「御輿」という言葉、何と読むかわかりますか? また、同じ読み方を持つ「神輿」との違いについても、気になるところです。本記事では、「御輿」の読み方と意味を確認し、関連情報を確認していきます。
「御輿」の読み方と意味を確認
「御輿」は「みこし」と読みます。辞書で定義を確認しましょう。
み‐こし【▽御×輿/神=輿】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 神幸のとき、神霊の乗り物とされる輿。形は四角形・六角形・八角形などで、屋根に鳳凰(ほうおう)・葱花(そうか)などを飾り、台には2本の担ぎ棒をつける。しんよ。おみこし。《季 夏》
2 (御輿)輿の敬称。特に、天皇の乗る輿。
「ひんがしの門は四つ足になして、それより―は入らせ給ふ」〈枕・八〉
「御輿」は「神幸のとき、神霊を乗せて運ぶための輿」です。古くは、天皇の乗る輿を指していたこともあります。現在では、神事に関連する言葉として使われることが多いでしょう。

「御輿」と「神輿」の違いは?
「御輿」と「神輿」はどちらも「みこし」と読み、辞書でも同じ意味を持つ熟語として紹介されています。したがって違いはないといえますが、「天皇の乗る輿」を指す際は「御輿」とする方が適切でしょう。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「御輿を担ぐ」「御輿を上げる」「御輿を据える」の具体的な使い方は?
「御輿」は、祭りや神事で使われるだけでなく、日常会話の中でも比喩的に使われることがあります。「御輿を担ぐ」「御輿を上げる」「御輿を据える」という表現には、それぞれ異なる意味があり、状況に応じて使い分けられます。ここでは、それぞれの意味と例文を紹介していきましょう。
「部下たちが御輿を担いで、社長に祭り上げた」
「御輿を担ぐ」は、誰かを持ち上げて重要な立場に押し上げるという意味があります。特に、おだてたり、持ち上げたりして権力を持たせるような場面で使われることが多い表現です。
「チーム全員の準備が整い、満を持して御輿を上げた」
「御輿を上げる」は輿と腰をかけて、「腰を上げる」と同じく、いよいよ行動を起こすという意味で使われます。長く準備をしてきた物事に、いよいよ着手するときなどに使われる表現です。
「彼らは御輿を据えて話し込んだ」
「御輿を据える」は、「座り込んで動かない」「ゆったりと構えて動こうとしない」という意味があります。

御輿来海岸(おこしきかいがん)とは? 絶景スポットの魅力
「御輿来海岸」は、名前に「御輿」が含まれた観光名所の一つです。海岸の美しい景色が特徴で、多くの人が訪れています。名前の由来や見どころを見ていきましょう。
御輿来海岸の名前の由来
御輿来海岸は、熊本県宇土市に位置する美しい海岸です。その名前は、景行天皇が九州遠征の際、この地の美しさに心奪われ、御輿を止めて眺めたという伝説に由来しています。
御輿来海岸の見どころ
この海岸の最大の魅力は、干潮時に現れる砂紋です。有明海の大きな干満差により、潮が引くと風と波が作り出す美しい三日月型の模様が広がります。特に、夕日が沈む時間帯には、砂紋と夕日のコントラストが幻想的な景色を生み出します。この光景は、「日本の渚百選」や「日本の夕陽百選」にも選ばれています。

御輿来海岸のベストシーズンと絶景日
御輿来海岸を訪れる際のベストシーズンは、干潮と夕日が重なる日です。年間を通じて、この絶景が見られる日は限られており、事前に宇土市観光物産協会のウェブサイトなどで潮見表を確認することを推奨します。また、満月の夜には「ブルー御輿来」、日中には「シルバー御輿来」と呼ばれる幻想的な風景も楽しめます。
アクセスは?
アクセス方法としては、JR三角線の網田駅から徒歩約15分、または車で九州自動車道松橋インターチェンジから約40分の距離にあります。訪問の際は、干潮の時間を確認し、最も美しい瞬間を見逃さないようにしてください。
最後に
「御輿」という言葉は、日常的な表現としても「御輿を担ぐ」「御輿を上げる」「御輿を据える」といった比喩的な使い方があり、適切に使うことで表現の幅が広がるでしょう。
さらに、「御輿」の名を冠した御輿来海岸は、日本有数の絶景スポットとして知られています。特に、干潮時に広がる美しい砂紋や夕日のコントラストは、多くの人々を魅了し続けています。機会があったら、訪れてみたいですね。
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