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2022.08.04

妊娠初期の出血。心拍は確認できず、流産へ移行している可能性も…<30代の不妊治療vol.108>

妊活歴が3年目に突入した主婦ライター・34歳クロサワキコの不妊治療体験レポ Vol.108。夫の精索静脈瘤の手術や人工授精、体外受精とステップアップを重ねていくなかで感じてきたリアルな本音をお届け。今回は、奇跡の自然妊娠をして喜んでいたのも束の間、医師からつらい説明を受けた話。

妊娠7週目の検診【30代からの不妊治療】

妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。

前回は、メンタルが不安定ななかで診察をしてもらったときの話をお届けしました。今回は、体外受精の採卵後、奇跡の自然妊娠をして喜んでいたのも束の間。医師からつらい説明を受けた話。

心拍確認はできるのか?

(c)Shutterstock.com

前回、胎嚢確認後に不正出血をしてしまい、急きょ病院を受診した話をしましたが、そのあとも結局おりものに茶色い経血が混ざる状況が改善することはありませんでした。それどころか、妊娠7週目の検診の前日、血が赤くなったのです。

「どうしよう、出血が赤くなってきちゃって…。古い血じゃなくて、今出てる血かも」

「え…? 病院行く?」

「明日、検診なんだよね。量が多いわけじゃないからもう少し様子を見ようかな」

「心配だな」

「うん、でも妊娠初期ってできる治療はないって先生言ってたし、横になっておくね」

なるべく冷静に、冷静に、と落ち着こうとするものの、もう仕事なんて手につかないし、頭のなかは大パニック。関係がないと言われても、相変わらずつわりがないことも不安でした。

ベッドで横になりながらひたすらネット検索。もう妊娠7週目だから、明日の検診では心拍が見えないとまずいのか…。不安な気持ちで眠れない夜を過ごしました。

「確定診断はできない…」医師から告げられた検診の結果

(c)Shutterstock.com

妊娠7週目の妊婦検診。初診のときと同じN先生でした。

医師「こんにちは。クロサワさん、ごはん食べられてます?」

「はい…。つわりがなくて…。先週から出血もあって、K先生に一度診察して頂いたんですけれど、昨日から茶色かった血が赤くなってしまって…」

話をしているうちに、張り詰めていた糸が切れて涙が出てきてしまいました。

医師「そっかそっか、ひとまずエコーでおなかの様子を見てみようか」

「はい…」

先生がカーテンの向こうでエコーの準備をして、私の乗った内診台が上へあがっていく間、たまらず質問をしました。

「先生、私ネットでいろいろ調べてしまったんですけれど、今日もし心拍の確認ができなかったら、けっこうまずいんですよね?」

医師「う~ん…」

短い沈黙。そうなんだなと感じました。

医師「大事なのは成長の度合いかな。排卵日がズレててあとから心拍が見えるということもありますから。心拍が見えれば最高ですけどね。じゃあ機械が入りますね」

モニターに映し出された胎嚢。1週間の変化ってどのくらいが正常なんだろう? じっと見つめながら、N先生からの説明を待ちました。

医師「今ね、胎嚢のなかに白いリング状の影が見えると思うんだけど、これが卵黄嚢と呼ばれるものです。卵でいう黄身の部分だと思ってください」

「心拍は…?」

医師「まだ見える段階ではなさそうですね。でもちゃんと変化はあります。先週と比べて大きくなっているのですが、詳しいことはこのあと説明しますね」

「え…」

N先生の雰囲気で、状況が厳しいことを感じました。内診台から降りてカーテンのなかで身支度を整え、診察室の中へ戻ろうとしたのですが、その瞬間も涙がぽろぽろと落ちて唇をぐっとかみしめました。説明を一人で聞くのがつらい。でもどうにもなりません。大きく深呼吸をして、カーテンをあけました。

医師「先週よりも大きくなっていましたね。今日のエコー写真です」

「ありがとうございます」

医師「前回よりちゃんと変化があるからね」

「あの…、私…」

そう言いながら、やっぱり我慢できずに泣いてしまいました。

医師「大丈夫?」

N先生がデスクにあったティッシュをくれました。

「すみません。本当は排卵の日だけじゃなくて、タイミングをとった日とかも自分でなんとなくわかっていたから、そこからカウントすると今日は7週じゃなくて8週なんです。だから、先生のおっしゃる排卵のズレっていうのはそんなに可能性としてないなというのが自分でわかっていて。だから、心拍が見えないとかなり厳しいのかなと思ってしまって…」

