「最早」の読み方など、基礎知識を解説
「最早」は、少々読み方がわかりにくい言葉かもしれません。「最早これまでだ」などと用いるもので、日常生活での会話よりも、映画やドラマ、マンガなどで使われています。「今となってはもう止められない」というほどのところまで、事態が進んでいることを表現する言葉です。
言葉を理解して正しく使えるように、まずは最早という言葉の詳しい意味や読み方、2種類の使い方、例文を確認していきましょう。
変えられないところまで事態が進んでいるさまなど
最早とは、「変えられないところまで事態が進んでいるさま」もしくは「ある事態が実現しようとしているさま」を表す言葉です。これらのうち、「変えられないところまで事態が進んでいるさま」の意味で使うことが多いといわれています。
実際に最早という言葉は、武士や侍を描いた映画やアニメでは、「最早これまでだ」などというように、「今になってはもう」といった意味で用いることが多いです。このように、すでに物事が変えられないところまで進んでいることをあらためて認めるときなどに、最早という言葉を使います。
最早の読み方は?<さいそく>と読む?
最早の読み方に関して、<さいはや>や<さいそく>などと読むのだろうかなど、疑問に思うかもしれません。基本的に、最早の読み方は<もはや>です。<もはや>のほかに、<さいそう>や<いとはや>と読む場合もあります。
もしも一番の早さであることを伝えたいのであれば、そのまま「最も早い」と表現するのが一般的な言葉の使い方です。「最早開始日(さいそうかいしび)」や「最早開花予定日(さいそうかいかよていび)」のように、「最早」という表現を使っている場合もあります。
ただし、「最早記録」などと表現していても、書き言葉として文字で示しただけで、口に出すときは「最も早い」と読む場合があるようです。
最早の2種類の使い方
最早には、以下のように2種類の使い方があります。
<時間に区切りをつけるときの使い方>
最早は、今まで継続してきたことを区切るなど、時間に区切りをつける表現として用いることが多いです。例えば、「最早どうしようもない」というように使います。
<何かが実現しようとしているときの使い方>
最早は、何かが実現しそうなときに、「早くも」「まさに」という意味で使うこともあります。この使い方をする場合は、傍観者としての立場で時間が過ぎていくことを伝える場合が多いです。例えば、「最早今年も終わりだ」などと使います。
最早を使った例文
それでは、簡単な例文で最早の使い方をチェックしましょう。
<時間に区切りをつけるときの例文>
・最早、どうすることもできない。ここからは無理をせずにいこう。
・敵に追い詰められてしまった。最早これまでか。
<何かが実現しようとしているときの例文>
・最早今年も暮れようとしている。何かと慌ただしい一年だったな。
・最早受験日まで1か月ほどだ。ラストスパートを頑張ろう。
最早の類語・言い換え表現や対義語などの関連語
最早の関連語をあわせて確認し、言葉への理解を深めましょう。最早の類語・言い換え表現や対義語などの関連語は、以下のとおりです。
<最早の類語・言い換え表現>
・既に(すでに)
・とうに
<最早の対義語>
・未だに
・今なお
<最早を使った言葉>
・最早結合点時刻
・最早開始時刻
それぞれの言葉を詳しく確認していきましょう。
最早の類語・言い換え表現
最早と似た意味で使える類語・言い換え表現は、以下のとおりです。
・既に(すでに)
・とうに
「既に(すでに)」とは、その時点よりも前にある事柄が終わっている様子を指します。例えば、「すでにこちらは片付けられたよ」「キャンペーンはすでに終わってしまった」などと使います。
「とうに」は、時間的に区切りをつけるニュアンスで使える言葉です。例えば、「その話はとうに終わっているよ」「約束の時間はとうに過ぎているよ」などと使います。
最早の対義語
最早の対義語は、以下のとおりです。
・未だに
・今なお
「未だに」とは、「特定の状態が続いている様子」や「ある事柄が実現していない状況」を指す言葉です。例えば、「未だに折り返しの電話がこない」「彼は彼女のことが未だに好きなようだ」などと使います。
「今なお」とは、「何かの事象が続いているさま」や「ある出来事が実現していない様子」を指す言葉です。例えば、「彼女は今なお昔のように純粋だった」「今なお、私にとって彼は一番の友達です」などと使います。
最早を使った言葉・最早結合点時刻や最早開始時刻
最早を使った関連語には、以下のようなものがあります。
・最早結合点時刻(さいそうけつごうじこく)
・最早開始時刻(EST)
最早結合点時刻とは、プロジェクト管理で使われる言葉です。計画通りにプロジェクトが進行した場合に、各結合点における次の作業に最も早く進められる日数のことで、工程管理の手法として用いられます。
最早開始時刻(EST)とは、該当する作業が開始できる最も早い時刻のことです。開始前に必要なすべての作業を予定通りスムーズに実施できた場合に開始可能な時間を指します。また、最早開始時刻+該当する作業の作業時間で、最早終了時刻(EF)を算出できます。
最早や関連する言葉を正しく理解しよう
「最早」は、日常生活での会話よりも、映画やドラマ、マンガなどで使われることが多いです。「今となってはもう止められない」というほどのところまで事態が進んでいることなどを表現する際に、よく使われています。また、何かが実現しようとしているときに、「早くも」「まさに」という意味で使うこともあります。
基本的に、最早の読み方は<もはや>です。「最早開始日(さいそうかいしび)」や「最早開花予定日(さいそうかいかよていび)」のように、<さいそう>と読む場合もあります。
言葉の詳しい意味や読み方、使い方、関連する表現などをあわせて確認し、多くの言葉を正しく使えるようになりましょう。