よく耳にするブレンドコーヒーって何…?
▶︎前回記事:コーヒー選びにもう迷わない! 産地による味の違いを知ろう
前回、コーヒーはお米と同じように産地によって味わいが異なることをご紹介しました。このような産地別のコーヒーのことを「ストレートコーヒー」と呼んでいます。
一方で、カフェや喫茶店のメニューでよく目にする「ブレンドコーヒー」。この「ブレンド」の意味は知っていますか? 「ストレートコーヒー」と何がどう違うのでしょうか。
◆ストレートコーヒー
ストレートとは、特定の農園や共同組合からの単一産地から収穫したもので、コーヒー豆本来の味わいを楽しむことができます。「シングルオリジン」や「単一農園」などと呼ばれることもあります。
◆ブレンドコーヒー
複数の産地のコーヒー豆を、割合を決めて配合したものを「ブレンド」と言います。ストレートだけでは出せない「風味」を作り出すことができるのが特徴です。
ここでは、ブレンドコーヒーを深掘りしていきます。
ブレンドコーヒーの魅力は?
◆好みの風味、新しい風味を作れる
ブレンドコーヒーは、コーヒー豆の産地や配合の割合によって無数のパターンを作ることができます。それぞれのコーヒー豆の持ち味を生かしながらブレンドすることによって、新しい風味や味わいを生み出すことができるのが魅力。
ただし、種類が多すぎるとバランスが崩れてしまうことも…。そのため、一般的にブレンドする際は3種類、多くても5種類程度で作られることが多いです。
何十種類もあるコーヒーの味わいを記憶していなければ作れない、「プロだからなせる技」とも言えるでしょう。
◆品質や価格を維持・安定させることができる
コーヒーは農産物なので、気象条件や土の状態によって味のばらつきや価格の変動がつきもの。
そこでブレンドコーヒーは配合を少しずつ変えることで、調和のとれた味わいや品質を維持したり、価格を安定させたりすることができます。いつでもおいしいコーヒーを楽しめるのもブレンドコーヒーの良さのひとつです。
意外と知られていない! ブレンドの定義
例えば、画像の「ブルーマウンテンブレンド」のように、「○○ブレンド」と産地名が書かれているのを見たことはありませんか? 実は、日本では特定産地のコーヒー豆が30%以上ブレンドされていることを条件に産地名を表に入れてもOKという決まりがあるのです※。
※参考:コーヒー公取協規約及び同施行規則/改訂案|製造・流通・輸入業者などによる業者団体・コーヒー協会
パッケージの裏側にこのような表記があれば、ジャマイカのブルーマウンテン産の豆が30%以上使われている、ということ。「コーヒーの王様」とも言われているブルーマウンテン。ブレンドすることによって、苦味・酸味・コクが見事に調和した品格のある味わいを楽しむことができます。
ぜひお店でブレンドコーヒーを買った際にはチェックしてみてくださいね!
* * *
次回は、「カフェでよくみるコーヒーメニュー」の用語を解説します♡
TOP画像/(c)Shutterstock.com
UCCコーヒーアカデミー専任講師 村田果穂
優れた抽出技術を競う「ジャパンブリュワーズカップ2014/2015」にて準優勝した経験を持つ。ほか、世界各国で開催される、もっとも優れたスペシャルティコーヒーの味わいを評価する品評会「カップオブエクセレンス」で国際審査員なども務めるなど、抽出技術はもちろん、優れた味覚・嗅覚の持ち主でもある。
保有資格:UCCコーヒーアドバイザー、(アメリカ)CQI認定Qアラビカグレーダー、(コロンビア)マイルドコーヒークオリティコントロールスペシャリスト、COE国際審査員