貞」と書くこともあるようです。また、「くされる」を「腐れる」と漢字で表すこともあり、表し方にバリエーションがあります。
「ふてくされる」の語源
「ふてくされる」には、どのような語源があるか知っていますか? 「ふてくされる」の「ふて」は、「ふてる」という動詞からきていると言われています。「不満に思い、逆らうような態度をとる・自分の意見を通そうと意地を張る」という意味の動詞です。
一方、「くされる」は、「腐る(くさる)」の動詞が変化したものと考えられています。「威張り腐る(いばりくさる)」などと使うことがありますね。
「腐る」にはいくつかの意味がありますが、ここでは「粋な心が失われる」「思い通りにいかずに嫌気が差す」「動作をする人に対して、軽蔑の気持ちを表す」という意味で用いられています。
この二つの動詞が組み合わさって、「ふてくされる」という言葉が生まれたようです。
「ふてくされる」の類語
「ふてくされる」の類語には、どのようなものがあるのでしょうか。「不満な気持ちから、反抗的な態度をとること」というニュアンスで「機嫌を損ねる」「拗ねる(すねる)」「やさぐれる」「いじける」などが挙げられるのではないでしょうか。
口を「へ」の字に曲げて、むっつり黙り込んでいる人がイメージできるかもしれませんね。
「ふてくされる」人の特徴
「ふてくされる」と人はどういう態度をとるのか、その特徴を見ていきましょう。
1:黙り込む
「ふてくされる」人の特徴のひとつとして、黙り込むことが挙げられます。「どうして思うようにいかないの?」という気持ちが心の中でモヤモヤしているため、気難しく黙ってしまうことが多いです。
相手や物事への反発心から、話しかけられても無視をしたり、なげやりな対応をしてしまったりすることも。
2:プライドが高い
プライドが高く頑固な人は、注意されると「ふてくさる」場合があります。自分の主義主張を曲げられることに、とても抵抗を感じるからです。したがって、さらに意固地になってしまうことも考えられます。
3:言葉で気持ちを表現することが苦手
「ふてくされる」人は、自分の気持ちを言葉にすることが苦手な人が多く、そのため態度で不満を示そうとする傾向があります。不機嫌な態度をとることで、周りの空気が悪くなってしまうことも多く、「自分の感情を制御できない子どもっぽい人だな」と評価されることも。
「ふてくされる」人の心理とは?
特徴から伺えるように、自己中心的な一面がある「ふてくされる」人。続いては、「ふてくされる」人の心理はどのようなものなのか、理解を深めていきましょう。
1:自分の意見を通したい
「ふてくされる」人は、「自分の意見が通らなかったから気に食わない」という気持ちが根底にあります。不満な気持ちを態度に出すことで、相手にプレッシャーを与え、自分の意見を押し通したいというわがままな心理が働いているかもしれませんね。
2:かまってほしい
「ふてくされる」ことで、相手に自分を気にしてほしいという心理が働いているといえます。むすっとしている人が近くにいたら、「どうしたんだろう」と心配になってしまいますよね。このように、「ふてくされる」人は、かまってほしいために気持ちを態度に表しているといえるのではないでしょうか。
3:自分は恵まれていないと感じている
「どうして自分ばかり」という不平等感を感じて、「ふてくされる」人もいます。周囲の人が楽しそうに生活していたり、順風満帆な仕事ぶりをしていると、自分と比較してしまい無意識のうちに鬱憤が溜まっていることも。
「ふてくされる」人への対処法
「ふてくされる」人は、コミュニケーションを取ることが難しくなる場合があります。こちらの提案に反応してくれなくなったり、自己都合の効率の悪い方法を選ばざるを得なくなることも。
そこで、「ふてくされる」人への対処法を紹介します。お互いが居心地の良い空間にいるために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1:普段と同じ対応をする
「ふてくされる」人に対して、気を遣った対応をしてしまうと逆効果になることも。機嫌を伺うような言動が、かえって相手の気に障ってしまうことがあるからです。
また、「ふてくされる」人に毎回対応していると、相手の都合に振り回されてしまいます。相手も「ふてくされれば言うことを聞いてくれる」と考えるので、上下関係が生まれてしまう可能性もあるのです。そのため、必要以上に構うのではなく、普段通りの対応を心がけましょう。
2:相手の話を最後まで聞く
自分の意見が通らずに「ふてくされる」人は、「どうして理解してくれないの?」と不満に思っている場合が多いです。そこで、一度最後まで相手の意見を聞いてあげましょう。
そして、「あなたの気持ちも分かるよ」と理解を示したうえで、話をするようにするとうまく意見交換をすることができるかもしれません。
3:感情的にならない
「ふてくされる」人のイライラに当てられると、こちらまで感情的になってしまうことがあります。しかし、お互いがヒートアップすると泥沼状態に陥ってしまうかもしれません。
「ふてくされる」人は、自分の話を聞いて理解して欲しいという気持ちが強いため、冷静になって対処することが重要です。
最後に
「ふてくされる」とは、「自分の都合に悪いことが起きたり、不満の気持ちがあって反抗的な態度をとること」です。自分勝手な側面が強く、人間関係を拗らせてしまうことも。
お互いの気持ちを考えながら、コミュニケーションを取ることを意識していきたいですね。
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