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2025.05.29

人のつながりは、いつも流動的。「離合集散」の意味と使い方を解説

「離合集散(りごうしゅうさん)」とは、人が集まったり離れたりすることを表わします。この記事では、「離合集散」の意味や語源、使い方、類語、対義語を紹介します。

友人、同僚、推し仲間… 昨日まで一緒にいたはずの人と、ふと気づけば距離ができていた。そんな経験はありませんか? 仲良くなったり、離れたり、また再びつながったり。人との関係は、いつも同じ形で続くとは限りませんよね。この移ろいやすいつながりに、言葉で向き合ってみるなら「離合集散」がぴったりです。

この記事では「離合集散」について詳しく見ていきながら、言葉に込められた意味や、使い方を解き明かしていきます。

「離合集散」|離れたり集まったりする人の流れを表現する

人との関係性を表した言葉「離合集散」について、読み方と意味を確認しましょう。

PC作業 女性
(c) Adobe Stock

「離合集散」の読み方と意味

「離合集散」は「りごうしゅうさん」と読みます。辞書の記述を確認しましょう。

りごう‐しゅうさん〔リガフシフサン|リガフシユウサン〕【離合集散/離合×聚散】
[名](スル)人々がより集まって仲間をつくったり、また別々に分かれたりすること。「信念もなく―する各派閥」

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「離合集散」は、人が集まったり離れたりすること、そのものを表わします。

目的が一致して一時的に集まり、その後にそれぞれの事情で離れていく。利害関係や環境の変化などによって、関係が常に動いていくことを捉えた言葉だといえます。

「離合集散」の語源

「離合集散」は、「離合」と「集散」という二つの言葉を重ねた四字熟語です。

「離合」は、「離れる・集まる」、「集散」は「集まる・散る」といった、関係の形成と解消を意味する語です。

文学作品に見られる使用例でも、「人の動きの予測できなさ」「つながりの不確かさ」に焦点が当てられています。例えば、夏目漱石の『三四郎』では、「離合聚散(集散)、共に自由にならない」と語られており、どれだけ強く願っても人のつながりは自分の思い通りにはならない、という感覚が読み取れます。

参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

「離合集散」はどんな場面で使える?

関係ができたと思ったら、いつの間にか解散。そんな場面に直面したときには、「離合集散」という言葉を思い浮かべると、冷静に受け止められるかもしれません。少し引いた目線で語られるこの言葉には、人とのつながりの移ろいやすさを、どこか達観したように捉える響きがあります。

日常にある「離合集散」|恋愛・友情・職場の人間関係

「離合集散」がぴったりとあてはまる場面は、日々のなかに意外とたくさんあります。

・学生時代の仲間と、卒業後に自然と疎遠になる。
・推し活のグループは、イベントが終わると連絡が途絶えがち。

こうした別れは、寂しさもありますが、特別なことではないのかもしれません。そして、その先にはまた新しい出会いが生まれることもあります。

・趣味を通じて偶然知り合った人と意気投合し、新しいつながりが生まれる。
・部署をまたいだプロジェクトで、一時的に協力し合う関係ができる。

出会いも別れも、どちらも自然な流れのなかにあります。そして、ときにはこんな再会も—。

・昔の恋人と久しぶりに再会し、新しい交流が始まる。

「離合集散」は、関係の始まりも終わりも、特別視しすぎずに受け止めるための視点を与えてくれる言葉です。

昔の恋人 イメージ
(c) Adobe Stock

「離合集散」の使い方と例文

「離合集散」が使われる場面を例文で見てみましょう。どれも、集まりと別れが繰り返される関係性に対して、少し引いた視点から使われています。

「新しい派閥ができても、どうせまた離合集散するだろう」

一時的にまとまっても、また分かれるだろうという見通しを述べています。冷静さや、過去の経験からくる諦めも感じさせる言い回しですね。

「彼らの関係は離合集散を繰り返してきたけれど、今も連絡は取り合っているらしい」

離れてもまたつながる、断絶ではない関係を表しています。変化を受け入れながら続いている関係に対して「離合集散」が使われています。

「離合集散」の類語|似たような表現とどう違う?

「離合集散」の類語として、意味や使用感が近い言葉を以下に挙げます。いずれも「関係の変化」や「一時的な集まり」を表わす文脈で使いやすい表現です。

「合従連衡(がっしょうれんこう)」

「合従連衡」は、中国の戦国時代に用いられた外交戦略に由来します。その時々の状況に応じていくつかの勢力が結び合うこと、また、そのかけひきを表わす言葉です。

関係が状況によって変わる点で「離合集散」と似ていますが、「合従連衡」は利害や戦略に基づいた意図的な関係です。

「袖振り合うも他生(多生)の縁(そでふりあうもたしょうのえん)」

「袖振り合うも多生の縁」は、道ですれ違ったときに袖が触れるようなささやかな関わりでも、前世からの因縁によるものだ、とする考え方を表しています。

偶然のように思える出会いにも、目に見えないつながりがある—そんな思想が、このことわざには込められています。

「離合集散」が関係の移り変わりを表わす言葉であるのに対し、「袖振り合うも多生の縁」は、その出会いの一瞬を捉えた言葉です。たとえすぐに離れる関係であっても、「出会ったこと」に注目したいときに使ってみてください。

参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

交差点
(c) Adobe Stock

「離合集散」の対義語|長期的なつながりを表現する言葉とは?

「離合集散」とは反対に、「離れずに共にある」ことを重視する表現もあります。

「一蓮托生(いちれんたくしょう)」

「一蓮托生」は、仏教由来の言葉です。もともとは、死後に極楽浄土の同じ蓮の上に生まれ変わるという教えから来ていますが、現代では「運命を共にする」という意味で広く使われています。

参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

「水魚之交(すいぎょのまじわり)」

「水魚之交」は魚と水のように、切り離せない関係を意味する四字熟語です。魚が水を必要とするように、相手がいなければ成り立たないほど密接なつながりを表わします。

「離合集散」が関係の変化や一時的な結びつきを示すのに対し、「水魚之交」は変わらない深い信頼関係や、運命的ともいえる絆を表わす言葉です。夫婦や長年の親友、または心から支え合う仕事仲間などに対して使います。

参考:『新撰新選漢和辞典web版』(小学館)

最後に

人との関係はずっと続くと思いがちですが、じつは流動的です。「離合集散」という言葉には、その変化を否定せず受け止める、おおらかなまなざしが感じられます。誰かとの距離が変わったときも、それは自然の流れとして「離合集散」を思い出せば、少し気持ちが整うかもしれませんね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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