「立居振舞」(たちいふるまい)は身のこなしを表す言葉│意味や言い換え表現もご紹介
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2024.09.26

「立居振舞」(たちいふるまい)は身のこなしを表す言葉│意味や言い換え表現も紹介

「立居振舞」は「たちいふるまい」と読み、「立ち振る舞い」や「起居」と似たような意味合いで用いられます。今回は、「立居振舞」の正しい意味を紹介。ビジネスにおける立居振舞のマナーも、ぜひ参考にしてください。

「立居振舞」(たちいふるまい)とは

「立居振舞」とは、立ったり座ったりといった身のこなしのことです。日常生活の動作全般を表します。

響きの似た言葉には「立ち振る舞い(たちふるまい)」が挙げられます。また、似た意味をもつ言葉が「起居」(ききょ)です。

まずはそれぞれの言葉との違いに注目しながら「立居振舞」の意味について掘り下げていきましょう。

「立居振舞」と「立ち振る舞い」の違い

デジタル大辞泉では、「立居振舞」と「立ち振る舞い」は同じ意味の言葉として扱われています。

たちい‐ふるまい〔たちゐふるまひ〕
立ったり座ったりの身のこなし。日常の動作。たち振る舞い。

出典:小学館 デジタル大辞泉

異なる点は、「立ち振る舞い」には別の意味もあることです。

たち‐ふるまい
1.「立ち居振る舞い」に同じ。
2.《「たちぶるまい」とも》旅に出るにあたって、人を招いて別れの飲食をすること。「支度の出来たところへ媒酌(なこうど)夫婦が乗り込む。そこで簡略なーがあって」〈紅葉・二人女房〉

出典:小学館 デジタル大辞泉

「立居振舞」とした際は「身のこなし」のみしか意味しませんが、「立ち振る舞い」とある場合は2通りの意味を表します。使用時は前後の文脈で、どちらを指すか判断するとよいでしょう。

オフィスで会話している人のイラスト
(c)AdobeStock

「立居振舞」と「起居」の違い

「起居」も「立居振舞」と同じ意味をもつ言葉です。さらに、「起居」には以下のような意味があります。

き-きょ
1. 立ったり座ったりすること。立ち居。「ー進退」
2. 日常の生活。起き伏し。「ーを共にする」「仮宿舎にーする」
3. ふだんのようす。動静。「書簡でー安否を問う」

出典:小学館 デジタル大辞泉

「2」の「起き伏し」とは、起きたり寝たりすることで、「立居振舞」とは少し異なるニュアンスになります。例のように「起居を共にする」とはいいますが、「立居振舞を共にする」と表現することはありません。

また、「3」の「動静」は物事の動きやありさま、様子を意味する言葉です。立ったり座ったりといった日常動作だけでなく、普段の様子を表すことも「立居振舞」とは異なる点といえます。

「立居振舞」の使用例

日常動作を意味する「立居振舞」は、以下のように使用できます。前述した意味を参考に、日常生活に取り入れてみましょう。

・日本舞踊を習っている彼女の立居振舞は美しい
・彼の洗練された立居振舞に感心してしまった
・まだ10代にもかかわらず、ずいぶん落ち着いた立居振舞をされるのですね
・着物を着ていると普段とは違う立居振舞に気を使います

「立居振舞」の言い換え表現

「立居振舞」には、さまざまな言い換え表現があります。

・行住坐臥(ぎょうじゅうざが)
・作法(さほう)
・仕草(しぐさ)

ここからは、それぞれの意味や使用例を紹介します。「立居振舞」とのニュアンスの違いも確認しましょう。

胸に手を当てている人のイラスト
(c)AdobeStock

行住坐臥(ぎょうじゅうざが)

「行住坐臥」は、日常の立ち居振る舞いを指す言葉です。「行」は歩くこと、「住」はとどまること、「坐」は座る、「臥」は寝ることを意味します。仏教で「四威儀(しいぎ)」と呼ばれる4つの要素です。

「常日頃」という意味もあり、主に以下のように用いられます。

・どれほど経験を積んだとしても、行住坐臥、初心を忘れずにいたいものである

作法(さほう)

「作法」は、物事を行う方法や決まりを指す言葉です。「立居振舞」のように起居や動作という意味もありますが、いずれも「正しい方式」であるという違いがあるといえます。

また、詩や小説の決まった作り方は「作法(さくほう)」と呼ばれます。「立居振舞」と比べ、よりかしこまったシーンに適した言葉といえるでしょう。

・神社に参拝する際の作法を確認しておきたい
・茶道や華道にはそれぞれの作法がある

仕草(しぐさ)

「仕草」という言葉は、ちょっとした動作や身のこなしを意味します。「ちょっとした」という点が、「立居振舞」とのニュアンスの違いかもしれません。

舞台上の俳優の動作、表情なども「仕草」と表現されます。立ったり座ったりといった動作に限らず、印象に残る身振りを指すケースが多い傾向にあるでしょう。

・彼のなにげない仕草が忘れられない
・彼女の演技は仕草ひとつとっても役柄そのままだった
・子どものかわいらしい仕草に笑みがこぼれる

ビジネスでおさえておきたい立居振舞のマナー

日常動作である「立居振舞」は、ビジネスシーンでも重要視される傾向にあります。言葉の意味を踏まえ、ここからはビジネスでおさせておきたい立居振舞のマナーを確認しましょう。

社内、社外それぞれのマナーを知っておけばビジネスシーンでより役立つはずです。いつも自信をもって振る舞えるよう、それぞれチェックしていきましょう。

時計を見る女性
(c) Adobe Stock

社内での立居振舞のマナー

社内での立居振舞でとくに重視したいのが、あいさつとおじぎです。中でも、あいさつはコミュニケーションの基本といえます。出勤時や退社時などは、自ら進んであいさつをするよう心がけましょう。

おじぎをするときは、背筋を伸ばして腰から上半身を折るように姿勢を意識します。あいさつとおじぎを同時にするのではなく、あいさつをしてからおじぎをするのがポイントです。緊張すると表情が硬くなってしまうため、笑顔も忘れないようにしましょう。

社外での立居振舞のマナー

社外に出たときは、相手の立場や状況を意識することが大切です。とくに、企業訪問の際は自分のために時間を割いてもらっているという意識をもって振る舞いましょう。

約束の時間を守るのはもちろんですが、早く到着しすぎるのもよくありません。相手側に迷惑をかけてしまうため、到着は5分前が理想といわれています。

社外でよくある名刺交換でも、立居振舞は重要です。テーブル越しに向き合っている場合は、必ずテーブルの横に移動してから名刺交換をしましょう。テーブルやカウンター越しの名刺交換は、誤りとされています。

名刺は字面を相手に向けたうえで、名刺入れにのせて渡してください。いざとなって慌てないよう、名刺入れは出し入れしやすい場所に入れておくのがおすすめです。

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言葉の意味を理解し正しい「立居振舞」を身につけよう

「立居振舞」は、立ったり座ったりといった日常動作を指す言葉です。似た言葉に「立ち振る舞い」や「起居」がありますが、これらは「立居振舞」とは異なる複数の意味をもちます。

日常生活やビジネスシーンでは、それぞれの場にふさわしい「立居振舞」が求められます。言葉の意味を適切に理解したうえで、社会人としての「立居振舞」を身につけましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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