働く私たちのひとり時間【既婚・子あり編】
暮らし方や働き方によって、時間の使い方は大きく変わってくるもの。それぞれのライフスタイルの中で、“ひとり時間”は、どのような価値を持つのでしょうか。今回は、パナソニックHD 執行役員 Yohana CEOの松岡陽子さんの“ひとり時間”を紹介します。
▲松岡陽子さん(52歳・夫、子供と6人暮らし)
まつおか・ようこ/中学卒業後アメリカに移住。グーグル、Appleなどを経て、’19年パナソニックへ。’21年に子会社のファミリーコンシェルジュサービスYohana創業。現・パナソニックHD 執行役員 Yohana CEO。日本では東京・神奈川で展開中。3月に『「選択できる未来」をつくる』(東洋経済新報社)を刊行。
松岡さんのひとり時間|4人の子供が起きる前にジョギング
ひとりで体を動かす時間を後回しにしないことで仕事の能率がUP!
忙しい家族の、多岐にわたる暮らしのタスクをこなすコンシェルジュサービスをシリコンバレーで立ち上げた松岡さんは、自らも超多忙。
「現在高校3年生の双子、中3、小5、4人の子供はそれぞれ違うスポーツをしていて、家事・育児のほか遠征の送迎も夫と分担。家事代行も利用してなんとか回しています」
ひとり時間を持つようになったのは約10年前。家族に対しても優しくなれた
「忙しすぎて仕事もうまくいかず『もう無理!』というときに、コーチングで『打ち合わせをキャンセルしてでも、自分の時間をつくりなさい』と言われたんです。それまで私の優先順位はまず子供、仕事で、その次が夫。自分の時間なんてとれないと思っていました。
でも早朝にジョギングをしてみたら、日中も頭の中がクリアになって、仕事の決断が素早く下せるように。同僚にも『今日は走らなかったでしょ』とバレてしまうほど、目に見えて変化が現れて。子供にイライラをぶつけてしまう回数も減りました」
休日を入れて週4回のジョギングのうち、2回は意識的に何も考えず走る
「ほかの日もシャワー中や寝る直前に3分でも瞑想を。毎日高速道路を走っているような生活の中で、考えごとをいったん頭の外に出してスローダウンすると、必要なことがまたきちんと入ってくるような感覚があるんです。
自分にとっていちばん大切なのは、いい母親でいること。そしてそのためには自分の時間が必要。最近はジョギングする日をさらに増やしたいな、なんて考えています(笑)」
ある日のスケジュール
〈平日〉
以前は3時起きだったが、日本企業に転職し、時差で夕方~夜の打ち合わせが増えたため4時半起きに。それでも睡眠は7時間弱はキープ。
「子供が起きている時間は常にだれかから話しかけられて落ち着く暇がないので、早朝に頑張って起きています。双子の娘は現在高校3年生になり大学進学の巣立ち目前。彼女たちとの時間が、今ことさらに大切です」
〈休日〉
「乗馬、テニス、水球、ラクロスと、4人の子供それぞれの試合が広いアメリカのさまざまな場所で行われるので、車や飛行機で移動。泊まりがけで付き添うことも」
▲毎週末、子供だれかしらのイベントが!
テニスは中学卒業後、プロを目指してアメリカに留学し、移住のきっかけになったほどの腕前。
▲子供の予定に合わせつつ、運動する時間は死守!
ひとり時間のMy ルーティン
「どんな結果を出したいか」しっかり考える
自分がどうなりたいのか、そしてひとり時間を経てどんな変化があったのか、振り返って検証するのも松岡さんの習慣。
「つらい早起きの後にいいことが起きると知っているから、続けられるんです」
アウトソーシングは積極的に活用
かつては罪悪感を抱いていたという家事代行も、今は自社のアプリを介して依頼。
▲夕食づくりも週2回はYohanaでアウトソーシング
「自分で全部やるのは無理でした。人に頼ることで私の人生はどんどん広がっていったと実感しています」
2023年Oggi4月号「今、ひとり時間は『さみしい』んじゃなくて『かっこいい』」
撮影/深山徳幸 構成/佐々木 恵・酒井亜希子・吉田 梓(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部