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そもそも「記憶力」とは?
楽しかった思い出や、ためになった経験、大切な人との出会いなど、生きていく上で覚えておきたい記憶はたくさんあります。そういった物事や出来事を覚えておくために必要なのが「記憶力」です。まずは、「記憶力」の言葉の意味からおさらいしてみましょう。
「記憶力」の意味
「記憶力」とは、言葉の通り「物事や過去の経験を覚えておく能力」のことです。一般的には、過去の経験や物事を保持、再生することを「記憶」と呼びます。
人の「記憶」は、「時間や空間など個人の生活史的な記憶」、「一般常識や概念的な知識の記憶」、「社会的な出来事の記憶」の3分野に分けることができると言われており、意識や知能などの心的な機能によって「記憶」が行われているのだとか。
「記憶」は、心理学や神経科学、臨床医学など多数の分野において研究されている事象でもあります。脳内の海馬と側頭葉、乳頭体と視床の内側が「記憶」と深くかかわっていることが、実験から解明されています。
「アスペルガー症候群」とは?
「アスペルガー症候群」という言葉を知っていますか? 「アスペルガー症候群」とは、「自閉症」と似た特徴を持つ、発達障害の一種です。「自閉症」との違いは、話し言葉の発達には遅れがないこと。
「アスペルガー症候群」の人は、社会性や行動、興味の幅は限定的かつ反復的という点で「自閉症」と似た特徴を持ちますが、知的障害はほとんどないと言われています。
「記憶力がない」のは「アスペルガー症候群」だから?
「アスペルガー症候群」の特徴のひとつに「記憶力がない」ということが挙げられることもしばしばあることから、自分は発達障害なのではないかと不安に思う人もいらっしゃるかもしれません。
それは、「アスペルガー症候群」の人が持つ、集中力の高さが原因だと言われています。「アスペルガー症候群」は、興味の幅が限定的な分、興味のあることや得意なことに関しては類まれな才能を発揮することも。一つのことに集中しすぎて、他の情報が入ってこなくなることから、言われたことを忘れてしまうことがあるのです。そのため、「記憶力がない」と言われたりします。
反対に、得意な事柄に対してはこだわりが強いので、抜群の「記憶力」を発揮することも。興味のある分野とそうではない分野で両極端の「記憶力」を発揮してしまうといえるかもしれませんね。
「アスペルガー症候群」の特徴
では、「記憶力がない」人はすべて「アスペルガー症候群」なのかといわれると、そうとも限りません。「アスペルガー症候群」には、他にもいくつかの特徴があります。例えば、「人とのコミュニケーションを取ることが苦手」「こだわりが強い趣味を持っている」など。あくまで一例なので、不安がある人は、一度専門家に相談するのがおすすめです。
「記憶力がない」人の特徴とは?
次に、「記憶力がない」人の特徴について紹介します。「記憶力がある」人と「記憶力がない」人にはどのような違いがあるのかを考えながら、見ていきましょう。
1:面倒くさがりな性格
約束や出来事をすぐ忘れてしまう…。それは本当に「記憶力がない」のでしょうか。実は、面倒くさがりな性格が影響しているかもしれませんよ。
約束を忘れないためのチェックやメモを面倒くさがってやらない人は、きちんと管理している人と比べて忘れやすくなっているはず。
2:同じミスを繰り返す
「記憶力がない」人は、以前にしたミスを再びしてしまうことが多いです。なぜミスをしたのか、どうしたら同じミスをしないようにできるのかまで忘れてしまうため、繰り返してしまいます。
3:物事に無関心
「好きこそのものの上手なれ」という言葉がありますが、好きだからこそ熱意を持って取り組むことができるし、覚えておこうと「記憶力」も働きます。しかし、その物事に対して関心がないと、やる気も起きませんよね。
そのため、「記憶しよう」という気持ちがなく、すぐに忘れてしまうのです。例えば、興味のない分野の単語を、テストのためだけに覚えようとしても、なかなか覚えられないですよね。
「記憶力がない」理由とは?
ビジネスシーンにおいて、仕事の手順や人の顔が覚えられないと苦労することも多いでしょう。メモを取るなどの努力をしてもなかなか「記憶」できない… という人は、以下のような理由が原因かもしれません。
1:生活習慣が乱れている
睡眠不足や、偏った食生活などの生活習慣の乱れは、「記憶力」を阻害すると言われています。特に睡眠は、「記憶力」を高めるのに非常に重要な要素です。人間の脳は、睡眠を取ることで経験や覚えたことを脳に定着させたり、記憶の整理を行ったりします。
そのため、生活習慣が乱れると「記憶」の固定が行われず、忘れやすくなってしまうのです。
2:過剰なストレスを感じている
ストレスを感じると、「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。「コルチゾール」とは、身体のさまざまな機能を低下させるホルモンで、「記憶」において重要な脳の機能も低下させてしまうのだとか。
「記憶力がない」ことへの効果的な対処法を紹介!
「記憶力がない」人の特徴や原因を紹介しましたが、無関心なものに興味を持てというのもなかなか難しい話。では、覚えておかなければならないことをどのようにしたら「記憶」させやすくなるのでしょうか。
最後に、「記憶力がない」ことへの効果的な対処法を紹介します。
1:興味のあることと結びつける
どうしても覚えられない時は、自分の興味のある事柄に結び付けてみると覚えやすくなりますよ。例えば、「これは、あの漫画に登場していたな」というように関連付けることで、新しい情報を取り込んでみてください。
2:他者に説明する
自分で覚えたり、理解したつもりになっていても、いざ思い出そうとするとなかなか難しかったりします。他者に説明する習慣をつけることで、理解も深まりますし、「記憶」として定着させやすくなるのではないでしょうか。
3:生活習慣を見直す
先述したように、生活習慣と「記憶力」は密接に関わっています。また、最近の研究では、ビタミンB群の不足によって「記憶力」が低下することも分かってきました。ビタミンB群は、豆類や、豚肉、レバーに多く含まれているようです。十分な睡眠時間を確保し、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
最後に
「記憶力」を高めるためには、睡眠や食生活を見直したり、積極的にアウトプットしたりすることが大切です。「記憶力がない」と悩んでいる方は、ぜひ本記事を一つの参考にしてみてくださいね。
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