本でムーブメントを起こす!【働く女子図鑑 #6】
「働くって楽しい」。いきいきと働く女性を取り上げる連載『働く女子図鑑』第6回目は、メディアの出版事業部で営業・プロモーション担当として働く岡元小夜さん(33)です。
▲メディア 出版事業部営業・プロモーション担当 岡元小夜さん(33)
岡元さんはメディアの出版事業部で働いて5年目になります。書籍の営業部の責任者として、立ち上げ当初から出版事業を支えています。
「忙しい仕事ですが、毎日やりがいを感じながら働いています」と岡元さん。書籍の営業とプロモーションとは具体的にどんな仕事なのでしょうか? 岡元さんの普段の仕事について聞いてみました。
本を売るだけじゃない
営業責任者の岡元さんは、普段は社内の編集だけでなく、本を卸す取次や書店とのやり取りも多いといいます。
「書店さんに本を仕入れてもらうことが営業のメインのお仕事のひとつ。仕入れてもらったあとは、どの棚に並べてもらうべきか考えたり、人の目に入りやすい『良いところ』に本を置いてもらえるよう交渉することも、書店営業の大事な仕事です。
例えば、本屋さんに行くと新発売の本が入り口の近くに置いてあったり、棚に紹介ポスターが添えられていたりするのをよく目にしませんか? 営業の仕事は本屋さんに書籍を仕入れてもらったら終わり、ではないんですよね」
▲出社日のコーデ。この日のワンピースはFRAY I.D
新刊発売2ヶ月前から書店営業、2週間前にはプロモーション活動と、新刊が出る前は大忙しだそうです。本によって読まれそうな地域や、書店ごとの立地、客層を考慮して仮説を立ててから営業に出向く岡元さん。
特にビジネス書の場合、テーマによっては都市部で売れても地方ではあまり売れないこともあるそうです。
▲岡元さんの一日
「私がやっていることは、著者と編集者が思いを込めてつくった大事な本を、世の中に届けるという仕事です。そのため、どうすれば多くの人に手に取ってもらえるのかを常に考えています」
岡元さんはマーケティングも担当しているので、発売後にどの書店でどれくらい売れたのかデータも追いかけているそうです。
「提案した本が店頭で売れると、書店との信頼にも繋がります。次の営業活動にも活かせますし、重版すべきかどうかの判断材料にもなるので、毎朝欠かさずにデータベースで売れ行き状況を確認しています。また、データは書籍ごとにどんなプロモーションが効くのかを考えるヒントにもなっています。企業によってはマーケティングと営業の部署が違う場合もありますが、私が働く会社の場合、営業担当もマーケティング戦略を考えます」
▲バッグはMarc Jacobs。PCもすっぽり入る大きさ。デザインの良さはもちろん、形がしっかりしているのでPCケースもMarc Jacobsにするほど好きなブランド
ショッピング好きならではの「貯金方法」
岡元さんは週末、どういう風に過ごしているのでしょうか。
「ワーカホリックな発言かもしれませんが、包み隠さず話すと週末もちょこちょこと仕事をしちゃいます(笑)。心配の声もいただきますが、それくらい仕事が好きだということで。それもあり、最近は優しい電流で頭をマッサージするミーゼのスカルプリフトが手放せませんね。毎晩寝る前に頭にあてるようにしています。これを使うことで眼精疲労がマシになる気がします。これもまたワーカホリック発言でしょうか…」
▲岡元さんのベストバイ、ミーゼのスカルプリフト
バリバリ働く岡元さんですが、プライベートでは大のショッピング好きという一面もあるそうです。欲しいものを買うための習慣があるのだとか。
「『ジュエリー貯金』といって、数年に1度自分へのご褒美を買うために、毎月1万円を貯金しています。昨年はVan Cleef & Arpelsのアルハンブラのペンダントを購入しました。当時は確か16〜17万円くらいで、1年半ほどかけてゲットしたんです!」
▲Van Cleef & Arpelsのアルハンブラ。値上がり前に買えたことが何よりも嬉しい
ジュエリー貯金は岡元さんにとって1年の中でも楽しみなビッグイベント。働くモチベーションも上がるといいます。貯金のポイントは無理なく積み立てること、そして無駄な出費を減らすことだと強調します。
「なんとなくコンビニでコーヒーやお菓子を買ってしまうことってありませんか? ジュエリー貯金は小さな衝動買いを我慢するきっかけになります。他にもサブスクを見直したり、マイボトルを持参するようになったり、お金が出て行かない習慣が身に付きます。節約したいけれどやっぱりショッピングが好き! という方にはおすすめです」
他にも、ハロプロが大好きでライブに行ったり、ジムで運動をしたり、旅行に行ったりしながらリフレッシュをしているそうです。
▲伊勢神宮に旅行
「本が売れる」はムーブメントを起こすこと
毎日どんなに忙しくても、楽しさややりがいの方が勝ると岡元さん。なぜそんなにも仕事を頑張れるのでしょうか? 手に入れたいキャリアがあるというよりも、仕事のやりがいを心底感じているからだと、岡元さんは言います。
「私はもともと『いい!』と思ったことを世の中に広めるのが好きなんです。プライベートでも生活に役立ちそうな情報があれば、知人につい教えたくなっちゃう性格です。だからこそ、素敵な学びが詰まった本を広められるのは私にとって大きなやりがいです。これまで、本気で社会を変えたいと思っている素晴らしい著者の方に、何度も感銘を受けてきました。そんな方が書いた本を会ったこともない誰かに届けることで、世の中に感動と学びの連鎖が起きる。いい本が売れることは『世の中を変えるムーブメント』を起こしていることと同じだと信じています」
また、今後社内では営業責任者としてマネジメント力も伸ばしていきたいそうです。
「自分の仕事も大事ですが、リーダーとしてチームのみんなが働きやすい仕組みをつくれるようにもっと頑張りたいです。そのためには、俯瞰力が大事ですね」
「毎日幸せに思えればいいや」。岡元さんはこれからの目標を語りながらそうつぶやきます。
「仕事では努力を惜しまず誠心誠意働く気持ちでいますが、自分でどうにもできないことに対してはネガティブにならず、考えすぎないようにしています。気持ちよく頑張るには『色々決めすぎない』のがポイントです。成果、キャリアアップ、プライベートの充実、結婚、大人は考えることが多いですが、何事も決めすぎず流れに身を任せるのもいいと思います」
岡元さんの仕事に向かう姿勢は「仕事のやりがい」の重要性を感じさせてくれる、働く人にとって原点に帰れるようなアドバイスです。
ペ・リョソン
コラムニスト。NewsPicks Studios ライター/アシスタントディレクター。
1996年兵庫生まれのギリギリZ世代。20代前半は韓国とヨーロッパで過ごす。ファッションはパリジェンヌより、大胆な柄や色をさりげなく取り入れるミラネーゼ派。