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2025.05.27

無為自然とは老子が目指した理想の生き方|意味や中国の代表的な思想家を解説

無為自然とは、作為がなく自然のままでいること、また、知や欲を働かせずに自然な状態でいることを意味する言葉で、老子が目指した理想の生き方として知られています。本記事では、詳しい意味や読み方、老子以外の中国の代表的な思想家について、わかりやすく解説します。

無為自然の意味、読み方とは?

無為自然とは作為がなく自然のままであることを意味する言葉で、「むいしぜん」と読みます。老子は無為自然を理想的な生き方とし、ことさらに知や欲を働かせず、自然に生きることを目指しました。

なお、無為自然の「自然」は、草木や太陽などを意味する「自然」ではありません。「ありのままで人の手が加わっていないこと」を意味します。また、「無為」は「何もしないで人の手が加わっていないこと」です。そのままの状態を意味する「無為」と「自然」を重ねて、思惑や意図が加わらない本来の様子を強調した言葉ともいえるでしょう。

むい‐しぜん〔ムヰ‐〕【無為自然】
作為がなく、自然のままであること。「無為」「自然」は共に「老子」にみられる語で、老子は、ことさらに知や欲をはたらかせず、自然に生きることをよしとした。

出典:小学館 デジタル大辞泉

無為自然の由来

無為自然は、春秋戦国時代の思想家で、楚の国で生まれた老子が唱えたとされる言葉です。なお、老子は道家の開祖としても知られています。老子は周で役人として働いていましたが、国が衰亡する様子を見て隠遁を決意したのだとか。

隠遁生活を始めるときに、ある関守に求められて記したのが『老子(老子道徳経、道徳経)』といわれています。老子は万物の根源を「道(どう)」と表現し、思想の中心に据えました。道は「無」とも表現でき、一切の作為を捨ててあるがままに生きる「無為自然」の根本となる考え方です。

無為自然の例文

無為自然は老子の思想を端的に示した言葉です。日常生活でも次のように使えます。

・この庭は無為自然な魅力がある。手が加えられていないが、調和があり美しい
・彼の無為自然な生き方は、私に憧れの気持ちを抱かせる
・老子は無為自然を目指したらしい

無為自然は老子の言葉! 有名な中国思想家をチェック

無為自然は老子の言葉とされています。老子が生きた春秋戦国時代には、多くの思想家や学派が現れ、諸子百家(しょしひゃっか)と称されました。

たとえば、老子と同じく「道」に注目した荘子(そうじ)や日本でも馴染みの深い孔子、他にも墨子や孫子などが知られています。代表的な思想家を簡単に見ていきましょう。

文学
(c) Adobe Stock

荘子

宋の思想家・荘子は、生没年は不明です。中国の史書『史記』によれば、楚の威王が荘子の評判を聞き、仕官を求めたとき、荘子は「たとえどぶの中であっても遊んで暮らすほうがよい。死ぬまで誰にも仕えず、志を発展させたい」と断ったといわれています。

荘子は老子の思想を継承し、発展させたとされていますが、老子と荘子の思想はまったく同じともいえないでしょう。老子は「有は無から生ず」と考えましたが、荘子は万物の根源は有でも無でもなく、善悪や是非といった対立もないと唱えました。

孔子

魯の国に紀元前552年(551年の説もある)に生まれた孔子(こうし)は、母親が巫女だったこともあり、礼に通じた人物としても知られています。また、諸国を遊説して回った孔子には弟子が多く、3,000人ほどいたとされています。

孔子と弟子との対話の形でまとめられたのが『論語』です。「子曰く(し、いわく)」で始まる文章は、現代人にも刺さる言葉が多く、今なお多くの人々の心をつかんでいます。

孟子

紀元前372年頃に生まれたとされる孟子(もうし)は、孔子の孫の門人に学んだとされています。孟子は「人間にはもともと善の端緒がそなわっており、それを発展させれば正しい品性を備えることができる」という性善説を説きました。

孟子は思想家として知られていますが、孟子の母は教育に熱心であったことで知られています。そのエピソードを表しているのが「孟母三遷(の教え)」です。

孟子たち親子は最初は墓場の近くに住んでいたものの、孟子が葬式の真似事ばかりするため教育によくないと考え、市場の近くに引っ越しました。しかし、今度は商人の駆け引きばかりを真似して遊ぶため、これもよくないと考え、学校のそばに引っ越します。すると孟子は礼儀作法を真似するようになり、これこそ教育に適した場所だと母親は考え、定住を決意したという故事がもとになっています。

荀子

荀子(じゅんし)は紀元前298年頃に生まれたとされる思想家です。孟子と同じく、儒学思想を学ぶ儒家でもあります。

「人は元々よい心を持っている」と考えた孟子とは異なり、荀子は「人の性質は本来、悪だ」と考え、性悪説を主張。人が本来の悪の心を出さないよう、たゆみない努力や知識を高めて品性を磨くことによって改め、社会的な秩序を保つべきだと唱えました。

文学的 イメージ
(c) Adobe Stock

墨子

墨子(ぼくし)は、どんな者をも区別なく自分を愛するように平等に愛する「兼愛」を説いた思想家です。また、不明点の多い思想家としても知られ、生没年だけでなく姓や出身階層、生国も諸説あります。

たとえば「墨」が姓ではとも考えられていますが、あまり一般的な姓ではないのだとか。墨の字には「入れ墨の刑」の意味があるため、刑徒や奴隷だったのではとも考えられました。しかし、墨子の文章は深い教養に基づいているため、奴隷と考えるのは不自然という見方もあるようです。

韓非子

韓の貴族の子弟とされる韓非子(かんぴし)は、戦国時代後期の思想家です。荀子に師事し、礼を発展させて法治主義が政治の基盤であると唱えました。

法家思想は斉の宰相・管仲を祖とし、申不害や商鞅により深められ、韓非子により大成されたとされています。

孫子

呉の将軍、孫子(そんし)は兵法家として知られています。兵法書『孫子』では、軍備から作戦、地形などについて詳しく論じ、戦争で勝利を収めるための孫子の秘策がまとめられました。

しかし、孫子は戦争を勧めているのではありません。戦争は浪費に過ぎないと考え、戦わずに勝つ方法を模索したようです。

中国の古代思想を生き方のヒントにしてみよう

中国の古代思想は、今から2,000年以上も昔にまとめられたものです。しかし、現代に通ずる考え方も多く、今なお人々の心をとらえているともいえるかもしれません。幅広い思想に触れて、生き方のヒントにしてみてはいかがでしょうか。

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