「合縁奇縁」とは?意味と正しい読み方
「合縁奇縁」は「あいえんきえん」と読みます。意味は、人の縁はめぐり合わせの不思議な力によるもので、互いの気心が合うか合わないかもその不思議な力によるということです。
人と人との結びつきについて述べた言葉なので同性間でも使われますが、男女の間柄に使われることが多いようです。
「合縁奇縁」の由来
「合縁奇縁」の「合縁」は江戸時代からある古い言葉で、人と人の結びつきのような意味を持ちます。
「合縁奇縁」は仏教用語の「愛縁機縁」が転じて「合縁奇縁」になったという説があったり、「愛縁奇縁」「相縁機縁」「相縁奇縁」「合縁気縁」などと表記される場合があったりと、色々な説・由来がありそうですね。
「合縁奇縁」の使い方
実際に、「合縁奇縁」はどのようなシーンで使われる言葉なのでしょうか。使い方や例文を見てみましょう。
使い方
互いに合う・合わない、人の縁は不思議なもの……といった人間関係を表す言葉で、ポジティブな意味合い、ネガティブな意味合いのどちらにも使えます。例えば、意図せずに繋がった関係に使ったり、努力してもいい関係を築けない時に「縁だから仕方ない」と励ましの言葉で使ったりします。ビジネスシーンでは、良縁に恵まれた場合に使用することが多いようですね。
例文3つ
「合縁奇縁」を使った例文を3つほどご紹介します。どんなシーンで使えそうか、イメージしながら読んでみてくださいね。
・生まれも育ちもまったく違う二人が出会ったのは合縁奇縁としか言いようがない
・合縁奇縁というように、思いがけないところにいい出会いがある
・別れと再会を繰り返すたびに合縁奇縁を感じる
「合縁奇縁」に似ている言葉
「合縁奇縁」に似ている言葉や類義語を例文と合わせてご紹介します。
縁は異なもの味なもの
「合縁奇縁」に似た言葉に、「縁は異なもの味なもの」があります。男女の縁はどこでどう結ばれるかわからないものでおもしろく、不思議であるという意味です。
<例文>
・縁は異なもの味なもので、入院したときの担当看護師と結婚したらしい
・無口な彼女と、おしゃべりな彼が結婚なんて、本当に縁は異なもの味なものね
宿縁
「合縁奇縁」の由来と同じく、「宿縁」という仏教用語があります。宿縁とは、前世からの因縁という意味。
<例文>
・この結果をもたらしたのは宿縁だろうとあきらめた
・俺とお前の間にあるのは宿縁だ
「縁」を使ったことわざをご紹介
「合縁奇縁」に使われている「縁」という字。ほかにも、どのような言葉に「縁」が使われているのでしょうか。
縁の下の力持ち
「縁」を使ったことわざで有名なのは、やはり「縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち)」ではないでしょうか。
表には立たず人の目にはつかない裏から支える人のことを意味し、普段よく耳にする言葉ですよね。脚光を浴びることはなくても重要な役割を果たしている……そんな場面で使われるこの言葉。身近にも「縁の下の力持ち」な方がいらっしゃるのではないでしょうか。
金の切れ目が縁の切れ目
「金の切れ目が縁の切れ目(かねのきれめがえんのきれめ)」は日常でも使われる表現で、お金で成り立つ関係はお金が無くなれば終了するという意味です。打算的な関係性を言い表したことわざで、お金がある時には下心を持った人が集まってくるが、お金が無くなり得するものがないと離れて行ってしまう行動を言い表しています。
袖振り合うも多生の縁
「袖振り合うも多生の縁(そでふりあうもたしょうのえん)」ということわざも「縁」が使われていますね。意味は、道で知らない人と袖が触れ合う程度のことも前世からの因縁であり、ほんの少しの関わりもすべて偶然ではなく縁があって起こるということです。ちなみに、「多生」は仏教用語で何度も生まれかわるという意味になります。
まとめ
「合縁奇縁」という言葉はあまり日常的に使う言葉ではありませんが、一般教養として似たような言葉や類義語も一緒に覚えておくと良いかもしれません。
合わせて「縁」が使われている言葉やことわざをご紹介しましたが、「縁」にちなむ言葉は仏教用語が多いよう。その辺りも一緒に覚えておくと、豆知識としていざというときに役に立ちそうですね。
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コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。