「お米を食べると太る」って本当? 大切なのは食べ方だった!
今やダイエットの定番ともなっている“糖質制限ダイエット”。「糖質を含むお米を食べると太る」と思っている人も多いのでは。
でも、「お米を食べたら太る」というのは間違った知識。炭水化物そのものは、3大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)の中でタンパク質同様に、体脂肪になりにくい性質を持っているんです。
―――そう語るのは、 20 年以上に わたりトレーニングや減量の指導をしている、ダイエットトレーナー・小澤幸治さん。
小澤さんによると、実は炭水化物(糖質)を食べて太ってしまうのは、食べ方に原因があるからなのだとか。
一度にたくさんの量を食べたり、食べるスピードが速かったり、夜遅くに食べる習慣があったり、甘いお菓子や飲みものがやめられなかったり……。
ダイエットを成功させる大原則は非常にシンプル。摂取カロリーより消費カロリーが上回ればやせていくという。
そこで摂取カロリーを抑えるカギとなるのが、「血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)」をコントロールし、満腹感を持続させること。
血糖値をうまくコントロールすれば、大きな空腹感を感じにくく、一度にたくさん食べるのを防ぎながら、カロリーの過剰摂取を抑えられるのだそう。
そしてその血糖値コントロールに適している食材こそ、「お米」なのです。
そこで小澤さんの著書『ラクやせおにぎり 21日間でOK!ストレスゼロ! 血糖値コントロールでみるみるやせる!』より、「ラクやせおにぎり」で健康的な食生活を身につけていくダイエット方法をご紹介。
※書籍より一部抜粋・再編集してお届けします
糖質制限ダイエットが成功しない理由
炭水化物というと、テレビやネットの情報を見て多くの方が「糖質=太る」「血糖値の上昇=太る」というマイナスイメージを持っていると思います。
でも、実はこれは大きな勘違いです。糖質すべてが太る原因になるわけではありません。
ひと口に「糖質」といっても、いろいろな種類があります。消化吸収のされ方や、血糖値の上がり方はそれぞれ違うのですが、すべて同じものとして避けられがち。
まず、炭水化物は「糖質」と消化されない「食物繊維」に大別されます。
口から入った糖質は、だ液などの消化液によって分解され、腸で吸収されて、グルコース(ブドウ糖)として血液中に入り、血糖値が上昇します。
すると、膵臓から血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が分泌されます。
インスリンは血液中の糖質を細胞に取り込むよう命令するホルモンで、膵臓のインスリン分泌機能が正常であれば、血糖値が高くなればなるほどたくさん分泌されます。
その後、血液中のグルコースは、筋肉や肝臓、脂肪細胞などに運ばれます。運ばれたグルコースは主にエネルギーを得るために消費されますが、消費されずに余ったグルコースは脂肪として蓄えられます。
脂肪になるのは、この「余った分」だけなのですが、「インスリンが分泌されると脂肪になる」というメカニズムが、太るイメージにつながっているのでしょう。
間違った糖質制限で太りやすい体質に!?
この理論を用いているのが、近年よく耳にする糖質制限(低糖質)ダイエットです。
これは、血糖値を上昇させる糖質の量を制限して、インスリンの分泌量を減らし、脂肪細胞にエネルギーを取り込ませないようにする方法です。
しかし、この糖質制限ダイエットは、間違った方法で広まってしまっているようです。
みなさんの中には、「ご飯、パンを食べないダイエット方法」「おかずは何でも好きなだけ食べていい」と思っている人が少なくないのではないでしょうか。
実はこうした主食を抜く極端な糖質制限は、一時的には体重が減っても、リバウンドしてしまうおそれが。
糖質は身体を動かし筋肉を保つための一番のエネルギー源。極端な糖質制限をすると、身体を動かすためのエネルギーが不足し、空腹感、疲労感が襲ってきます。血糖値が下がりすぎた状態です。
エネルギーが不足した状態では、筋肉を分解してエネルギーを捻出しようとするため、筋肉が減り、代謝が落ちてやせにくい身体になってしまうのです。
血糖値が下がったとき、身体は「血糖値を上げよう」として、アドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンを分泌します。
これらのホルモンは、「戦いのホルモン」とも呼ばれ、分泌されるとイライラしたり、精神的に不安定になりやすくなったりします。
さらに強い空腹感にも襲われるので、一度に多くの食事をとってしまったり、せっかく控えていた甘いものを食べすぎてしまったりして、ダイエットが失敗に終わってしまう原因に。
また、糖質制限をしていても、おかずを無制限に食べていると「適量で満足する感覚」がなくなってしまい、暴飲暴食によるカロリー過多の状態になってしまいます。
何事も多すぎても少なすぎてもバランスが悪くなってしまうのです。
こうした即効性のあるダイエット方法は一見効果的に見えますが、長い目で見ると心身に負担がかかっており、かえって脂肪がつきやすい身体になってしまう、というわけです。
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『ラクやせおにぎり 21日間でOK!ストレスゼロ! 血糖値コントロールでみるみるやせる!』( 小澤 幸治 著/あさ出版)
「即効性のあるダイエット法」として人気の糖質制限には、筋肉の低下、動脈硬化などさまざまな弊害が!本書の「やせおにぎり」で血糖値をコントロールすれば、ストレスゼロでみるみるやせられる!健康的に痩せたい人は必読の1冊。