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2024.07.30

属人化とは? 意味やデメリット、属人化解消事例などを解説【社労士監修】

属人化(ぞくじんか)とは、仕事のやり方や、進捗状況などが、特定の人にしか分からなくなってしまっている状態のこと。「担当者がいないと、全く分からない」という状況をイメージするとわかりやすいでしょう。この記事では、属人化の意味や、デメリット、属人化解消の事例などを解説します。

「属人化」という言葉を聞いたことがありますか? 会社で、「属人化した仕事をなるべくなくしていこう」などと聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

また、「あの業務は完全に属人化してしまっているので、○○さんがいないと進まない」という悩みの声も時折耳にします。では、「属人化」とは、具体的にどのような意味の言葉なのでしょうか?

この記事では、属人化の意味や、属人化のデメリット、属人化解消の事例などを解説します。ビジネスシーンで話題に上りやすいキーワードですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

属人化とは

まず、属人化の読み方と意味を見ていきましょう。属人化は、「ぞくじんか」と読みます。属人化とは、特定の仕事に関してのやり方や業務知識、進捗状況などが他の人には分からなくなっている状態のこと。「この人がいないと、その業務について誰も分からない」というようなイメージです。

みなさんの身の回りにも、「あの仕事、担当者以外は誰も分からない」というような仕事はないでしょうか? もしマニュアルもなく、進捗を確認する資料もないという状態だったとしたら、それはまさに「属人化」してしまっている状態です。

(c) Adobe Stock

なお、属人化の対義語は、一般的には「標準化」と言われていますよ。会議などで、「今後はこの業務の標準化をする必要がある」などと聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

例えば、「業務を標準化する」というと、特定の誰かだけが知っている状態を解消し、他の人にも現在の状況や、進め方が共有されているような状態をいいます。ですので、担当者の不在時にも大きな混乱が起きにくいと言えるでしょう。

属人化のデメリットとは

属人化は、どのようなデメリットがあるのでしょうか? 「属人化の何が悪いの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

まず、よく言われている属人化のデメリットは、担当者が退職や休職をした際に、仕事に大きな支障が出ることです。属人化した仕事は、担当者だけが情報を握っており、マニュアルや状況の確認ができるものがないため、「担当者がいないとどうにもならない」という状況に陥りやすいと言えるでしょう。

こういった状態は普段は見逃されやすく、何かしらの事情で担当者がいなくなってから急にトラブルに発展しやすいということも、注意すべきポイントですね。

また、属人化は、担当している人が休みを取りにくい、過重労働になりがちというデメリットも。さらに、他の人が仕事をフォローすることができないため、困った時にも頼れる人がおらず、担当者にとってストレスをため込みやすいやり方とも言えるでしょう。

(c) Adobe Stock

もちろん、属人化が全て悪いとは言い切れません。中には、「自分流で仕事を進められることが楽しい」という人や、「属人化しているからこそ、仕事に個性が生まれる。全てを標準化すると凡庸な仕事になってしまうのではないか」など、属人化のメリットに目を向ける声もありますよ。

ですが、働き方改革や人手不足などが話題になっている昨今、属人化は問題も多いと言われています。特に、「その人がいないと、その仕事が全く進まず、ノウハウも共有されていない」というような状況は、組織にとっても、働く個人にとっても、危ない状態になりやすいと言えるでしょう。

わざと仕事を属人化する人も

ここまでは、属人化のデメリットや、どのような状況に陥りやすいかなどを解説しました。ですが、わざと仕事を属人化してしまう人がいるという話も耳にします。なぜ仕事を属人化するのでしょうか? その心理はいろいろですが、典型的なパターンは、仕事を属人化することで、権力や発言力を持とうとする人です。

「自分がいないと困る状況をあえて作ることで、自分の存在意義を感じたい」という思いから、周りに情報を共有せず、仕事を属人化してしまう人も。こういったタイプの人は、周りが仕事の進捗状況や方法を聞いても、あえて教えずに情報を独り占めする人も多い傾向にあります。

また、困ったことに、自分で仕事を属人化しておきながら、「忙しいので休めない」などと不満げな人もいると聞きますよ。周りからすると、「もう少し周りと協力して進めればよいのに」と思われていることも。自覚がないことがあるというのも、気を付けたいポイントですね。

属人化解消の事例

属人化はどのようにして解消できるのでしょうか? ここからは、ある会社であった、属人化解消の事例と、その後に起きたよい変化を解説します。

この会社では、さまざまな企業の給与計算や会計業務を代行していました。各顧客に対して、担当者がおり、その担当者がいないと、仕事がどのような状況になっているかの確認ができないことが課題となっていたといいます。

時には、担当者が有給休暇で不在の時に、顧客から問い合わせがあっても全く状況が分からず、クレームになることも。こんな状況の中、「自分がいないと、お客様に迷惑がかかるから」と、休みたくても休めない人も続出してしまいました。まさに仕事が属人化した状況だったと言えるでしょう。

そんな問題を解決すべく、この会社では次のようなルールを作り、粘り強く属人化解消に取り組みました。

・マニュアルのテンプレートを配布して、各担当者に自分の業務手順をまとめてもらう
・全社統一の進捗管理表を作成し会社内で共有、担当者には毎日進捗を書いてもらう
・各顧客の担当を複数人のチーム体制に変更して、フォローしあえる体制にする

新しいやり方に、当初は混乱もありましたが、次第にメリットを感じられる人が増えていったといいます。社内からは、「チームでフォローしあえるため、一体感があって、前より楽しい」や、「むだな残業や、休めない雰囲気などが解消されて、働きやすくなった」などの肯定的な意見が多く集まりました。管理職たちからは、「仕事が見える化されたおかげで、業務量の偏りや遅れなどが減った」という声も。

(c) Adobe Stock

また、顧客からも肯定的な意見があったようです。ある顧客から、「以前より、問い合わせの対応スピードが上がっている」と言われた人も。さらには、担当者ごとに進め方のばらつきがなくなったため、柔軟に担当者を変更できるようになりました。

もちろん、一朝一夕で属人化を解消するのは難しいでしょう。前述の通り、わざと属人化するような人もいます。ですが、属人化解消の実例や、さまざまな効果は、知っておくと何かしらのヒントになるかもしれません。

最後に

この記事では、属人化の意味や、属人化のデメリット、属人化解消の事例などを解説しました。ビジネスシーンではよく話題に上るキーワードです。みなさんの職場でも属人化している仕事がないか、ぜひチェックしてみてください。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表

行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサルの傍ら、ポジティブ心理学をベースとした研修講師としても活動中。HP:塚原社会保険労務士事務所 ライター所属:京都メディアライン

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