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2024.06.27

知っておきたい「稟議」のこと|意味や稟議書作成のポイントなどを紹介

どこの部署に所属しても必ず取り組むことになる「稟議」。会社や組織には欠かせない手続きといえるでしょう。今回は「稟議」について、意味やメリット・デメリットなどを調べてみました。稟議書作成のポイントも紹介します。

「稟議」って? あらためて意味を確認

物品を購入する際、「稟議を上げておいてね」のように指示されますよね。この「稟議」とは何を指すのか、稟議がなぜ必要なのか、実は知らないという人もいるでしょう。実は稟議があることで、省くことができている業務もあるんですよ。

今回は、会社や組織で欠かせない「稟議」について調べてみました。あらためて稟議の意味や目的などを見ていきましょう。

意味と読み方

まずは、辞書で調べた稟議の意味を紹介します。

【稟議】読み方:りんぎ
《「ひんぎ」の慣用読み》会社・官庁などで、会議を開催する手数を省くため、係の者が案を作成して関係者に回し、承認を求めること。「—書」

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

会社や組織では、何かしらの決定をする際、会議を開いて決めることが多いですよね。しかし、何かを決めるたびに会議を開いていると、他のことができません。

稟議は、会議を開催せずに物事の決定を行うべく、承認を求めること。稟議があることで、会議の開催数を減らすことができるのです。

稟議の役割

会社や組織の中で物事を決定するには、決裁権がないとできません。決裁権は、内容や段階に応じて、会社が適任だと考える立場の人に付与するもの。最終的な意思決定は、その権限を持つ人のみが行います。

自分に決裁権がない事柄については、書類を作成し、それを回覧して上層部に承認をもらいます。この手続きを稟議と呼び、稟議に用いる書類を「稟議書(りんぎしょ)」と呼びます。

稟議が必要になる場面は会社や組織によって異なりますが、多いのは次の事柄でしょう。

・新規事業やプロジェクトの立ち上げ
・新システム導入
・採用(新卒・キャリア採用など)
・広告
・備品などの購入
・出張を予定している など

(c) Adobe Stock

「決裁」との違い

稟議とよく似たイメージのある言葉が「決裁」ですよね。意味を混同しがちなこの二つの言葉について、違いを見ていきましょう。

「決裁」とは

「決裁」の意味を調べると、権限を持っている上位者が、部下の提出した案の可否を決めることを指すことだとわかりました(『デジタル大辞泉』小学館より)。「可否を決める」という行為そのものが「決裁」にあたります。

なお、「決裁」は「決済」とも混同しやすいので、間違えないように注意を。「決済」は、買い物などで代金を受け渡しして、取引を終えることを意味する言葉です。

稟議と決裁の違いは?

意味からは、段階を踏んで承認を得る手続きが「稟議」、最終判断を下す行為が「決裁」であることがわかりますね。稟議書を提出したとしても、決裁者が「必要なし」と考えて承認をしなかったら、その稟議は不承認になります。

会社の中には、稟議がないところもあります。意思決定をスピーディーに行うために、直接決裁のみという場合もあれば、会社の規模が小さいため、稟議が必要ないというケースも。稟議や決裁の仕組みは、会社や組織により違いがあることを把握しておくといいですね。

「稟議」のメリット

稟議にはさまざまなメリットがあります。上述した「会議の回数を減らせる」以外のメリットを見ていきましょう。

承認
(c) Adobe Stock

事実確認を効率的に行える

稟議を上げるには、稟議書が必要になりますよね。稟議書にすることで、内容を記録として残すことができますので、監査や調査などに対応しやすくなります。

また、稟議書の進行状況が明確にわかる、最終決定までの見込みが立ちやすいというのもメリットでしょう。これにより、申請者は逆算で準備を進めることができ、業務効率化につなげることが可能です。

承認者が内容を把握・検討しやすい

口頭では説明しづらい内容を、稟議書にすることでわかりやすくなるというのもメリットですね。申請の目的や理由、得られるメリットなどが一目瞭然で把握できますので、承認者の負担軽減にもなります。また、稟議書があることにより、情報共有や検討がしやすくなるでしょう。

「稟議」のデメリット

稟議のデメリットについても見ていきましょう。

承認まで時間を要する

稟議を上げるには、申請者が稟議書を作成し、会社が定めた手順に沿って申請しなければなりません。これに時間や手間がかかるのは、デメリットといえるでしょう。

また、決裁者のスケジュールによっては、承認・不承認が明らかになるまでに時間がかかるということも。その間にビジネスチャンスを逃してしまうというリスクがあるのは否めません。

責任の所在が曖昧になることも

一般的に稟議書は複数人の承認を経て、決済が下ります。最終決裁者は定められているものの、承認者全員の合意により、決裁されたと解釈することがほとんどです。そのため、ケースによっては、責任の所在が曖昧になることもあります。それが新たなトラブルを招くこともあるでしょう。

稟議書作成のポイント

ここからは、稟議書の作成について見ていきましょう。次のポイントを押さえておくといいですね。

(c) Adobe Stock

稟議書に求められること

稟議書を作成するにあたり、意識しておきたいのが次の事柄です。

・承認者が、稟議内容をスムーズに把握することができる
・承認者以外の人でも、稟議の内容を確認することができる

なぜ稟議を上げたのかがわかる内容になっていること、稟議の目的を正しく理解してもらうことが、稟議書に求められることです。そのためには、「どのような事柄なのか」「どのような目的なのか」を明確に言語化し、記載しなければなりません。

なお、稟議書の構成や形式、作成や申請のフローは、会社や組織により定められています。

押さえておきたいポイント

稟議書をスムーズに通すには、次のことを意識するといいですね。

・稟議の背景や経緯を明確にする
・リスクや費用対効果についても触れる
・内容を把握しやすいよう、図表などを用いる
・判断のサポートになる関係書類や資料があれば添付する

稟議書は、簡潔にまとめることが求められます。だからこそ、要点はしっかりとまとめて記載しましょう。

最後に

「稟議」とは、会社・官庁などで、会議を開催する手数を省くため、係の者が案を作成して関係者に回し、承認を求めることを指します。稟議を上げるには、稟議書の作成が必要になります。稟議書は、紙ベースのものもあれば、デジタル化されていることもあります。稟議を上げるなら、適切な稟議書を作成し、スムーズに承認をもらいたいですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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