成長がゆっくり…【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、自然妊娠発覚後、おりものに茶色い血が混ざっていたときの話をお届けしました。今回は、メンタルが不安定な中、診察をしてもらったときの話。
出血量増加とともに不安が高まる
自然妊娠発覚後、血液が混ざった茶色っぽいおりものが5日続き、夫ともに病院へ行くことに。産婦人科の待合室、私の隣で待っていたのは、もうすっかりおなかが大きくなった妊婦さん。もうすぐ出産なんだな、もうすぐ赤ちゃんに会えるんだな、いいな… と、羨ましくなりました。そして、自分のおなかをなでなで。どうか無事でいてね。と、祈るような気持ちでした。
診察室に呼ばれて中に入ると、電話で対応してくれた男性の産婦人科医、K先生がいました。
医師「こんにちは。出血は大丈夫ですか? まだ出てる?」
私「量自体はそんなに多くないし、おなかも痛くなくて、おりものに相変わらず茶色い血がついているだけなんですけれど、心配で心配で…」
医師「そうですよね。そうしたら、エコーで様子を見てみましょう」
緊張しながら内診台にあがると、子宮のなかに胎嚢が見えました。医師が機械を操作しながら、大きさを計ってくれました。
医師「先週、検診で来ていただいたときよりもちゃんと大きくなっていますね」
私「あの…、前回(先週)5週目相当の大きさと言われたのですが…」
医師「うん、そうですよね。少し成長はゆっくりだけれど、前回と比較してちゃんと大きくなっていることを確認できることが大事なんです」
そういうものなのかな… と思いつつ、じゃあこの出血は何? という疑問で頭がいっぱいになりました。
私「出血の原因ってなんなんですか?」
医師「ハッキリしたことは断定できないのですが、胎盤がつくられていく過程で微量の出血を伴ったり、このようなエコーでの内診が原因で少し血が出るということもあります。今、子宮のなかを見た限り、血腫という血の塊があるわけでもないので原因はわからないですが、茶色の血ということは、おなかのなかで出血しているというより古い血が出てきているので、そんなに心配する状況ではないかなと思います」
古い血か~。採卵後の重い生理を経験していたので、このくらいなら気にするようなことではなかったのかな? と自分に言い聞かせようとしましたが、不安な気持ちは止まりませんでした。
つわりもない妊娠超初期。生肉はNG? 不安定なメンタルを医師に話すと…
私「今の胎嚢確認だけの段階って、食べるものとか生活の中で、何か気を付けたほうがいいことってあります?」
医師「もうすぐつわりが来ますから、食べられるものを食べていていいですよ。生肉だけは避けてくださいね。お肉だけはちゃんと火を通したものにしてください。生活も普通にしていて大丈夫です。出血があるときはお風呂じゃなくてシャワーにかえるなどしてください」
私「ネットを見ていたら同じくらいの週数でもうつわり来ている人がいて…。私の場合、気持ち悪かったりがまだないので、それも心配で…」
医師「つわりと赤ちゃんの成長というのは、あまり関係性がないと言われているので大丈夫です。母体がきちんと栄養をとれていることのほうが大事ですから。気持ち悪くないなら食べられるものをしっかり食べていってください」
私「はい。今日、来てよかったです。本当は、先週エコーをしてもらったばかりなのにまた通院してもいいのかすごく悩んじゃって。コロナなのに迷惑じゃないかなとか、夫も仕事をとめて一緒に来てくれるのはありがたいけれど、なんだか自分がわがままな人みたいな気がしてしまって…」
医師「心配なときはいつでもすぐ病院へ来てくれていいんですよ」
とK先生はおだやかに話してくれました。
医師「コロナだからとか、迷惑じゃないかとか、そんなこと妊婦さんは考えなくていいんです。心配なときは病院をどんどん活用してください。ここはそういう場所だから。今、不安な気持ちがあっても、ネットで調べるより僕たち医師にきいてください。これからまた出血量が増えたり、おなか痛くなったりして心配になったら、朝でも夜中でもいつでも来ていいんです」
電話で話をしていたときよりも、すごく頼もしい先生だなと感じました。ただやはり、もし何かあったとしても、エコーで確認をするという作業だけで、妊娠初期だと治療という意味ではできることはほとんどないという説明も受けました。
不安で揺らぐ妊娠初期のメンタル、自分ではどうしようもないと思っていたけれど、医師に話してみたことでかなりホッとできたのはよかったです。
このようなやりとりをして、この日の診察は終わりました。胎嚢が大きくなっているけれど、成長がゆっくりであること、茶色の出血は古い血だからという話を夫にしました。
説明を夫と一緒に聞けない! コロナ禍の妊婦のもどかしさ
夫「いや~よかったよ、今6週ってことだよね。来週には心拍確認できるのかな?」
私「あ、どうだろう…。そこ聞くの忘れちゃった」
夫「そっかそっか、ネットだと6週後半くらいからもう心拍みえるっぽいことが書いてあったからさ。そろそろかなぁなんて思っていたんだけど、まだ少し早いのかな。気長に待つか」
なんだろう…。「成長はゆっくり」と言っていたときの先生の表情とかニュアンスの感じがうまく伝わらない。それに私も心拍確認の時期をネットで調べてはいたけれど、ひとりだと聞き逃してしまうことが多いなと思って反省しました。
私「今度、診察のときは聞きたいことをメモしてまとめていこう」
夫「それがいいね」
夫の明るいテンションとは裏腹に、診察室での医師からの話を夫にどうしたらもっとうまく伝えられるのかなと、悩みました。こうして文字で書くのも難しいのですが、なんとなくそこまで楽観視できるような感じじゃないというK先生の雰囲気を夫に上手に伝えられなくて…。
焼肉へ行っても不安な気持ちが消えない
病院を出ると夫に「たまには肉でも食べに行くか!」と言われました。
私「先生にレアのお肉は気を付けるように言われたんだよね」
夫「え! そうなんだ。じゃあしっかり焼こう」
私「う~ん、そういうことじゃなくて、リスクが1%でもあるならお肉は嫌かな。お魚のほうが安心」
夫「あ、そう? キミが肉好きだから、景気づけにいいかと思ったんだけど、なら魚料理の店にするか」
先生に焼肉がダメだと言われたわけではないのですが、お肉は当面回避したいというくらい極端な気持ちでした。妊活をはじめたばかりの頃は、通院のあとに食べるお肉が心の支えだったのに。
こんな感じでモヤモヤ悩みながら翌週の診察日を迎えるわけですが、直前で出血量が少しずつ増えていってしまったお話はまた次回。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。