仕事には真剣!でも、キャリアプランは決め込まない「ゆる転職」が心地いい
ひとことで〝ゆる転職〟と言えど、そこに至る理由やプロセスはさまざま。共通しているのは、仕事に真摯に向き合っていることと、今も昔も働くのが好きなこと! 実際にゆる転職をした方の実例レポートを紹介。
気になる人に会いに行く〝リファラル飲み〟でゆる転職

GREEN SPOON グロース本部長・伊藤成美さん(30歳)のキャリアヒストリー
IT企業→子会社のコスメメーカー→食品サービス会社
22歳:新卒でサイバーエージェントに入社。広告事業部に配属
27歳:子会社のコスメメーカーに出向。
ブランドマーケティング、新規プロダクトの立ち上げを担当
28歳:転職先を決めないまま退職
29歳:3か月後にGREEN SPOONに入社。
マーケティング責任者として販促を担当
エージェントには登録せず、本音が聞ける飲みの席で転職先を見極めました
いわゆる転職活動らしいことはしていなくて… 前職を辞めて少し休んだ後は、ひたすらだれかと飲みに行っていました」と笑うのは、野菜たっぷりの宅配食サービスを展開しているGREEN SPOONで働く伊藤さん。
「新卒で入ったサイバーエージェントも出向した子会社も大好きで、順調にキャリアアップもしていましたが、自分の限界を感じて…。大きな会社から出たら自分の実力はどの程度なのか、外に出て客観的に見つめ直したかったんです。転職先はある程度裁量を持たせてもらえるスタートアップに、と決めていました。
自分にとって大切だったのは、『人生を共にしたい』と思える人と働けるかどうか。会社がつぶれる可能性もゼロではないし、万が一そんなときに、自分も支えたいと思えるくらいの人と働きたくて。だったら、転職エージェント経由で探すより、いろいろな会社の人と直接、カジュアルに本音でしゃべるほうが確実だと考えたんです」

週に3~4人ペース、ひと月で会った人数は合計20人程度。知人の知人など直接接点のなかった人とも会食を。
「現職の代表・田邊は、サイバーエージェント時代の先輩がGREEN SPOONに転職していた縁で紹介されました。計9回も飲んで、人生でいちばん大事にしていること、どういう意思決定で創業したのか、苦しかったときのことも率直に、そして自分に酔わずに(笑)語ってくれて。
効率は悪かったかもしれませんが、田邊は私のことを理解して会社に誘ってくれ、私も納得のうえで入社を決断。1年半ちょっと経って、キャリアアップも順調です。
会社の規模や業界によるかもしれませんが、フォーマットにのっとって、企業からジャッジされる方法だけが転職活動ではないと思います。人からの紹介に乗ってみたり、自分から主体的に、〝第二のOB訪問〟的に知人づてで会いに行くのもアリ! 食事や飲みの席なら相手の〝本当の姿〟も引き出しやすく、自分の熱意も伝わると思います」
会食時は元気な自分をアピールできるように

「人と会うこと=転職活動だったので、いつも健康&きれいでいられるように、また暴飲暴食対策にもサプリやコスメが必需品。アミノ酸やビタミンサプリのほか、食欲や脂肪の吸収を抑える韓国サプリ、ドライアイ対策の目薬や、保湿ミストも常時携帯。
納得が行くまで話して入社後も違和感なし!

現職のメンバーたちと。代表のほか、取締役とも飲みに行きました(最後列中央&中左)」
2025年Oggi11月号「ゆる転職で見えてくる、新しい働き方」より
撮影/河内 彩 イラスト/WAKICO 構成/酒井亜希子・渋谷遥夏(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部
Oggi編集部
「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
Oggi.jp



