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「好機逸すべからず」の正しい読み方、ご存知ですか?
「好機逸すべからず」は「何事も最適なチャンスをつかんで行動するのが大切だ」という意味のことわざです。「好機」とはチャンスのこと、「逸す」は「のがす」と読みたいところですが、この場合の正しい読み方は「いっす」です。「こうきのがすべからず」と読み間違える人が多いので、この機会に覚えておきましょう。
「好機逸すべからず」は、家族や友人などを励ます意味として近しい間柄で使われることが多いものですが、同僚・部下を叱咤激励する言葉としてビジネスシーンでも頻繁に使われます。
「好機逸すべからず」の例文
「好機逸すべからず」はどのような使い方をするのでしょうか。例文をご紹介します。
「好機逸すべからず」の例文2つ
・こんなチャンスは二度と来ないだろうから、なんとしても物にすべき。これこそ「好機逸すべからず」だ。
・好機逸すべからずと、すぐにクライアントと契約を交わした。
「好機逸すべからず」の類義語は?
「好機逸すべからず」にはいくつかの類義語があります。似た意味の言葉も一緒に覚えておくと「好機逸すべからず」という言葉がさらに使いやすくなるので、この機会に覚えておいてはいかがでしょうか。
善は急げ
「良いと思ったことは迷わずにすぐに行動したほうがいい」という意味の言葉です。もともとは仏教の経典を由来とする言葉で、「よいことをするのに時間をおいていると、よくない行為や楽な習慣をするようになる」という意味の言葉が短くなって「善は急げ」といわれるようになったそう。
自分自身を鼓舞する意味で使うのはもちろん、迷っている誰かの背中を押すような時にも使われます。
思い立ったが吉日
「行動しようと思ったときがチャンスだ」という意味の言葉です。「吉日」は、暦の上での縁起のよい日(大安など)を指します。不安だったり自信がなかったりして決断を先送りにばかりしていると絶好のチャンスを見逃してしまうかもしれませんが、暦などとは関係なく、思い立った日を吉日として考えようというポジティブな言葉です
鉄は熱いうちに打て
「手遅れにならないうちに行動したほうがいい」という意味の言葉です。「善は急げ」と意味は似ていますが、早く行動するべきという意味ではなく、チャンスを見計らって絶妙のタイミングで行動しようという意味に解釈できます。
鉄は熱いうちは柔らかい物ですが、冷えると固くなって形を変えることができなくなります。それに例えて、「能力や感性が柔軟な若いうちに徹底的に鍛えて、物事の土台を身につけておいたほうが伸びが早くなる」という意味でも用いられるようですね。
物は時節
「物事には適した時期があり、それを逃すとうまく行かない」という意味の言葉です。「時節」はタイミングの意味。動くべきタイミングをしっかり見きわめて行動することで成功につながる、という意味合いで使われます。
チャンスの女神に後ろ髪はない
一風変わったこちらの言葉は、日本ではなくヨーロッパで馴染みのある言葉です。ギリシャ神話のカイロスという神様の言葉が由来で、「本当のチャンスは一瞬で通り過ぎてしまうからしっかり準備を整えておかないと見逃してしまう」という言葉です。カイロスは後ろ髪がなく前髪しかなかったため、後ろ髪を掴もうとしても掴めない。掴めるチャンスは前髪しかない=チャンスを逃してはいけないという意味で知られている言葉です。
「好機逸すべからず」は英語で言うなら?
「好機逸すべからず」は、チャンスを逃すな、というとてもシンプルな言葉。海外にも同じような表現の言葉がありそうですよね。
そこで、「好機逸すべからず」の英語表現をご紹介します。
・Don’t miss the opportunity.
opportunityは「機会・チャンス」という意味。「チャンスを逃すな」という意味ですが、ことわざのようなものではなく、単にストレートに訳した言葉です。
・Strike while the iron is hot.
同じような意味で、広く使われているのはこちらの言葉。Strike=打て、while=〜の間、the iron=鉄、hot=熱い、と直訳すると「鉄は熱いうちに打て」となります。
「好機逸すべからず」ではありませんが、英語圏ではこちらの言葉が近い意味で使われているようです。
チャンスを逃さない方法は?
要領のいい人、チャンスを掴むのが上手い人っていますよね。いざという時、チャンスを逃さないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
巡ってきたチャンスを逃さないためにできることをご紹介します。
目標をはっきりさせておく
普段から目標を明確にしておきましょう。いざチャンスが訪れたとき、これが自分にとって好機なのかを判断しやすくなり、決断が遅れてチャンスを逃してしまうようなことが避けられます。先々の目標が見えていなければ、せっかくのチャンスにも気づけないかもしれませんので、「2年以内に海外留学を実現する」など具体的な目標を設定しておくといいかも。
常にアンテナを張っておく
チャンスはどこに散らばっているかわかりませんし、チャンスが向こうから転がってきてくれるとは限りません。目の前にあるのに、チャンスに気づかないまま逃してしまうのは惜しいので、チャンスにつながるようなものがないか日頃からアンテナを張っておくことが大切です。
いつでも行動できる準備と心構えをしておく
チャンスを活かすためには、心構えや気持ちの準備も重要です。目標を設定するだけでなく、チャンスが巡ってきたらどのように行動するかをイメージしたり、そもそも現状の自分はそれだけの心構えができているのかと自分に問いただしておくと。心の準備が整い、いざというときにすぐ行動に移せるはずです。
まとめ
「好機逸すべからず」は、チャンスを逃すなという意味のシンプルでストレートな言葉。自分を鼓舞する言葉としても、また誰かを勇気づける言葉としても使えるとてもポジティブな言葉なので、前向きな場面で使いたいですね。
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コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。