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Q1. 日が暮れてから、お墓参りはしてはいけないってホント?
A1. 地域によって異なりますが、一般的には日が暮れてから行うのは避けたほうが良いといわれています。
〈解説〉
一般的に、お墓参りは日中の早い時間に行くもので、夕方に行くものではないといわれることが多いです。
ただし、あえて夜にお墓参りに行くことが習慣になっている地域もあります。実際に、行事やしきたりとして年末の年越し前に夜中、お墓参りをする地域もあります。
一般的には、昔からお墓参りは明るいうちに行ったほうが良いといわれてきました。昔は特に、お墓までの道に電灯が整備されていませんでしたし、今でもたいていのお墓には電灯はありません。単純に、暗い中でお墓参りに出かけるのは危ないことから、ごく普通の習慣だったようです。行事などでなければ、できるだけ明るい時間に行ったほうが良いでしょう。
Q2. お墓を掃除するときにタワシでゴシゴシこすってはいけないってホント?
A2. タワシでこすると墓石を傷付けてしまう可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。
〈解説〉
確かに墓石は硬いものが多いので、タワシでこすっても問題ないように感じるかもしれませんが、傷付けてしまう恐れがあります。墓石を傷つけて良いことはありませんので、タワシではこすらずに、水をかけて布きれなどで拭き掃除すると良いでしょう。その後、乾いた布で水を拭き取ります。細かい部分は、歯ブラシで掃除すると良いとよくいわれます。
お墓に着いたら、お参りの前にまず墓石の周りにある落ち葉などをほうきとちりとりで掃除した後、墓石の掃除を行うのが一般的な流れです。
Q3. 墓石に水をかけてはいけないってホント?
A3. 地域によってはそのような習慣があるかもしれませんが、一般的には水をかけてはいけないということはありません。むしろお清めの意味があります。
〈解説〉
一般的に墓石を掃除して綺麗にした後、墓石の上からひしゃくで1杯、2杯と水を注ぐ習慣があります。それぞれの地域やお寺によって異なりますが、広く一般的に墓石の一番上から水をかけることを儀式的な作法として行う方は多いです。
水については、主に大きく2つの意味合いがあります。
一つは、「お清め」の意味です。仏教でも神道でも水は清めるものと考えられており、儀式でよく用いられます。川や海で身を清める「禊(みそぎ)」はわかりやすい例です。墓石の上から水をかけることで、お清めの意味があります。
もう一つは、仏教の宗派によって、特に水を大事なものとしてとらえていることがあります。例えば真言宗や天台宗は水を大事にしており、尊んでいます。
これらの意味合いから、一般的には、墓石の1番上からゆっくり丁寧に水をかけて清める行為をします。ただし、地域やお寺の習慣によっては、水をかけてはいけないという考え方もあるかもしれません。
Q4. 花をお供えする向きは決まっているってホント?
A4. 厳密に決まっているわけではありませんが、花の正面を手前に向け、立ててお供えするのが一般的です。
〈解説〉
お供えをする花は、お店で花束を購入するとたいていの場合、正面と背面があります。普通は、その花束の正面を手前に向けてお供えします。一般的なお墓であれば、花立が左右一対に備わっていますから、両方の花立に立ててお供えします。
昔は花立がないことも多かったため、地面に置いて墓石に立てかけていました。しかしすぐに倒れてしまうので、竹を短く切ったものを地面に刺して、その竹の中に水を張ったところに花を立てていました。後々になってその昔からの方法を模した、プラスチック製の竹形の花立が売られるようになりました。もし花立がない場合は、そういった市販品を購入してお供えすると良いでしょう。
Q5. 線香はまとめて火をつけるべき? 一本ではだめってホント?
A5. 特に本数に決まりはないため一本ではだめということはありませんが、ある程度、まとめて火をつけてお供えするのが一般的です。
〈解説〉
特に線香の本数には決まりはありません。ですから、火をつけるのが1本ではだめということはありません。どちらでもかまいません。
ただし、1本だとお供えとしてさみしいですし、すぐに火が消えてしまいます。できるだけ煙が長く続くように、ある程度まとめて火をつけておくことが多いです。
とはいっても、まとめて山のように2束、3束と火をつけて香炉に置いてしまうと、香炉が熱で真っ黒になってしまったり、温度差で割れてしまったりすることもあり、香炉が傷むため、適量が良いでしょう。
Q6. お墓参りが終わった後、お墓の前でお供えのお菓子を食べたりお酒を飲んだりしてはいけないってホント?
A6. 地域の慣習によって異なります。一般的には持ち帰って皆で分けていただくと供養になるといわれています。
〈解説〉
一般的には、お墓参りの後、お供えしたお菓子や果物、お酒などの食べ物は家に持ち帰り、家族や親族、親戚など、皆で少しずつ分けていただくと供養になるといわれています。
しかし地域によっては、お墓の前で食べる習慣があるところもあります。いずれもご先祖様や故人のお墓の前で飲み食いして一緒に楽しく過ごすことで供養になるという考え方で行っています。
ですから、お墓の前で食べてはいけないということはありません。特別な習慣がなければ持ち帰って皆で分けていただきましょう。
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お墓参りのマナーや俗説にまつわる疑問にお答えしてきました。ほとんどの場合、地域やお寺によって考え方は変わってきますので、正解はありません。
どのようにお墓参りを行えば良いか迷ったときには、まずはその地域やお墓のあるお寺の慣習やマナーを確認すると良いでしょう。特に決まりがないようであれば、一般的に行われている方法にのっとって行うのが良いのではないでしょうか。もしご不明なことがありましたら、大野屋テレホンセンターでもご相談に乗っておりますので、お気軽にお電話ください。
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メモリアルアートの大野屋 終活・仏事アドバイザー 川島敦郎
1956年東京都出身。大学卒業後ブライダル会社に勤務。企画やプランナー育成に携わり、業界資格の試験官も務めたエキスパート。ブライダルの世界から2005年にメモリアルアートの大野屋に入社。葬儀ディレクター、生前相談アドバイザー、セミナー講師としても活躍し、現在「大野屋テレホンセンター」で仏事アドバイザーとして年間5000件以上の相談に答える。
大野屋テレホンセンター著「もう悩まない! 葬儀仏事お墓ズバリ! 解決アンサー」(二見書房)、監修「小さな葬儀とお墓選び・墓じまい」(自由国民社)
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