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この記事のサマリー
・「そうなんですね」は丁寧語です。
・「そうなんですね」の連続使用は、興味が薄い印象を与えることがあります。
・共感を示したいときは「それは大変でしたね」など一言添えると効果的です。
職場での会話やメールで「そうなんですね」と返したあと、「この表現で失礼になっていないだろうか…」と迷った経験はありませんか? 一見丁寧に聞こえる言葉ですが、使い方によっては素っ気なく受け取られることがあります。
本記事では、「そうなんですね」が敬語として適切かどうかを確認し、場面別の言い換え表現や英語表現を整理して紹介します。
相手に寄り添った相槌を選ぶヒントとして活用してください。
「そうなんですね」は敬語として正しい?
「そうなんですね」は、日常会話からビジネスまで幅広く使われる相槌の表現です。
ここでは、「そうなんですね」の文法的な構成と敬語としての位置づけを確認し、使用に適した場面や注意点を整理します。
「そうなんですね」の文法構造
「そうなんですね」は、「そう」+「なのです」+「ね」の3つの要素から成り立っています。
「そう(様子・伝聞)」+「なのです(丁寧な断定)」+「ね(共感や確認)」
「なのです」は「なのだ」を丁寧にした言い方で、丁寧語に分類されます。文末の「ね」を加えることで、柔らかさや、親しみのある印象を与えています。
「そうなんですね」は丁寧語に分類される表現ですが、「尊敬語」や「謙譲語」にはあたりません。相手や場面に応じて、さらに丁寧な言い回しに言い換えるといい場合もあります。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「そうなんですね」が冷たく聞こえる理由と対策
「そうなんですね」は丁寧な表現ですが、繰り返し使うと単調になり、「関心がない」「冷たい」といった印象を与えることがあります。特にメールやチャットでは声のトーンや表情が伝わらないため、なおさら注意が必要です。
そんなときは、相手への共感や理解を示すひと言を添えると、印象が大きく変わります。
例:「そうなんですね。それは大変でしたね」「そうなんですね。勉強になります」
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

「そうなんですね」の言い換え表現
相槌の表現は、相手との関係性や場面に応じて使い分けることが大切です。ここでは、「そうなんですね」の言い換え表現を紹介します。
「左様でございますか」「おっしゃる通りです」
改まったやりとりでは、「左様でございますか」が丁寧な相槌として適しています。「左様」は「そのとおり」という意味で、電話対応や取引先との会話にも使えます。
また、相手の発言に賛同する場面では「おっしゃる通りです」も有効です。
ただし、これらの表現を繰り返し使いすぎると堅苦しい印象になるため、他の言い回しと使い分けるといいでしょう。
「なるほど」「たしかに」
同僚や親しい相手との会話では、「なるほど」「たしかに」などの表現が適しています。これらは相手の言葉に対して同意する気持ちを表す言葉として、会話で使いやすいフレーズです。
さらに、「それは知らなかったです」「そういうことだったんですね」と続けることで、会話の流れを広げたり、共感を伝えたりすることもできます。
メールではクッション言葉と丁寧な結びを添えて
メールやチャットで「そうなんですね」だけを返信すると、簡潔すぎて素っ気なく見えることがあります。以下のような、感謝、同意を伝え、さらに次の行動を簡潔に添えるのがポイントです。
例
「そうなんですね。ご教示いただき、ありがとうございます」
「そうなんですね。確認の上、対応いたします」

英語で「そうなんですね」を表すには?
「そうなんですね」に相当する相槌は、言語によって表現が異なります。ここでは英語表現を紹介していきましょう。
英語での言い換え|”I see.” “I understand.” などの使い分け
“I see.” は理解を示す基本的な相づちとして、日常会話からビジネスシーンまで幅広く用います。
A:“The bus doesn’t run on Sundays anymore.”
(あのバスはもう日曜日には運行しないんだよ。)
B:“Oh, I see. I’ll take the subway then.”
(ああ、なるほど(分かった)。それなら地下鉄に乗るよ。)
“I see.” はカジュアルな印象があるため、やや丁寧に伝えたい場合は “I understand.” が適しています。
A:“We need to postpone the deadline until next Friday.”
(締め切りを来週の金曜日まで延期する必要があります。)
B:“I understand. I will inform the team immediately.”
(承知いたしました(理解しました)。すぐにチームに伝えます。)
メールでは、以下のように感謝の言葉を添えると、丁寧な印象になりますよ。
“Thank you for the information. I understand.”
(情報ありがとうございます。承知いたしました。)
参考:『ランダムハウス英和辞典』(小学館)

「そうなんですね」に関するFAQ
ここでは、「そうなんですね」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「そうなんですね」を目上の人に使っても失礼になりませんか?
A. 失礼にあたるとは限りませんが、重要な報告への返答としては避け、「左様でございますか」「承知いたしました」といったより敬意の高い表現を使う方が安全です。
Q2. 連続で「そうなんですね」を使うのはなぜNGなのですか?
A. 単調で、関心がない印象を与えるためです。話を聞いている姿勢を示すには、「なるほど」「勉強になります」といった他の表現も混ぜて使いましょう。
Q3. 「そうなんですね」をより丁寧に言い換えるにはどうすればいいですか?
A. 「左様でございますか」と言い換えることができます。
最後に
「そうなんですね」は、相手への共感と理解を示す、非常に便利な相槌の表現です。しかし、その便利さゆえに、使用する場面や相手によっては、「カジュアルすぎる」「単調で冷たい」といった誤解を生むリスクも持っています。目上の方に対しては、「左様でございますか」などの表現を使い分ける配慮が必要です。
ぜひ、状況に応じた表現の使い分けに役立ててください。
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