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2024.02.18

「千紫万紅」とはどんな意味? 花にまつわる類語や使い方を解説

「千紫万紅」とは、「さまざまの色。また、色とりどりの花の咲き乱れていること」。色鮮やかな植物を見た時などに「千紫万紅の景色」「千紫万紅の眺め」などと表現します。本記事では、「千紫万紅」の意味や使い方、類語を解説します。

「千紫万紅」という四字熟語、ご存知ですか? 「紫」や「赤」などの漢字が使われ、なんとなく艶やかで美しい意味合いをイメージする方も多いでしょう。自然や芸術作品など、色鮮やかなものを目にした時に使える四字熟語なので、ぜひ覚えてみてください。本記事では、「千紫万紅」の意味や使い方、「百花繚乱」などの類語を解説します。

「千紫万紅」とは?

「千紫万紅」の読み方は、「せんしばんこう」。意味をチェックしていきましょう。

さまざまの色。また、色とりどりの花の咲き乱れていること。千紅万紫。「―の南海の楽園」

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

色とりどりの花が咲いている様子を「千紫万紅」と言います。「千」や「万」は、実際に何万もの数があるわけではなく、「数が多いこと」。「紫」や「紅」はいろんな色があることを意味します。また、花とは関係なく、単純に「鮮やかな色」を表現したい時にも使える四字熟語です。

(c) Adobe Stock

使い方を例文でチェック!

「千紫万紅」は、色鮮やかで美しいものを目にした時に使われる四字熟語です。ここでは自然や芸術にまつわる「千紫万紅」の使い方を紹介します。

1:ガーデニングが趣味の妻のおかげで、庭は季節ごとにいろんな花が咲き乱れ、まさに千紫万紅である。

主に花壇や庭などに咲く花々を見た時に、「千紫万紅」が使われます。チューリップやパンジー、ひまわりなど、カラフルな花が咲き乱れる光景は思わず声が出るほど感動しますね。ガーデニングが好きな人は、「この季節には、この花を見たい」と計算して植えていることもあるでしょう。

2:展望台から紅葉が一望でき、千紫万紅の眺めであった。

自然の景色を見た時に、「千紫万紅の眺め」「千紫万紅の景色」などと表現してみては? 一口に紅葉といっても、赤や黄色、オレンジ色などさまざまな色のグラデーションが存在します。同じ場所であっても、時間帯や天候によっても、見える色合いは変わることでしょう。自然の繊細な色合いの変化を楽しみたいですね。

3:ファッションショーでは、モデルたちが色鮮やかな衣装を纏い、千紫万紅の美しさだった。

「千紫万紅」は花に限らず、彩り豊かな場面で用いられます。例えば、ファッションショーやミュージカルでは、人々が個性的な衣装を身に纏い、目にも鮮やかな光景が広がりますね。そんな時に、「千紫万紅の美しさ」「千紫万紅の景色」などとたとえることができますよ。

(c) Adobe Stock

4:彼女の絵画は、何種類もの絵の具が使われており、まさに千紫万紅な作品だ。

「千紫万紅」には、「さまざまな色」という意味があるので、芸術作品などにも使われます。赤や黄色、ピンク、紫などいろんな色の絵の具で描かれた絵画はカラフルですね。一色ではなく、あくまでも多色使いしている作品に、「千紫万紅」は当てはまります。

類語や言い換え表現は?

「千紫万紅」とよく似た言葉には、「百花繚乱」「百花斉放」「千紅万紫」があります。いずれも、「花」や「色」にまつわる言葉なので、合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか?

1:百花繚乱

「百花繚乱」は、「ひゃっかりょうらん」と読みます。

1 いろいろの花が咲き乱れること。
2 すぐれた業績や人物が一時期に数多く現れること。「―の歌壇」

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

バラやチューリップ、マーガレットなど、さまざまな種類の花が咲き乱れるさまを「百花繚乱」と形容します。ここでの、「百」もまた、「千紫万紅」と同じく、「数が多いこと」を表すため、実際に百本花が植えられているという意味ではありません。また、美しい花を「優れた人物」に置き換えて、「素晴らしい人が一時期にたくさん現れること」という意味でも使われます。

(例文)
・春に咲く花が一斉に開花し、公園はまさに百花繚乱だ。
・有名な俳優陣がレッドカーペットを歩き、まさに場内は百花繚乱である。

2:百花斉放

「百花斉放」は、「ひゃっかせいほう」と読みます。意味は以下の通りです。

《いろいろの花が一斉に咲き開く意》文学・芸術において、多くの人々が活発に運動を展開すること。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「百花斉放」とは、多くの花が一斉に咲くこと。その様子から転じて、さまざまな学問や芸術が盛んに行なわれることを表します。「千紫万紅」が、「色とりどりの花が咲くこと」に着目しているのに対して、「百花斉放」は「たくさんの花が一斉に咲くこと」を強調した言葉です。

(例文)
・植物園では、今がまさに百花斉放の時期である。
・19世紀のヨーロッパでは、さまざまな芸術が生まれたらしい。まさに百花斉放だね。

(c) Adobe Stock

3:千紅万紫

「千紅万紫」は、「せいこうばんし」と読みます。単純に「紅」と「紫」を逆にした言葉なので、意味は「千紫万紅」と同じです。

(例文)
・列車からは千紅万紫の景色が眺められるとして、観光客に大人気だ。
・孫と一緒に千紅万紫の風景を見たいと思い、公園に向かいました。

最後に

「千紫万紅」は、「さまざまな色」「色とりどりの花が咲き乱れること」という2つの意味があります。「てっきり、花だけに使う言葉だと思っていた!」と思っていた方も多いのではないでしょうか。色とりどりの美しい光景を見た時に、「千紫万紅」という四字熟語を思い出し、使ってみてくださいね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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