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2023.11.06

ビジネスにおける「にぎる」の使い方を知っていますか? 例文で紹介

「にぎる」は日常でよく使う言葉ですが、ビジネスでもよく登場します。しかし、ビジネスでの意味や使い方は異なりますので、注意したいところ。この記事では例文とあわせて使い方や言い換えの表現を紹介していきます。

ビジネスで使う「にぎる」、どんな意味?

ビジネスにおいて、「売上目標をにぎる必要がある」のように使う「にぎる」ですが、意味がいまいちわからないという人もいるでしょう。「にぎる」は日常会話でもよく使いますが、ビジネスでの使い方は異なります。

ビジネスにおいての「にぎる」の使い方について、見ていきましょう。

「にぎる」の意味を辞書で確認

▷【握る】読み方:にぎる

1:手の指全部を内側へ曲げる。また、そのようにして、物をつかんだり、持ったりする。「こぶしを—・る」「ペンを—・る」「車のハンドルを—・る」
2:物事をとらえて自分のものとする。手中に収める。「実権を—・る」「政権を—・る」「大金を—・る」
3:重要な事柄を確実につかむ。「相手の弱みを—・る」「秘密を—・る」「証拠を—・る」
4:握り飯や握りずしを作る。「好みのねたを—・ってもらう」
5:ゴルフなどの勝負事で、金品を賭ける。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「にぎる」はさまざまな意味を持つ言葉ですが、よく知られているのは「物をつかむ」や「手中に収める」、「お寿司をにぎる」の意味ですよね。使い方なども知っている人が大半だと思いますが、念のため確認していきましょう。

野球ボールを持つ手
(c)Adobe Stock

一般的な「にぎる」の使い方

ここからは、日常会話で使われている「にぎる」の一般的な使い方を見ていきます。例文とあわせて紹介します。

一般的な「にぎる」例文は

《例文》
・ボールを浅くにぎる方が、ボールに力が加わりやすいと教わった
・車のハンドルをにぎるということは、安全に運転するという責任を持つということだ
・証拠をにぎったので、後日本人に問いただしたい
・すし職人のにぎった寿司は格別においしかった

「にぎる」は日常的にとてもよく使う言葉です。実際に何かをにぎる以外に、情報や秘密など形のないものを手に入れた際にも使われています。

ビジネスでの「にぎる」使い方は

ここからはビジネスにおいての「にぎる」について見ていきましょう。一般的な意味合いとは少し異なりますので、注意してください。

認識をそろえる

《例文》
・お客様と目的や納期についてにぎることをしておかないと、結局上手く行かない
・売上目標については先方とにぎっているので、不安はない

上記のように「認識をそろえる」という意味で「にぎる」を使うことがあります。目的や価値観、考え方、納期などについての認識をそろえるというのは、意外と難しいもの。しかしこれをしておかないと、どの業務もどこかで行き詰ってしまいますよね。

合意を得る

《例文》
・契約内容についてはすでににぎっているので、心配しなくてもよい
・プロジェクトの件について、取引先と事前ににぎるよう指示された

「合意を得る」という意味合いでも「にぎる」を使います。何かしらの業務を進めることにおいて、一方通行になるのは避けなければなりません。あとになり「それについては承知していなかった」と言われることがないよう、要所要所でしっかりと合意を得ることが必要になります。

ただし、口約束の場合は注意したいもの。言った・言わないで揉めることがないよう、必要に応じて書面などで取り決めを交わすのがいいでしょう。

書類を渡す手
(c)Adobe Stock

ビジネスでにぎるべき4つのポイント

ビジネスを円滑に進めるためには、ポイントを押さえてにぎることが欠かせません。特に次の4つを押さえておくと、スムーズに進みやすいでしょう。

目的

意外とズレが生じやすいのが、目的です。相手は何かしらの目的があり、行動を起こすわけですが、その目的を正確ににぎるためには、徹底したヒアリングが欠かせません。

・なぜそれをするのか
・何のためにそれをするのか
・なぜそれが必要なのか
・なぜその商材やサービスでなければならないのか
・なぜ今のタイミングなのか

上記のことをしっかりと相手に尋ねることで、目的はより明確化されます。また、こちらが尋ねることで初めて言語化されることもありますので、細かく聞いておくといいですね。

目的がズレてしまうと、方向性やブランディングにもズレが生じ、見直しや修正、後始末に大変な労力を要することになります。最初に目的をしっかりとにぎってから、業務を進めるようにしましょう。

成果

目的がつかめたら、次ににぎるのが「成果」です。相手がイメージする完成形とはどのようなものか、何を成果とするのか、どのような結果にたどり着くことを求めているのかを把握しておきましょう。

避けたいのは「とりあえず」ではじめてしまうこと。「とりあえず」ではじめると、途中の修正が大変です。また、「求めていたのと違う」ということも起きがちですから、注意しなければなりません。

納期

納期についても、最初にしっかりとにぎりましょう。いつまでに手元にあればいいのか、いつから使いたいのかなどを明確な日付で確認します。「上旬・中旬・下旬」や「〇日前後」という表現は、人によって認識が異なるもの。認識違いによるトラブルが生じる恐れもありますから、その点は意識しておきたいですね。

予算

予算についても明確ににぎることをおすすめします。ご要望をお伺いしたら、見積書を発行するのもいいですね。費用感を知らせるための見積もりを出す場合は、実際の請求額と大きな差が生じないよう、注意しましょう。

スーツを着た女性
(c)Adobe Stock

「にぎる」を言い換える場合は

他の表現で「にぎる」を表す場合、どのような言葉を使えばいいか見ていきましょう。

「認識をそろえる」の言い換え

この意味で「にぎる」を言い換える場合は、次の言葉を使うといいでしょう。

・申し合わせる
・確認し合う
・すり合わせをする

「認識をそろえる」のは意外と抜けがちです。しかしこれが抜けると、後からトラブルにつながることが多いのも事実。それだけ大切なポイントになるということは意識しておきたいですね。

「合意を得る」の言い換え

「合意を得る」の言い換えについても見ていきましょう。

・約束をする
・取り決めをする
・同意を得る

「合意を得る」は、一方通行で終わるものではありません。「説明をしたから合意を得られた」と思ってしまうのは危険。それは単なる思い込みだったということもあります。

「にぎる」のは、単に説明をする、ヒアリングをするということにとどまりません。相手と理解し合っていなければ、それはにぎったことにはならないのです。そのためにも、こちらの状況や考え方などをしっかりと説明して理解してもらい、相手のことも理解するということに力を入れていきましょう。

おわりに

日常会話でもよく使う「にぎる」ですが、ビジネスでもよく使われます。しかし、ビジネスでの意味や使われ方は異なりますので、違いを知っておきましょう。言葉を適切に使うためにも、意味はきちんと理解しておきたいですね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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