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「手懐ける」の正しい読み方とは?
ネットの記事や書籍でよく使われている「手懐ける」。この言葉はどう読むのか、「てなずける」なのか「てなづける」なのかがわからないという人もいるでしょう。また、日常ではあまり使わない言葉のため、読む方や意味、使い方のイメージが沸かないかもしれません。
「手懐ける」は、ネット記事や書籍で使われることもあるので、読み方や意味を知っておくことをおすすめします。また、「手懐ける」に似た言葉や、使い方を知っておくと、便利なこともあるかもしれません。ぜひ参考にしてくださいね。
「手懐ける」は「てなずける」が正解
「手懐ける」の読み方や意味を辞書で確認してみましょう。
▷【手懐ける】てなずける
1:動物などを、なつくようにする。「猛獣を―・ける」
2:面倒をよくみるなどして、味方に引き入れる。「部下を―・ける」
《デジタル大辞泉》©SHOGAKUKAN Inc.より引用
上記から、「手懐ける」の読み方は「てなずける」であることがわかりますね。「てなづける」ではありませんので、間違えないようにしてください。
また、「手懐ける」には2つの意味があります。「手懐ける」は、動物と人に対して使われますが、それぞれニュアンスが少し異なるため、違いを知っておくといいですね。
「手懐ける」の2つの意味をくわしく解説:動物編
「手懐ける」は、動物に対してよく使われていますよね。どのような意味があるのか、今一度確認していきましょう。
動物に対して使う「手懐ける」の意味は?
「手懐ける」を動物に対して使う場合は、「動物が自分に慣れ親しむ」「動物が自分に慣れて従うようになる」という意味になります。
たとえば、よく吠える犬を根気強く訓練し、結果的に犬が飼い主に従うようになったとすると、その人は犬を「手懐けた」ことになります。
また、小説や映画などでは、どう猛な怪物と戦い、最終的に自分の味方にしてしまうようなシーンで、「怪物を手懐けた」のように使われることがあります。
動物に対して使う場合の似た言葉には何がある?
動物に対して使う「手懐ける」と似た言葉には、次のものがあります。いずれも作品等でよく使われているため、覚えておくと語彙力強化につながります。参考にしてくださいね。
▷飼いならす(かいならす)
動物にエサを与えるなどして、自分に懐かせることを「飼いならす」といいます。この言葉も聞いたことがある人は多いのではないでしょうか? 「飼いならす」と「手懐ける」は、ほとんど同じ意味合いであり、明らかな違いはないとされています。
▷御する(ぎょする)
「御する」も似た意味合いを持つ言葉ですが、「御する」を使うのは動物では馬に対してです。意味としても、馬や馬車を巧みに扱えることを指すため、他の動物には使いません。「手懐ける」よりも、使える範囲や対象は限定的です。
「手懐ける」の2つの意味をくわしく解説:人間編
人間に対して使う「手懐ける」の意味も見ていきましょう。
人間に対して使う「手懐ける」の意味は?
人間に対して「手懐ける」を使う場合、「味方に引き入れる」という意味合いが強くなります。強制的に味方に引き入れるのではなく、面倒をよくみたり、世話を焼いたりして味方に引き入れることを指します。
人間に対して「手懐ける」を使う場合、「人を自分の都合よく動かす」「相手を思い通りに操る」という意味合いになるため、この言葉のイメージはよくないことが多いでしょう。
人間に対して使う場合の似た言葉には何がある?
人間に対して使う「手懐ける」と似た言葉は何があるかも見ていきましょう。
▷手玉に取る(てだまにとる)
手玉とは、曲芸に用いる玉やお手玉などのこと。子供がお手玉を巧みに使って遊ぶように、人を上手く操りながら、あたかもその人を道具や物であるかのように操るという意味合いで使われます。
▷誑し込む(たらしこむ)
人をだまして、自分の思い通りに操ることを指す言葉です。小説や映画などでは、詐欺師に対して使われることがあります。
▷丸め込む(まるめこむ)
「丸め込む」は、相手を自分の思い通りに操ること、相手を巧妙に言いくるめることを指します。捉え方や使い方によっては、相手を無理やり納得させるような意味合いも。
「手懐ける」の英語表現をそれぞれ紹介
「手懐ける」を英語で表現すると、どのような単語を使うのかもチェックしていきましょう。
対象が動物の場合
動物に対して使う「手懐ける」の英語表現は以下の通りです。
【tame】
tameには、「飼い慣らす」「野生の動物を従順にさせる」という意味があります。また、「野生の動物を手懐ける」のイメージから、感情を抑えたり、自然の力を制御して利用したりというニュアンスで使われることも。
対象が人間の場合
対象が人間の場合、英語表現はどう変わるでしょうか?
【win over to one’s side】
win overには「口説き落とす」という意味があります。この後に「to one’s side」をつけると、「人を説得して味方に引き入れる」というニュアンスが強くなるため、「手懐ける」に似たイメージになるのです。one’sには、主語にあたる人物名や代名詞が入ります。
最後に
「手懐ける」は「てなずける」と読み、「動物をなつかせる」や「人の世話を焼くなどして味方に引き入れる」という意味を持ちます。人間に対して使う場合は、「都合よくコントロールする」「操る」などの意味で使われることがほとんどです。「手懐ける」は日常会話ではあまり使いませんが、ネットの情報や書籍ではよく登場します。読み方や似た言葉を知っておくと語彙力強化になりますので、ぜひ覚えてくださいね。
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