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離婚について
3人に1人が離婚しているといわれる日本。離婚経験者の多くは、「結婚するときより離婚するときの方がよほど大変だった」といいます。これまで築いた関係や生活を全てリセットすることに加え、離婚理由となった問題に立ち向かい解決に導くこと、気持ちが離れた価値観の異なる相手と財産や親権について話し合っていかなければならないことはとても大変なことです。
離婚理由ランキング。一番多い離婚理由は?
令和2年の司法統計を参考に、申立人別による離婚の動機は以下のようになりました。
<夫が申し立てた場合>
1位:性格が合わない… 9240件
2位:精神的に虐待する… 3159件
3位:異性関係… 9240件
4位:家族親族と折り合いが悪い… 1964件
5位:浪費する… 1883件
<妻が申し立てた場合>
1位:性格が合わない… 16304件
2位:生活費を渡さない… 13235件
3位:精神的に虐待する… 10948件
4位:暴力を振るう… 8576件
5位:異性関係… 6505件
※「その他」は除く
離婚理由「モラハラ」
男女とも離婚理由として上位に上がっている「精神的に虐待する」。これは、精神的(倫理的)な攻撃や暴力などによる嫌がらせ=“モラハラ”のことを指します。モラハラにあたる行為としては、相手のことを罵倒したり見下したり、「お前は馬鹿だ、ダメだ」と相手を全否定することや理由もなく無視を続けること、相手の友人や家族を馬鹿にしたり蔑んだりすることなどがあります。
機嫌の良いときや自分の思い通りにことが進んでいるとモラハラ行為はしませんが、少しでも気に入らないことがあると精神的に相手を責めたり、自分がいかに優っていて相手がいかに劣っているかを解こうとしたりします。
離婚理由「性格の不一致」
性格の不一致はいわゆる価値観の違いと考えることもできるでしょう。ほかにも、生活習慣の違いや趣味、興味のあることが違うなども考えられます。
性格の不一致による離婚には「最初からわかったことだろう」と思えるようなものもあれば、結婚してから夫婦関係に変化が生じてしまった場合や、子供が生まれるなどライフスタイルの変化によって夫婦の考え方が変わってしまったなどの場合もあります。
離婚理由「お金問題」
結婚生活にお金は欠かせない問題です。浪費癖やギャンブル、生活費を入れないといった問題から、多額の借金を背負った(背負っていた)などもあります。恋愛はお互いの“好き”という気持ちだけで成立しますが、結婚となれば“生活”が関係します。お金の問題は深刻なもので、夫婦で納得のいくお金の使い方ができていなければ離婚の理由として十分成り立ちます。
離婚理由がない場合は?
離婚を選択する夫婦のなかには、DVや不倫、お金の問題といった決定的な理由がないこともあります。離婚理由がないとはいえ、夫婦としてやっていくのは難しいと判断した場合、離婚は成立します。どちらにも明らかな非がない場合には慰謝料は発生しないので慰謝料を請求する権利も当然認められません。
しかし、協議離婚などの場合、離婚の条件は当事者同士で自由に決めることができるので、話し合いを通じて慰謝料に変わる「解決金」が発生する場合もあります。
どのような離婚理由であっても財産分与と、子どもがいる場合には親権の問題については話し合う必要があります。
離婚したほうがいい夫婦の特徴
夫婦のかたちはさまざまにあるため、離婚した方がいいというのは精神的な理由などを除き、一概には言えません。この章では、あえて離婚したほうがいい夫婦の特徴をピックアップしてみます。
◆仮面夫婦
夫婦の気持ちが離れている、家庭内で会話がなく生活しているだけといった仮面夫婦状態の場合は離婚した方がいいといえます。気持ちが離れていないのなら夫婦関係を再構築できる可能性もありますが、気持ちが離れているのに義務感や離婚するのが面倒くさい、子供のために我慢しているなどの場合は夫婦関係を継続してもいいことはあまりありません。
◆夫・妻といることが苦痛、怖い
夫または妻と一緒にいると苦痛を感じたり、恐怖を感じたりする場合にはできるだけ早く離婚を考えた方がいいでしょう。離婚することは簡単なことではありませんが、日々の生活の中で苦痛を感じているということは精神衛生上良くありません。
◆子どもやペットに危害が及んでいる
暴力やモラハラ、金銭的な問題など、結婚を続けていくのが難しい理由があっても「私が我慢すればいい」と考える人もいます。
しかし、子どもやペットなど立場の弱いものに対しても向けられているときには物理的に離れて安全を確保することが大切です。今は少々強い言葉や態度であっても、いつエスカレートするかわかりません。「さすがにそこまでしないだろう」と思ってしまうものですが、エスカレートしないという保証はどこにもないのです。
自分を守るのも、子どもやペットなど自分で自分を守ることができない弱い立場の存在を守るのも自分自身です。
最後に
離婚はとても労力のいることですが、離婚することで新たな人生が始まるとも考えられます。
離婚を具体的に進める場合は、信頼できる人や離婚経験者、弁護士など専門家に相談して進めるのも良い方法といえます。
参考:第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別 司法統計 裁判所
ライター/コラムニスト コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。
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