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2023.10.21

一切合切とは「なにもかもすべて」を指す言葉|意味や例文、類語・言い換え表現など

「一切合切」とは、「なにもかもすべて」などを意味する言葉です。今回は一切合切の詳しい意味や読み方、「一切合切」の漢字表記、使い方・例文を解説します。さらに、類語・言い換え表現もご紹介するため、関連する言葉までぜひ参考にしてください。

「一切合切」の読み方など、基礎知識を解説

「一切合切」の読み方は<いっさいがっさい>で、「なにもかも」「すべて」「残らず」「いっさい」といった意味で使われます。一切合切は、明治時代から使われているほど、古くからある言葉です。

言葉を理解して正しく使えるように、まずは一切合切という言葉の詳しい意味や漢字表記、由来・語源、使い方・例文を確認していきましょう。

一切合切とは「なにもかもすべて」のこと

一切合切とは、「なにもかもすべて」「すべて残らず」という意味の言葉です。「一切」と「合切」には、どちらも「すべて」という意味があります。これら「一切」と「合切」という同じ意味の言葉を2つ重ねることで、さらに意味を強調した表現です。

また、一切合切のあとに打消しの言葉を一緒に使い、副詞的にも用いられます。この場合には、「まったく」という意味の言葉として活用可能です。

一切合切の漢字表記は?「一切合財」の意味

<いっさいがっさい>の漢字表記として、一切合切だけではなく「一切合財」と表記する場合もあります。一切合財という漢字表記も、間違いではありません。どちらの表記であっても意味は同じであるため、どちらを使っても良いでしょう。

とはいえ、基本的には一切合切という漢字表記をしているケースが多いようです。<いっさいがっさい>の漢字表記を覚えるときは、「一切合切」で覚えることをおすすめします。

一切合切の由来・語源

大きな巾着袋
(c)Adobe Stock

一切合切の語源となったのは、明治時代に女性たちのあいだで人気を集めていた「合切袋」です。合切袋とは、身の回りのさまざまなものを入れる袋のことです。当時の女性たちは、和服に合う持ち運びアイテムである合切袋を紐でくくり、中身が出ないようにして持ち歩いていました。

合切袋が「すべて入れる袋」として使われていたため、「すべて」という意味で「合切」が使われるようになりました。そして、一切と合切を合わせて、一切合切という四字熟語ができたといわれています。

一切合切の使い方・例文

それでは、簡単な例文で一切合切の使い方をチェックしましょう。

<「なにもかもすべて」という意味で使う場合>
・アパートが燃えて、一切合切を失ってしまった。
・引っ越しするため、一切合切を売り払った。

一切合切を副詞的に用いる場合には、以下のように打消しの言葉を一緒に使います。

<「まったく」という意味で使う場合>
・今後は一切合切関与しません。自分で何とかしてください。
・二人のあいだには隠しごとが一切合切ない。

一切合切の類語・言い換え表現と対義語

関連語をあわせて確認し、言葉への理解を深めましょう。一切合切の類語・言い換え表現や対義語は、以下のとおりです。

<一切合切の類語・言い換え表現>
・森羅万象(しんらばんしょう)
・有象無象(うぞうむぞう)

<一切合切の対義語>
・氷山の一角(ひょうざんのいっかく)

また、一切合切の類語・言い換え表現には、「初めから終わりまで」を意味する「一五一十(いちごいちじゅう)」もあります。

それぞれの言葉を詳しく確認していきましょう。

一切合切の類語・言い換え表現:森羅万象

森羅万象は、一切合切と言い換え可能な表現です。「この世に存在している、あらゆる物事や現象」「宇宙に存在するすべてのもの」のことであり、<しんらばんしょう>と読みます。例文は、「彼はまるで森羅万象を知っているようだ」などです。

一切合切と森羅万象は、「すべて」という部分が同じです。ただし、言い換えが可能な表現であってもニュアンスが異なる部分があるため、よりしっくりくるほうを選んで用いましょう。

一切合切の類語・言い換え表現:有象無象

有象無象も、実は一切合切の類語・言い換え表現のひとつだといわれています。「多く集まったつまらない集団」「取るに足りない種々雑多な人々」という意味で使われるイメージが強い言葉であるため、あまり一切合切の言い換えに向いた表現だとは思わないかもしれません。

有象無象には、「有形無形問わずすべてのもの」という意味もあり、こちらの意味が一切合切との言い換えが可能だとされています。ただし、使用する頻度の多い「多く集まったつまらない集団」という意味しか知らない相手だった場合には、誤解を招いてしまうかもしれません。使用する際は注意しましょう。

なお、有象無象の読み方は<うぞうむぞう>です。基本的には、「有象無象の集まりのいうことは気にしないで」など、つまらない集団という意味で使います。

一切合切の対義語

「なにもかもすべて」などを意味する一切合切の対義語表現には、「氷山の一角(ひょうざんのいっかく)」があります。氷山の一角とは、「表に出ている事柄がすべてではないこと」を意味する言葉です。表面に現れている事柄が、好ましくない物事のうち、ほんの一部分でしかないことを氷山で例えています。

氷山の一角の例文は、「この問題はおそらく氷山の一角に過ぎないだろう」「確認できるミスは氷山の一角だ」などです。

一切合切や関連する言葉を正しく理解しよう

たくさんの荷物
(c)Adobe Stock

一切合切とは、「なにもかもすべて」「すべて残らず」といった意味で使える言葉です。「一切」と「合切」には、どちらも「すべて」という意味があり、2つ重ねることで意味をさらに強調しています。

また、一切合切のあとに打消しの言葉を使えば、副詞的にも用いられます。打消しの言葉を使って副詞のように用いる場合には、一切合切を「まったく」という意味で使用可能です。

一切合切の類語・言い換え表現は、「森羅万象(しんらばんしょう)」「有象無象(うぞうむぞう)」などがあります。また、一切合切の対義語は、「氷山の一角(ひょうざんのいっかく)」です。

言葉の詳しい意味や読み方、使い方、関連する表現などをあわせて確認し、多くの言葉を正しく使えるようになりましょう。

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