嫌いな人とも仲良く・・・なんてムリ!
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あの人の些細な言動が許せない、なぜかその人を見ているとイライラする。もはや何故嫌いになったかも思い出せないけれど、なんか「嫌い」。身の回りに嫌いな人がいるとそれだけでテンションが下がりますよね。
今日はそんな嫌いな人との付き合い方を、心理学の側面からお話しします。
最初に断っておくと、ここでお話しするのは嫌いな人と表面上だけでも仲良くする方法ではありません(笑)。
嫌いな人との付き合い方で悩む人の中には、つい嫌いなことが態度に出てしまった、仲良くできないのは自分にも非があるからだと「嫌いになること」自体へ罪悪感を持っている人も少なくありません。
人は人を嫌いになってもいいんです。
その理由と対処法を今日はお話します。
人を嫌っちゃいけないと思っていませんか?
小学生の頃、教室で、家庭で、「友達100人できるかな♪」「みんなと仲良くしましょう」と教えられた人も多いはず。これがそもそも悩みの元凶です。
食べ物にだって好き・嫌いがあるように、人を好きになることもあれば嫌いになることもある。
これが人間としてフラットな状態なんですね。
それなのに人と仲良くすることがまるで美徳のように教えられるため、嫌うことはダメなんだと罪悪感を持つキッカケとなってしまいます。
「みんな仲良く」と思うから、嫌いな人とも仲良くしなきゃと思う。だからイヤな思いをするとわかっているのに無理に相手に近づいてしまう。その結果ますますイヤな思いをする…。こんな負のループにはまってしまうのです。
100人いたらその中で好き嫌いがあるのは当然のこと。必要なのは嫌いな人と仲良くなることではありません。大切なのは、嫌いな人と「嫌いなまま」付き合うことです。
そもそも人間には所属の欲求があるので、「嫌い」はその集団を強固にするための大事なセンサー。自分の「嫌い」に無理やり蓋をする必要はないのです。
「嫌いなまま」で人と付き合う
「嫌いなままで付き合う」というとそんなのムリ! と思われるかもしれませんが、ここで好例なのがお笑い芸人です。人気のお笑い芸人の中でも、「お互いのことを嫌いだったことがある」と告白するコンビは一定数います。
プライベートでは口も聞かない、楽屋も別々。なのにピッタリと息の合った芸で私たちを笑わせる。お互いを嫌いだと認め合っているからこそ、余計な詮索をせずに共通の目的や利益のために協力し合えるのです。
嫌いだけど仲良くなろう、関係を修復しようとしていたらこうはいきません。相手のイヤなところばかりが目についてしまい、軋轢が生じて悲しい結末を迎えてしまいます。
自分の中の嫌いに抵抗しない、争わない。嫌いを認めてしまえば、相手との適切な距離が掴めてきます。
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お話を伺ったのは… 心のクセを直す「メンタルノイズ」カウンセラー 山根洋士(やまね・ひろし)
これまでに8000人以上の悩みを解決してきた心理カウンセラー。
両親の離婚、熱中していたスポーツの挫折、就職の失敗などを経てノンフィクションライターとして成功をつかむものの、激務でダウン。過労死寸前まで追い詰められ、入院生活を送る中で心理療法と出会って人生が激変。「なんのために生きるのか」を模索した末に、心の風邪薬のようなカウンセリングを提供したいという想いから、カウンセラーになる。
心理学だけでなく、数多くの経営者やプロスポーツ選手、芸能人等への取材経験、AIやロボット工学、脳科学などを取り入れた、メンタルノイズメソッドを開発。実践中心のカウンセリングで一線を画す。
カウンセリングには、著名な精神科医やスピリチュアリスト、占い師などに相談しても結果が出なかった人が殺到。すぐに実践できるワークと、論理的なセッションで好評を博している。
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