「為体」何と読む？「ためたい」ではなく、罵りや自嘲するときに使う言葉です

「為体」という言葉を見ても、なかなか読むことができないですよね。「ためたい」と読んでしまいがちですが、そうではありません。誰かを罵ったり、自嘲する際に使う言葉です。

この記事では、読み方を確認し、意味や使い方を見ていきましょう。

「為体」の読み方と意味は？

「為体」という字は見慣れないかもしれませんが、意外と耳なじみのある言葉の漢字表記です。まずは読み方と意味を確認していきます。

「為体」は何と読む？

「為体」は「ていたらく」と読みます。「ためたい」と読んでしまいそうになりますが、それは誤りです。「体たらく」という表記のほうが馴染みがあるかもしれませんね。

「為体」の意味とは？

「為体」の意味を辞書で確認しましょう。

てい‐たらく【体たらく／為＝体】
《「たらく」は、断定の助動詞「たり」のク語法》ありさま。ようす。ざま。現在では、ののしったり自嘲をこめたりして、好ましくない状態にいう。「初日から遅刻とはなんという―だ」
「覚明が―褐（かち）の直垂（ひたたれ）に黒革威（をどし）の鎧きて」〈平家・七〉

引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

「為体」とは、好ましくない状態を表す言葉です。誰かのふがいない行動や、嘆かわしい様子を軽蔑したり、悪くいったりする場面で使われることが多いでしょう。

「為体」の使い方を例文で確認

ここでは、「為体」の使い方を具体的な例文とともに確認していきましょう。

試験の日に寝坊して遅刻するとは、なんという為体でしょう。

この例文では、ふがいない行動に対して呆れや怒りを込めて使われています。思いがけない失態に対する軽蔑や落胆がにじむ表現です。

まったく、なんという為体だ。

驚きや呆れを率直に伝える短い言い回しです。相手の行動や状況に対して、否定的感情を含んでいます。

同じミスを何度も繰り返す自分の為体が、心底情けない。

自分自身に対してあきれている場面での例文です。「為体」が、ふがいない状態や失敗を繰り返す様子を表し、「心底情けない」と続けることで、深い反省や落胆の気持ちがにじみ出ています。

「為体」の類語・言い換え表現は？

「為体」に似た意味を持つ言葉を知っていると、場面に応じて表現を選びやすくなります。

無様（ぶざま）

見た目や行動が洗練されておらず、どこか不格好な様子を表します。手際が悪いときなどに使われることが多いでしょう。

醜態（しゅうたい）

恥ずかしく感じるような行動や振る舞いを指す表現です。「醜体」とも書きます。

みっともない

人前に出すにはふさわしくない状態を示す言葉です。外見に限らず、言動や態度が常識から外れているような印象を与える場合に使います。日常会話でもよく使われる表現ですね。

「為体」の英語表現は？

「為体」を英語で表すなら、“state”が適しているでしょう。“state”は状態を表す一般語です。好ましくない様子や情けない状態を伝えたい場合は、“miserable state（みじめな状態）”などが使われます。

例文：What a miserable state of affairs!
（なんという為体だ！）

最後に

「為体」という言葉には、時に皮肉や自嘲、あるいは憤りがにじみます。そのため、使い方によっては相手との距離感を問われる表現でもあるといえるでしょう。状況や文脈を見極めながら、丁寧に使いたい言葉です。

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