仕事には真剣!でも、キャリアプランは決め込まない「ゆる転職」が心地いい
ひとことで〝ゆる転職〟と言えど、そこに至る理由やプロセスはさまざま。共通しているのは、仕事に真摯に向き合っていることと、今も昔も働くのが好きなこと! 実際にゆる転職をした方の実例レポートを紹介。
次の仕事を決めずに退職。半年間の充電期間を経てゆる転職!

外資系コンサルティング会社 コンサルタント・松本さつきさん(31歳)のキャリアヒストリー
証券会社→外資系コンサルティング会社
22歳:新卒で証券会社に入社。営業職に就く
25歳:社内公募制度を用いて戦略部に異動。 1年後には企画部に異動
28歳:退社
29歳:半年間のブランクを経て、外資系コンサルティング会社に入社。クライアント先に常駐し、経営支援を担当
大好きなヨガの資格を取るため転職先を決めずにバリへ!
「『仕事の前にヨガに通ってるんじゃなくて、ヨガの前に仕事に来てるんですよね?』と後輩にツッこまれたのは、証券会社の営業職だったころ。デジタルデトックスできる感覚が心地よくて、週5でホットヨガスタジオに通うほどハマっていました。『いつか海外のプログラムでインストラクターの資格も取りたい。でも1週間の休暇だと厳しいかな…』と、当時すでに考えていました」
一方で仕事にも全力投球。ファイナンシャルプランナーの資格を取って社内公募制度にチャレンジし、面接もパス。戦略部と企画部も経験し、「いわゆる出世コースに乗れた手ごたえはありました。でもそのころコロナ禍に突入して、以前から狙っていたバリのヨガプログラムがなくなってしまったんです。大ショックで『行けるときに行っておかないと後悔するんだ。再開されたら必ず行く!』と誓いました」
プログラムが再開したのは、仕事でも「この会社でほかにやりたいことは?」「このまま定年まで勤めるのかな」などと迷いがあった時期。
「転職を見据えて2社ほどカジュアル面談をしてもピンとこず…。『とりあえずヨガの資格を取ってから考えよう』と、次の仕事を決めずに退職しました」
渡航先のバリに2週間滞在し、帰国後は4か月間ヨガスクールに通って資格を取得。
「その後もしばらく、自宅でトレーニングをしたり、会社員のときはできなかったデイトレードに励んだりしていましたが、5か月ほど経ったところで『そろそろ働かないと』と重い腰を上げて。相変わらずやりたい仕事は明確になく、転職サービスから案内された、1回1時間の面接で合否が決まる〝1DAY選考会〟なるものを気楽に受けたのが、現在の会社です。
志望動機もろくになかったけれど、採ってくれたからにはちゃんと成果を出す自信があったし、実際に働いてみたら、今までの仕事でいちばん楽しいくらい! 自分に合っていたのだと思います。ちなみに半年間、仕事を休んでいたことは、転職の面接でも入社後の面談でも必ず聞かれますが、ヨガの資格という明確な目的に向けて行動したことがむしろ評価されたり、面白がってもらえて。ポジティブに受け止めてもらえると感じています」
バリのプログラムに参加!

気持ちの整理や試験準備は手書きのジャーナルで

「ジャーナルを書き始めたのは、ヨガのための海外渡航を本格的に考え出した2020年ごろ。いちばん最初のページにはヨガの流派を勉強していた痕跡が(笑)。それ以外にも、キャリアについて思うところをつらつらと書いたり、入社試験の要点をメモったり。お休み期間中もこのノートを持って出かけ、気持ちの整理に使っていました」
2025年Oggi11月号「ゆる転職で見えてくる、新しい働き方」より
撮影/河内 彩 イラスト/WAKICO 構成/酒井亜希子・渋谷遥夏(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部
Oggi編集部
「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
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