医師「そうだったんだね。今、胎嚢の成長は確認できるので、この段階で確定的な話はできないんだよね」

文字で伝えるのは本当に難しいのですが、このとき先生の表情や口調から、この妊娠の継続が難しそうなニュアンスを読み取ってしまいました。それでますます涙が止まらなくなる私に、N先生がゆっくり説明を続けました。

医師「あまり脅かしてしまうのもよくないんだけれど、今エコーをしていたときも赤い出血がけっこうあって、その出血が妊娠初期によくある心配のない種類のものなのか、流産へ向かっているときに起こるものなのか、今の時点ではわからないんです。だから来週もう一度みて、そこでまた成長していてちゃんと心拍まで見えると一番いいんだけれどね」

「先生から見て、この2週間の成長の速度ってどうなんですか?」

医師「ゆっくりではある」

「…」

医師「だからといって、今の段階で流産という確定診断はできないんです…」

「…」

医師「次回のエコーをしたときに大きさをみて、変化がなければそこで確定ということになります」

「…」

もう言葉が出ませんでした。涙がどんどんあふれてきて、下を向きながら、先生から言われた言葉の一言一言を聞き洩らさないようにするのに必死でした。泣きながら、胸がつまって苦しかったです。

自然排出を待つか? 手術を受けるか? 流産してしまった場合のスケジュール

(c)Shutterstock.com

医師「ずっとうちのリプロで不妊治療を頑張っていたんですものね」

「…」

私のカルテを見ながら語りかけてくれるN先生。私は返事もできず、ますます泣いてしまうばかり。待ち望んで、待ち望んで、体外受精の移植を控えていたタイミングでまさかの自然妊娠をして、奇跡みたいな展開に夫と大喜びしていたのに。ほんの数週間前までのいろんな光景が蘇ります。

不妊治療中、一生懸命スケジュールを調整しながらいつも付き添ってくれていた夫の姿を思い出しました。このあと私はどうなっちゃうんだろう? さんざんネットでいろんなことを検索していたけれど、まさか自分が流産するかもしれないなんて思ってもみなかった。ここから先のステップもわからないことだらけ。声を絞り出すように質問をしました。

「先生、このあと、おなかの子供がもし残念なことになったらスケジュールってどうなるのでしょうか?」

医師「うん、そのときはまずね、自然排出をするか手術をするかを決めなければならない。自然に出てきてしまった場合は手術をしなくて済むというメリットがある。でも、いつ出てくるかはわからない。不妊治療をされている方だと、早く次のステップに進みたいという理由で手術を選んで、次の生理までの期間を短くするという方法を選ぶ人もいるけれど、その場合は日帰り入院という形になる。そして、手術をすることで子宮内膜が薄くなってしまう可能性があって、その場合少し妊娠しづらくなるかもしれないということがデメリットとしてある」

「自然排出って、いつ出るか全然わからないものなのですか?」

医師「うん。でも2ヶ月くらいあればだいたい出て来てくれるかな。今回はすでに結構出血がはじまっているから、もしかしたらそう遠くないかもしれない」

「…」

1日でも1秒でもいいから、お腹の子と一緒にいたいと思いました。説明を聞いている間、頭では冷静に受け止めつつ、目からはどんどん涙が。心と体が離れてしまっていくかのような感覚。もし来週、確定診断がくだされたとき、どっちにするか決めておかねばならないんだ。最悪の事態を想定するだけでもつらいのですが、診察室を出たらこの話を夫にするということが、このときの私にはけっこうきつかったです。コロナ禍という状況で仕方ないとはいえ…。

手元のエコー写真を見つめながら、泣いて、泣いて、泣いて。ここは病院だから、人目もあるから落ち着かなければ、と自分を必死で律して、このあと診察室を出たところまではなんとなく覚えているのですが、記憶が途切れ途切れに…。

「心拍が見えなかった」とだけ夫にLINEしたこと、看護師さんに付き添われて病院のエレベーターに乗ったこと、ロビーで夫の顔を見たら、目の前の世界が崩れてしまうかと思うほど泣いてしまったことなど、断片的な光景しか覚えていません。まだ“流産”という確定診断がでたわけではないという話も夫にしたのですが、夫は私の様子を見てすべてを察したようでした。

でもここから、私と夫が向いている方向が少しずつ、微妙な角度をつけてずれていってしまったのです。次回は、もし流産の確定診断がくだされたとき、手術をどうするか事前に夫と相談した話をしたいと思います。

これまでの記事▶︎不妊治療体験レポ

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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クロサワキコ

34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。


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