「昼夜兼行」という言葉を聞いたことはありますか? 漢字の並びから意味を予想できそうでいて、なかなか難しいかもしれません。実は公的な文書やニュースなどで目にすることもある言葉ですよ。意味を把握しておくと、適切な場面で使える便利な表現です。詳しく見ていきましょう。
「昼夜兼行」の読み方と意味は?
まずは、「昼夜兼行」の読み方から確認していきましょう。「ちゅうやけんぎょう」ではありませんので注意です。

「昼夜兼行」の読み方と意味
「昼夜兼行」は「ちゅうやけんこう」と読みます。辞書では次のように定義されています。
ちゅうや‐けんこう〔チウヤケンカウ〕【昼夜兼行】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
昼も夜も休まず道を急ぐこと。また、昼夜の区別なく、物事を続けて行うこと。「―の突貫工事」
つまり「昼夜兼行」とは、昼も夜も休まずに仕事をしたり、道を急ぐ際に使われます。
「昼夜」とは、文字通り昼と夜のこと。「兼行」とは「昼夜を兼ねて行く」という意味があり、大急ぎで仕事を進めること、あるいは同時に2つ以上の仕事を行うことを指します。
「昼夜兼行」の使い方を例文で確認
「昼夜兼行」の意味がわかったところで、使い方を例文とともに確認していきましょう。
被災地では、昼夜兼行の復旧作業が行われている。
自然災害などの場面で、人々が休みなく復旧や支援を行っている状況を伝えるときによく使われます。報道などで見かけることがあるかもしれません。
昼夜兼行の看病が続き、家族の疲労も限界に近づいていた。
病気や介護の場面でも使われることがあるでしょう。時間を問わず支え続ける姿や、献身的な様子が伝わります。

昼夜兼行の努力が実を結び、ついに目標を達成した。
昼夜の区別なく努力した結果として、いい成果が得られたという例文です。
「昼夜兼行」の類語や言い換え表現は?
ここでは、「昼夜兼行」に似た意味を持つ言葉を3つ紹介します。
不眠不休(ふみんふきゅう)
眠ることも休むこともしないことを指します。「不眠不休で復旧作業に当たる」というように使います。
昼夜を分かたず(ちゅうやわかたず)
「昼夜を分かたず」とは、昼と夜の区別なくという意味を持つ表現です。例えば「昼夜を分かたず勉学に励む」といった具合に、絶えず続けていることを表す際に使います。
夜を日に継ぐ(よをひにつぐ)
昼夜の区別なく、物事を続けて行うさまを表します。「夜を日に継いで働く」などといった形で使います。なお、「日を夜に継ぐ」は誤用となるので注意が必要です。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

「昼夜兼行」の英語表現は?
「昼夜兼行」という言葉を英語で表すときには、“night and day” や “day and night” というフレーズを使います。「休みなく」、「いつも」という意味を持っていますよ。
例文:They worked day and night to meet the deadline.
(彼らは締め切りに間に合わせるため、昼夜兼行で働きました。)
例文:She studied night and day in preparation for the exam.
(彼女は試験の準備のため、昼夜兼行で勉強しました。)
参考:『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)
日常会話だけでなく、ビジネスの場面でも見かける表現です。
最後に
「昼夜兼行」は、少し堅めの言い回しですが、知っているとボキャブラリーの幅が広がるかもしれません。何かに集中しているとき、自分の気持ちを表現するひとつの選択肢として、この言葉を使うのもいいかもしれませんね。
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