仕事も趣味もしっかりと楽しむ【働く女子図鑑 #2】
「働くって楽しい」。いきいきと働く女性を取り上げる連載『働く女子図鑑』第2回目でご紹介するのは、外資系コンサルティングファームで働くハウザー・マヤさん(30)さん。
▲外資系コンサルティングファーム コンサルタント ハウザー・マヤさん(30)
ハウザーさんは上智大学卒業後、早稲田大学で修士号を修了。アメリカ人の父を持ちながら日本で生まれ育ったため、英語も話せるバイリンガルです。
新卒で入社したコンサルティング会社は今年で働いて7年目。30歳で結婚や出産などをこれまで以上に意識するようになった一方で、もっと自分のライフとキャリアを充実させたいという思いも年々強まっているそうです。
ハウザーさんに、これからの30代をどのように彩っていきたいかを聞いてみました。
平日の一日のスケジュール
ハウザーさんは製造業、小売業、エネルギーを扱う企業を担当してきました。業務改善やシステムの導入のアドバイスなど、幅広くコンサルティングします。
「たとえば過去に、エネルギーを扱う会社に対して、デジタルマーケティング戦略を立てるというプロジェクトがありました。デジタルを活用して、潜在顧客へのアプローチを支援することが目的でした。お客様が抱えている経営課題の要因を分析して、課題を明確化、そして解決策を提案するのが私の仕事。なので仕事では、調査、データ分析、資料作成、お客様へのプレゼンテーションをすることが多いですね」
クライアントとのコミュニケーションや、解決策を考え、提案するのは非常に高度で難しい仕事だとハウザーさんはいいます。緊張感のある環境、どんな時にやりがいを感じるのでしょうか?
「自分の強みが生かされる瞬間ですね。海外の方が多いグローバルなプロジェクトに携わったことがありました。基本的なコンサルティングのスキルだけでなく、異なる文化の理解力、共感力、そして語学力が求められます。まさに自分の強みが生かされたプロジェクトで、大きなやりがいを感じました。こういった経験ができるたび、嬉しい気持ちになります」
▲ハウザーさんの一日のスケジュール
そもそも、なぜハウザーさんは就職活動でコンサルティング会社を選んだのでしょうか。
「少し変わっているかもしれませんが、私は学生時代からフィールドワークが大好きでした。100%日本にルーツがある方とは少し違う視点を持っていたことが影響しているかもしれません。振り返ってみると、幼少期からいつも客観的に人、コミュニティ、社会、文化…… とずっと観察してきました。大学時代の専攻は文化人類学。授業で国や文化ごとに異なる考え、しきたり、価値観について研究することが本当に楽しかったです」
調べ物や分析の仕事が多い外資系コンサルティングファームは、まさにハウザーさんの好きなことと得意なことが活かせる職場でした。
「コンサルティング会社というと、激務で難しいイメージもあるのではないでしょうか? 私自身、受けたものの仕事についていけるのだろうかと不安に思いましたが、モットーの『常にチャレンジングな環境に身を置く』に従って就職を決めました。結果、7年経った今も楽しく働いています」
コツコツ仕事を頑張ってきたハウザーさんは、今年の1月にマネージャーに昇格。30歳記念と昇進のご褒美に、最近ルイ・ヴィトンのバッグを自分にプレゼントしたそうです。
▲購入したルイ・ヴィトンのカプシーヌ
「選んだポイントは、上品でどこに持って行っても浮かないところ。そして、普段の洋服だけでなく趣味の着物に合うところも満足しています」
花と着物に癒やされ、サイクリングで運動不足解消!
ハウザーさんは土日もアクティブに過ごし、しっかりと楽しむタイプ。趣味は華道と着物の稽古、そしてサイクリングだそうです。
▲1年前から通いはじめた着付けの稽古
「お花も着物も見ているだけでうっとりするほど美しいのですが、実際に触れることでとても心が癒やされます。華道はかれこれ10年以上続けていますね」
時代が変わっても親しまれ続ける文化に魅力を感じるとハウザーさん。また、花道や着物の稽古とは逆に、ハウザーさんは運動好きでもあり、サイクリングに出かけることもあるそうです。
▲海沿いを自転車で走るハウザーさん
「近場だと皇居やお台場周辺を走ります。車に自転車を乗せて兵庫県の淡路島などにいくこともあります。走ると気持ちの良い海沿いが大好きです」
他には友達とランチに出かけたり映画鑑賞をしたり、できるだけ外に出かけるようにしているそうです。
▲車で出かける時も日除けはばっちり
30歳、いまが楽しすぎる
転職が当たり前の時代、7年も同じ会社に勤めてきたハウザーさんのキャリアは、ミレニアル世代やZ世代からすると長いほう。ハウザーさんは、自身のキャリアについてどう考えてきたのでしょうか?
「新卒の頃は不安も多かったですが、働いてみるとコンサルは常にチャレンジし続けられる仕事だとわかり、気づいたら飽きることなく楽しく働いている自分がいました。プロジェクトごとにクライアントやチームも変わるので、毎回小さな変化を感じられます。継続することで結果が積み重なり、自分自身の成長も実感できます。夢中になって働いていたら、7年も経っていたという感じですね」
では30歳になったいま、これからのライフプランをどのように考えているのでしょうか。聞いてみると「“自分”を楽しむ時間はまだまだほしい」とハウザーさんは言います。
▲これからも好きなものに囲まれて好きなことを貫いていきたい
「年齢にとらわれず、自由にキャリアを築きながら、将来家族を持つことを考えたいです。キャリアもライフも、”いま”にとても満足しています。人それぞれのタイミングがあるので、私は自分のペースで働いて、ライフイベントを迎えたいと思っています」
そんな中、ハウザーさんは現在ひそかに目指していることがあると言います。
「いまの目標は海外赴任です。強みである語学力とコンサルの経験をもっと活かしたいです。後悔のないようにこれからも挑戦を続け、自分のキャリアを築いていきたいです」
自分自身に「丁寧に」向き合う
自分が感じる「好き」と丁寧に向き合ってきたハウザーさんだからこそ、積み上げることができたキャリアとライフではないでしょうか。
「これから仕事では、チームのメンバーに思う存分挑戦してもらえるよう、リーダーとしてチームの環境づくりを頑張りたいです。海外赴任もぜひ実現したいですね。私生活では、これまでと変わらず一緒にいて楽しい人たちと過ごしたいです。その分、自分自身も同僚や友達から『ポジティブで楽しい人』だと思ってもらいたいですし、支えてくれる家族には親孝行もしたいです。手に入れたいキャリア、なりたい自分、周囲への恩返し…… やりたいことが本当にたくさんあります」
何事にも丁寧に向き合うハウザーさんから、焦らずゆっくりと自分自身を見つめる大切さを学べます。周囲の意見や時代に惑わされず、丁寧に時間を過ごすことで、気づけなかった自分自身の新しい一面と価値観が見えてくるかもしれません。
ペ・リョソン
コラムニスト。NewsPicks Studios ライター/アシスタントディレクター。
1996年兵庫生まれのギリギリZ世代。20代前半は韓国とヨーロッパで過ごす。ファッションはパリジェンヌより、大胆な柄や色をさりげなく取り入れるミラネーゼ派。