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2025.06.03

努力が水の泡?「棒に振る」の意味と使い方を正しく理解しよう

「棒に振る」とは、努力や地位など、長い時間をかけて築いてきたものを、ある行動や判断によって失うときに使われます。この記事では、「棒に振る」の意味や由来、使い方、類語、対義語を紹介します。

「棒に振る」という言葉は、なんとなく使ってしまいがちですが、じつは長い歴史の中で受け継がれてきた言葉です。努力が無駄になってしまい残念な気持ちになることは、昔から変わらずあった、ということかもしれませんね。

今回は、「棒に振る」の正しい意味や由来について、解説します。その他、使い方、そして似た表現との違いなどを紹介します。後悔しない行動を選ぶためにも、言葉から学べることがありそうですよ。

「棒に振る」とは? 意味と語源を確認しよう

ここでは、「棒に振る」という言葉について、あらためてその意味と語源をたどってみましょう。

「棒に振る」の読み方と意味

「棒に振る」は、「ぼうにふる」と読みます。辞書には、次のように説明されています。

棒(ぼう)に振(ふ)・る
それまで積み重ねてきたものを無にしてしまう。「地位を―・る」

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「棒に振る」とは努力や経験、信頼、地位など、長い時間をかけて築いてきたものを、ある行動や判断によって失ってしまうときに使います。

落ち込む女性 PC作業
(c) Adobe Stock

「棒に振る」の語源・由来はどこから?

「棒に振る」という言葉には、明確な語源は定まっていないものの、いくつかの興味深い説があります。

一つは、「棒を振っても何も得られない」という、空振りや無意味な動作を象徴する考え方です。また、「せっかく持っている大切なものを、自ら棒で振り払ってしまう」というイメージにも重ねられているかもしれません。

さらに、江戸時代の行商人「棒手振(ぼてふり)」に商品を託して、売り払う様子から転じたという説もあります。これにより、「努力や成果を手放す」「自らふいにする」という意味が生まれたようです。

実際に「棒に振る」という表現は、17世紀の仮名草子や明治時代の文学作品にも登場しており、古くから「すべてをだめにしてしまう」というニュアンスで使われてきました。共通するのは、「時間や労力を無駄にする」「惜しいことをする」といった感覚です。

参考:『日本国語大辞典』、『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

こんな場面で使える|「棒に振る」の例文

積み重ねてきた努力や信頼を、自分の行動で失ってしまう。そんな場面は、意外と日常の中にあるものです。そうしたとき、「棒に振る」という言葉がぴったりきます。ここでは、どのような場面で使えるのかを例文を通して確認し、より自然に使えるようにしていきましょう。

「あの不祥事で、彼はキャリアを棒に振った」

この例文では、長年築き上げてきた仕事上の実績や信頼を、一度の不祥事によって失ってしまった状況を表しています。「キャリアを棒に振る」という表現は、特に職業上の地位や努力の積み重ねが、取り返しのつかない形で無にしてしまったときに使います。

「一瞬の気のゆるみで、信頼を棒に振ることになった」

わずかな油断や軽率な行動が、周囲からの信頼を失う結果につながったケースです。ここでは、「信頼」という時間をかけて築いてきた目に見えない価値が、一瞬の行動で崩れてしまう様子が、「棒に振る」という言葉で表現されています。

絶望するチーム
(c) Adobe Stock

「遊びに夢中になって、受験勉強を棒に振りかけた」

ここで表現されているのは、努力が無駄になる一歩手前の状態です。ふと気がゆるんだことで、大切な目標が危うくなるときを指しています。

どれも共通するのは、自分の判断や行動が原因で「失う」結果になっている点です。「棒に振る」は、仕事の場面だけでなく、長年培ってきた信頼や、勉強など、努力を重ねた結果を自ら無にしてしまうときにぴったりな表現です。

似ているけど少し違う? 「棒に振る」の類語

「棒に振る」の類語や、似ている表現はいくつかありますが、それぞれが少しずつ異なるニュアンスを持っています。意味が近い言葉と、その使い分けを見ていきましょう。

「水の泡(みずのあわ)」

「水の泡」とは、水面に浮かんではすぐに消える泡のように、儚く消えてしまうものを表す言葉です。

特に「努力や苦労がすべて無駄になること」という意味で使われます。

ただし、「水の泡」は自然に消えてしまう印象があり、「棒に振る」のような自らの行動によって失うニュアンスは含まれない場合が多いでしょう。

「台無し(だいなし)」

「台無し」は、ひどく損なわれて役に立たなくなってしまうことを表す言葉です。努力や計画がすっかり無駄になる場面で使われます。

「棒に振る」と同様、努力の無駄や計画の崩壊を表しますが、自分の行動が原因とは限らない点が、より広い場面での使用につながっています。

落ち込む女性
(c) Adobe Stock

「棒に振る」の対義語はどんな言葉?

「棒に振る」と反対に、努力の成果が出るときには、どんな言葉が使えるのでしょうか。

「実を結ぶ」

「実を結ぶ」とは、長年の努力や取り組みが形になって報われることを表します。

「棒に振る」が積み重ねを手放してしまうことを示すのに対し、「実を結ぶ」は、その積み重ねが成果に変わる状態を指しています。

「功を奏する(こうをそうする)」

「功を奏する」は、計画や努力が狙いどおりの結果を出すことを表す言葉です。

目論見どおりに物事が進み、成果を上げたときに使われます。「棒に振る」が「結果が出ず終わる」ことを指すなら、「功を奏する」は「想定通りに成果が出る」ことを意味します。

いずれも、努力の行方に着目した言葉ですが、成否の結果を正反対の角度からとらえている点が印象的ですね。

最後に

「棒に振る」という言葉には、自分の行動が原因で積み重ねてきたものを手放してしまう悔しさが込められています。せっかくの努力が無駄にならないように、自分の行いを振り返るためにも、「棒に振る」という言葉を知っておくのも悪くないかもしれませんね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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