昭和の時代、多くの人が楽しんだ言葉、「パーペキ」。その背景には、時代を超えた日本人の言葉遊びのセンスが垣間見えるようです。
この記事では、「パーペキ」の意味や類語を紹介しながら、現代でも使えるかもしれない「パーペキ」の新たな魅力を探っていきます。
パーペキとは? 昭和世代が使った言葉の魅力
「パーペキ」は昭和の時代を象徴する合成語の一つです。まずは、意味と成り立ちから確認していきましょう。
パーペキの本当の意味
「パーペキ」は、「パーフェクト(perfect)」と「完璧(カンペキ)」を掛け合わせた日本独自の合成語で、「完全無欠」や「完璧」を意味する言葉です。「パーペキ」という言葉の響きには、親しみやすさと軽妙さが感じられますね。堅苦しい印象を与えないため、リラックスした会話の中で自然に使えるのが魅力です。
「パーフェクト」の持つ洗練さと「完璧」の堅実さを、遊び心とともに表現した日本独特の合成語だといえるでしょう。
会話での「パーペキ」の使い方は?
「パーペキ」を会話に取り入れると、少し古めかしさを感じさせながらも、ユーモラスで親しみやすい雰囲気が作れるかもしれません。昭和の時代を感じさせるこの言葉は、現代のコミュニケーションにも新鮮な風を吹き込む可能性があります。以下に、職場や日常生活で活用できる具体的な例を挙げてみました。
「これで企画はパーペキだね!」
仕事の場面では、完成度の高い企画やアイデアを称賛する際に使えます。ただし、真面目すぎない言葉なので、仲のいい同僚やチーム内での軽い会話に限定されるでしょう。「完璧」という意味を柔らかく伝えることで、堅苦しい雰囲気を和らげる効果が期待できます。
「これぞ昭和の味!この喫茶店のナポリタンはパーペキだよ」
この例文では、喫茶店のナポリタンの味が完璧であることを示す表現として使われています。昭和の雰囲気を感じさせる古きよき喫茶店と「パーペキ」という昭和の時代に流行った言葉を組み合わせることで、ユーモラスで親しみやすい雰囲気が生まれるでしょう。味覚的な満足感やノスタルジーを表現する場面でも「パーペキ」は活用できます。
「テスト勉強はパーペキに仕上げたから、100点間違いなし!」
この例文では、テスト勉強の準備が完全無欠であることを表現しています。少し誇張した表現だからこそ、コミカルさがあり、軽い冗談としても使えるでしょう。
「パーペキ」の類語とニュアンスの違い
「パーペキ」と似た意味を持つ表現として、以下の3つの言葉を紹介します。それぞれ微妙なニュアンスの違いがあるため、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
完璧
「完璧」は、欠点がまったくないことを表す言葉です。「完璧」とは元々、玉(宝石)が傷一つない状態を表した表現から生まれました。ビジネスやフォーマルな場面でも使いやすいのが特徴です。
例えば、「彼の仕事はいつも完璧だ」というように使います。
完全無欠
「完全無欠」とは、欠点や不足がまったくないことを表しています。「完全」を強めたいい方です。
例えば、「この時計のデザインと機能は完全無欠だ。まさに一生ものだね」というように使えるでしょう。
非の打ち所がない
「非の打ち所がない」も、欠点や非難すべき点が一切ないことを表します。細かく見ても非難できる箇所が見つからないことを表す表現で、特に物事の仕上がりや人物の振る舞いに対して使われることが多いでしょう。
「このホテルの対応は非の打ち所がない。何から何まで行き届いている」というように使います。
こんな「おじさん言葉」も面白い!
「パーペキ」だけではありません。昭和のコミュニケーションを彩ったおじさん言葉には、独特の味わいや時代背景が詰まっています。それぞれの言葉に込められたニュアンスを知ると、世代間の会話も盛り上がるかもしれません。ここでは2つの言葉を紹介します。
ナウい
「ナウい」とは、「今風」や「最新の流行」を指す言葉で、1980年代の流行語です。当時の若者文化を象徴する表現で、「あの洋服、ナウいね!」というように使われていました。
言葉自体が「ナウ(now)」に由来することからも分かるように、ポジティブな意味合いを持っています。現在では懐かしさを感じさせる言葉として使われることが多く、「昭和っぽさ」を演出する際にピッタリの表現です。
アベック
「アベック」はフランス語の「avec(「〜とともに」という意味)」を語源とし、日本では「カップル」や「恋人同士」を指す言葉として定着しました。使われ始めたのは大正末期からだとされていますが、流行語・モダン語として広まったのは昭和初年頃からのようです。
「アベックで歩いている」といった言い回しは、当時のロマンチックな情景を連想させます。現在ではやや古風な響きを持つため、使うと昭和のノスタルジックな雰囲気を演出できます。
最後に
「パーペキ」という言葉は、昭和の人々が生きた時代の文化や価値観を反映しています。意味を知り、その背景やニュアンスに触れることで、言葉の奥深さを改めて感じられるのではないでしょうか。
現代でもユーモアとして取り入れれば、会話がさらに弾むかもしれません。時代を超えた言葉の魅力を活用し、新たなコミュニケーションのきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
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