雑穀米はダイエットに効果的?
「主食以外に利用されている穀物」の総称・雑穀。
ひと言で雑穀といっても、その種類は豊富で、粒が小さいあわやきび、ひえ、アマランサス、キヌア。粒が大きい押し麦、はと麦、もち麦、そば米、黒米、赤米、黒豆など、ほかにもまだまだたくさんの雑穀が存在します。
そして、今回のテーマでもあるのが“雑穀米”。雑穀米というのは、白米に雑穀を混ぜ込んだ主食のこといいます。ビタミンやミネラル、食物繊維、フィトケミカルなどを豊富に含む雑穀を、いつもの白米に混ぜるだけで、栄養価をグッと底上げすることができるため、雑穀米を主食にする方も多いのです。
また、インターネットで雑穀米と検索すると、“ダイエット”という単語が上位にあがってくることから、「ダイエット目的で食べている」という方もいるでしょう。
では、実際のところ、雑穀米はダイエットに効果的なのでしょうか?
雑穀米がダイエットにいいと言われる理由
●食物繊維が豊富
食物繊維には、腸の働きを整えて、腸内のコレステロールなどを体外に排出したり、糖の消化・吸収を抑制して血糖値の急上昇を抑えたりする働きがあります(水溶性食物繊維)。また、胃の中で膨らむので、食べ過ぎを防いで肥満を予防する(不溶性食物繊維)など、ダイエットや便秘解消のほかにも幅広い健康効果に期待できます。
●食べ応えがある
雑穀には、つぶつぶ・プチプチとした食感を楽しめるものが多く、食べ応えがあります。それに加えて、白米よりも咀嚼回数が増えることで満腹中枢が刺激されて、満足感・満腹感を得やすくなるのです。
ダイエットにおすすめの雑穀
次は、ダイエットに効果的な雑穀について。
結論から先に言うと、それぞれの雑穀にもカロリーや糖質があるうえに、白米に混ぜて炊飯することから、雑穀米そのものがダイエットに直接的につながるということではありません。
ですが、便秘やむくみの解消、糖質・脂質の代謝に働くさまざまな栄養を含むこと、ダイエット中に不足しがちな栄養(筋肉量を維持するたんぱく質など)を補ってくれること、はたまたしっかりと噛んで食べるようになることから、“ダイエットのサポートに役立つ”と言うことができるでしょう。
例えば…
●食物繊維が豊富な雑穀… 押し麦、もち麦、たかきび、アマランサス、キヌア
●ビタミンB1、B2が豊富な雑穀… あわ、アマランサス、キヌア、そばの実
●粒が大きくて食べ応えがある雑穀… 押し麦、はと麦、もち麦、黒豆、黒米、赤米
このあたりは、ダイエット向きの雑穀に分類することができるでしょう。
なかでも、テレビ番組で取り上げられたこともある“もち麦”は、近年、ダイエットが気になる方のあいだでも注目が集まっている雑穀です。
もち麦って、こんな雑穀
もち麦は、テレビの情報番組で取り上げられて以降、人気が集中している雑穀のひとつ。
世界中で広く栽培されている大麦の“もち種”の雑穀で、粘りとコシが強いことから、九州地方の一部では、昭和初期までもち米の代用品として栽培されていたと言われています。
食感はもちもち。風味は香ばしくて、白米に混ぜても美味しく食べやすく、栄養面では食物繊維が豊富で、押し麦の約1.5倍。
特に注目したいのが、“β-グルカン”で、腸内に存在する体内の不要物質を排除し、腸内環境を整える働きを持つほか、糖の吸収を緩やかにすることで、食後血糖値の上昇を抑えたり、内臓脂肪を減少させたりする効果に期待されています。
近頃では、スーパーやネットストアなどでも大袋入りのもち麦を見かけることが増えただけでなく、コンビニエンスストアでももち麦が使われたおにぎりが売られていたりするため、身近な雑穀だと言うことができるでしょう。
価格も、雑穀のなかでは比較的安価。頻繁に、継続的に取り入れたいという方にもおすすめです。
雑穀米ダイエットのやり方が知りたい!
最後に、「雑穀米ダイエットのやり方」についてお話していきたいと思います。
先にお伝えしたように、雑穀米を食べることがダイエットに直接的につながるというわけではないのですが、食物繊維の摂取やよく噛んで食べることでの間接的なダイエット効果には期待することができます。
そこで、大事になってくるのが、雑穀米を“食べ慣れること”。それから、“継続的に食べること”。
雑穀米を食べ慣れる&継続的に食べるためのステップ
まずは、雑穀米を食べ慣れることからスタートしましょう。
【1】雑穀米を食べ慣れていない方や、あまり得意ではない方は、白米に「少数の雑穀を少量混ぜて炊く」ところからスタート。あわやきび、ひえなどは、粒が小さくて煮えやすく、白米の色・見た目・味を大きく変えることがないため、雑穀スターターの方でも取り入れやすいでしょう。
【2】雑穀米に少し慣れてきたら、市販のミックス雑穀を使ってみるのもいいでしょう。十六穀米、十八穀米といった複数の雑穀がミックスされたものを選べば、手軽により多くの栄養を補うことができます。白米2~3合分用の個別包装になったタイプのものなら、鮮度を保ったまま1度で使い切ることが可能です。
※食べきれなかった雑穀米は、ラップで包んで冷凍庫で保存しましょう。
【3】毎日、雑穀米を食べる習慣が身についたら、個別包装タイプの雑穀よりも、大袋入りの雑穀のほうがコスパが高いでしょう。好みの雑穀や配合を見つけてみるのも楽しいですし、もち麦や大麦を大袋で購入すれば、3割麦ご飯や5割麦ご飯にしたりすることもできて、食物繊維をたっぷり取りたいときにもおすすめです。
※3食すべてを雑穀米にする必要はありません。
「この期間で、これだけスッキリした」という言い方はできませんが、継続して雑穀米を食べることで、期待できる効果・メリットは多岐にわたります。
体の様子を観察しながら、自分に合った取り入れ方をしてみてくださいね。
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ヨガインストラクター/発酵食品ソムリエ 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀スーパーフードマイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと、執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
Instagram:@saori_takagi