【目次】
・寝ても眠気が取れない原因とは?
・眠気が取れないときの対処法
・しっかり眠れるよう日常から気をつけたいこと
寝ても眠気が取れない原因とは?
原因1. 睡眠不足
眠気が取れない原因のひとつは、睡眠不足かもしれません。
自分ではしっかり睡眠をとっているつもりでも、実際には熟睡できている時間が少なく、睡眠時間が不十分なことも。
人間は寝ている間に、身体や脳の疲労回復をするといわれていますが、睡眠不足ではこれができていません。それが、日中の眠気や疲れを引きずることにつながっているのかもしれません。
原因2. 睡眠負債
睡眠不足が続くと〝睡眠負債〟となって身体に蓄積されることも。わずかな睡眠不足でも、積み重なると心身に悪影響を及ぼす可能性があります。
睡眠負債が増えると日中の眠気が取れないだけでなく、がんやうつ病、認知症などの病気のリスクもアップ。
まずはあなたの眠りの現状をチェックしてみましょう。
・電車でよくうたた寝をする
・ベッドに入ると、すぐに眠りに落ちる
・寝ている間、いびきをかいている
・朝は目覚まし時計で起きている
・パジャマが寝汗でびっしょりになっている
・起きてから4時間後に眠気を感じる
・休みの日は昼まで寝ている
・最近、よく風邪をひく
・ケアレスミスが多い
・やる気が出ない
3つ以上あてはまった方は注意が必要です。睡眠負債の可能性があるので、自覚はなくても日々の睡眠を見直すことをおすすめします。
原因3. 薬を服用している
花粉症や風邪薬などの薬を服用しているときは、その副作用で眠気が強くなってしまうこともあります。
理由は、アレルギー治療薬の主流「抗ヒスタミン薬」によって眠気が誘発されるから。実際、花粉症の季節に、薬を飲んで日中の眠気が強くなった人は多いはず。
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原因4. ストレスが溜まっている
ストレスが溜まっていると、夜の安らかな睡眠を邪魔してしまう可能性が。ストレスによる睡眠の妨害で、日中眠気が襲ってきているのかもしれません。
内科医・成田亜希子先生曰く、ストレスは入眠や熟眠を妨げるといいます。
「ストレスは交感神経を刺激して入眠や熟眠を妨げることがあります」(成田先生)
眠気が取れないときの対処法
朝にコーヒーなどカフェインが含まれる飲みものを摂取する
朝目覚めてどうしても眠気が取れないときは、コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインが含まれた飲みものを飲みましょう。
カフェインには覚醒作用があるため、ぼーっとした頭をスッキリさせてくれます。
ただし、カフェインの過剰摂取はNG。お茶は低温で淹れるなどして、カフェイン量をコントロールして摂取することがおすすめです。
「0.5~10℃の冷水でお茶を入れると、80℃で入れた場合よりもカフェイン量が格段に少なくなることが判明。農研機構の実験によれば、10℃の冷水の場合は約半分、0.5℃の水では実に80%近くもの減少率となるというデータが出ています。
カフェインは覚醒作用をはじめさまざまな効果があることで知られている一方、飲む人やシチュエーションによってはそれらの効果がデメリットに働くことも。
そのため、カフェインを控えたいという人は緑茶を低温で入れることによって、カフェインの摂取を抑えることが可能に」(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門 上級研究員/理学博 物部真奈美先生)
【緑茶の知られざる秘密】低温で入れるとカフェイン激減!? 入れ方で味も成分も変わる!?
