今回は「局アナをやめる」をテーマに
局アナをやめる、というともちろんフリーアナウンサーになって会社を超えて活躍する、という形もありますが、最近は研究職や、絵本作家など、「より専門性の高い場所へ」というのがキーワードになっているな、と個人的に感じています。
この春、篠原アナがゲームキャスターに転身
日本テレビからはこの3月いっぱいで、5年務めた篠原光アナウンサーがeスポーツ実況を中心としたゲームキャスターへと転身しました。
『ZIP!』や『ヒルナンデス! 』などの番組を担当していましたが、いつもニコニコと穏やかで、出演者の方にもいじられたり、つっこまれたりと愛されていた篠原アナ。私が『ZIP!』総合司会を担当していたころ、篠原アナが新人アナウンサーとして『ZIP!』にきました。
▲篠原アナウンサーと。送別会がてら焼肉を食べました!
朝番組というのは特殊な時間に仕事が終わることもあり、番組後にはアナウンサーみんなでごはんを食べることが多いのですが、当時もみんなで朝からラーメンを食べたり、ケーキを食べたり。そんなオフの時間にも、放送された自分のリポートに対してフィードバックを求めるなど、向上心があり、メキメキと成長していきました。
寂しいけれど、篠原アナの活躍を応援しています!
日本テレビに5年勤めて、まだまだこれからという時に、もったいない…! なんて思う方もいらっしゃったかと思います。ただ私はこの話を聞いた際に、一緒に働けない寂しさはありますが、背中を押したいと感じました。というのも、篠原アナの今後のビジョンがとても明確で、やりたいこと、やるべきことがはっきりしていたからです。
ゲームが大好きで、ゲームの世界大会がいかに熱気があるか、よく目を輝かせながら話をしてくれていました。これからさらに盛り上がっていくゲームの世界を、一視聴者としてただ見ているのではなく、伝え手として共に盛り上げていきたい、という強い思いを持って巣立っていく後輩の背中は、とても頼もしく見えました。これまで培ったスキルと、彼自身の人柄もあり、きっとゲームキャスターとしても大活躍するのだろうなと、楽しみにしています。
私が目指すのは「浅くても広く、時折深いオールラウンダー」
篠原アナのように、やりたいことを「深く深く」突き詰めていきたい、専門性を高めたい、という働き方は、局に勤めるアナウンサーにとっては難しくなることもあります。
思うに、局アナというのは、なんでもできることが望まれます。会社員ですので、仕事の選り好みはできませんし、一日8時間の勤務時間を自分の望み通りに完璧にアレンジすることはできません。与えられる仕事に応えていくなかで、使い勝手の良いユーティリティプレーヤーにならざるをえないところがあります。
▲先日のアナウンサーが多く集まった特番のリハ中に。
私自身も、入社以来、上司とのキャリア形成に関する面談で、よく「アナウンサーとしての能力をレーダーチャートのようなグラフ化するとしたらバランスの良い多角形を描きたい」と話してきました。
レギュラー番組が情報・バラエティー・スポーツ・報道、と数年ごとに変わっていたこともあり、苦手を潰してなんでも任せられる存在に!と意気込んでいました。一方で、アナウンス部にたくさんのアナウンサーがいる中で、仕事のオファーを受ける“個人商店”として考えると、何か“強み”がないと、誰でもいい仕事しかできなくなってしまいます。
守備範囲を広げつつ、ひとつでも「これは徳島に」というものを作る。「浅く広く」ではなく、「浅くても広く、時折深いオールラウンダー」というのを、目指しています。
▲そろそろ衣装も半袖のものが出てきました。