ストレッチなどをして体を動かす
ひと駅前で降りて歩く距離を延ばしたり、仕事の休憩時間に軽くストレッチしたりするなど、適度に身体を動かすことはとても大切です。
ストレッチしたくらいじゃ眠気はとれない… と思うかもしれませんが、ストレッチや軽めの運動は血流をよくして体の動作をスムーズにしてくれるだけでなく、交感神経が活発になり脳にスイッチを入れてくれるといわれています。
気分もリフレッシュされるので、ぜひ試して。
朝陽を浴びる
日光を浴びることも大切です。
朝陽を浴びると眠気を誘う「メラトニン」というホルモンの産生量が低下します。私たちの身体には、朝陽を浴びると目覚め、夜はメラトニンによって自然と眠くなる仕組みが備わっています。
そのため、朝目覚めたらまずはカーテンを開け、意識的に陽の光を浴びましょう。
思い切って仮眠をとってみる
睡眠医療専門家・遠藤拓郎先生によると、「もう無理!」というくらいの睡魔が襲ってきたら、思い切って仮眠を取ってみるのもいいと言います。
「仮眠をとることで、疲労感が回復し眠気も解消されることはもちろんですが、効果的な仮眠は15分が目安。なぜかというと、人間は15分以上安定して眠ってしまうと、その後に深い睡眠に入ってしまい、なかなか起きられなくなってしまうためです。
さらに、起床後も脳の機能が復活するまでに、ある程度の時間がかかってしまいます。また、仮眠は1日に何回とっても良いという点で優れています。眠くてどうしようもない時は、オフィスでも周りを気にせずに15分だけ思いきって眠ってしまいましょう!」(遠藤先生)
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しっかり眠れるよう日常から気をつけたいこと
寝る前にパソコンやスマホを触る習慣を止める
現代人がやってしまいがちな、就寝前にパソコンやスマホを触る行為。この行為こそ見直したいことだと内科医の成田先生は言います。
「スマホやパソコンの画面から放たれるブルーライトは、脳を活性化させ入眠を妨げる作用があります。就寝前はスマホやパソコンなどをいじらないようにしましょう」(成田先生)
どうしても使わなければいけないときは、「ブルーライトカット眼鏡」などを活用し、あまり長い間触らないようにする工夫を。
規則正しい生活を送る
規則正しい生活を送ることも大切である、と成田先生は言います。
「良質な睡眠に関与する『メラトニン』の分泌を安定させるためにも、起床・就寝時間は規則正しく、起床時にはカーテンを開けてしっかりと日光を浴びることが大切です」(成田先生)
食事は就寝3時間前までに終わらせる
食事も実は睡眠に関係しているそう。
「就寝前に食事を摂ると、入眠時に胃や腸が活発に動いた状態となるため、睡眠が浅くなってしまうことがあります。また、脂肪分が多い食事は消化に時間がかかるため、夕食時はほどほどにすることも大切です。食事は、就寝の3時間前までに済ませ、入眠時は心身ともに休める体制を整えましょう」(成田先生)
ストレスを溜めない
ストレスをどう対処するかも、睡眠の質を改善するために無視できません。
「ストレスは交感神経を刺激して入眠や熟眠を妨げることがあります。日常生活からストレスを完全に排除することはできませんが、ストレスを発散できるような趣味を持ったり、就寝前にアロマを焚くなどして心を穏やかに就寝できるよう心がけましょう」(成田先生)
適度な運動をする
適度に運動することは、自然な眠気を誘い、睡眠の質を高めてくれます。
寝る前の激しい運動は、交感神経の働きを活発にするので、朝や日中にウォーキングやランニング、筋トレなど軽めの運動を習慣化するのがおすすめです。
夕方以降カフェインを摂らない
カフェインが睡眠を妨げることは有名ですよね。1日の目安摂取量は300mgほどだといわれています。
ここで注意したいのはカフェインの積み重ね。
カフェインは、コーヒーや玉露、エナジードリンクや紅茶、ウーロン茶などにも含まれています。無意識に選んでいるこれらの飲み物のカフェイン量を積み重ねると、実は結構な量になる可能性も。
カフェインの覚醒作用は4~5時間続くともいわれているため、寝る前4時間はカフェインの摂取を避けることを徹底しましょう。