世の中の悩みを「聖書」から解決#8
「悩みのない人生を送りたい!」というのは、人類の抱き続けてきた願望ですが、令和の時代になっても人の悩みは尽きるどころか増えてさえいるのかもしれません。
ツイッターフォロワー10万超【上馬(かみうま)キリスト教会】のまじめ担当MAROさんは、フォロワーの方々から寄せられるさまざまな悩みに「聖書」から解決の糸口を伝えようと日々発信中。『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』(KADOKAWA)より、MAROさんが提案する悩み解決のヒントをお伝えします。
質問:自分にリーダーが務まるのか不安……
回答:召使いのように環境を整えること。それが聖書的に「良いリーダー」です
本屋さんに行きますと「リーダーの資質」について記された本がたくさん置かれています。それだけ「良きリーダー」であることは現代社会において大切なことなんだと思います。
それらの本には「行動力」「判断力」「経験」「包容力」などなど、さまざまな「リーダーの資質」が並んでいますが、それらを見ていると「はたして自分にそんな能力があるのだろうか。リーダーとして務まるのだろうか」と不安になったりもしますよね。
しかし、聖書ではそれらの能力をリーダーの条件とはしていません。行動力も判断力も経験も包容力も、あるに越したことはないでしょうが、それはリーダーの資質としては二の次三の次で、リーダーとして一番必要な資質は「人に仕えること」であると聖書は教えています。
「あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、皆に仕える者になりなさい。あなたがたの間で先頭に立ちたいと思う者は、皆のしもべになりなさい。(マルコ10:43〜44)」
これはアメリカのリーダーシップ論でよく語られることで、僕もアメリカで音楽を学んでいた頃、「リーダーとしてのもっとも大切な資質はホスピタリティだ」と教わりました。
リーダーの仕事とは仲間が最高のパフォーマンスを発揮するための環境を整えることだと。
それはたとえば音楽をレコーディングするときのリーダー、つまりプロデューサーで考えると、スタジオの環境を整備し、コーヒーや軽食などを用意し、メンバー同士の円滑なコミュニケーションをはかり…… と、まるでメンバーの召使いのように動く。
そうやって「召使い」に徹したときに、メンバーは心からあなたを尊敬し、あなたの望むパフォーマンスをしてくれるようになる、と。
日本語では「上司」と「部下」のように「上下」という文字が使われてしまっているので、少しこの感覚がわかりにくいのかもしれません。
英語ではリーダーとメンバーの関係に、そういった「上下」はありません。リーダーとは英語で「Leader」、すなわち「導く人」です。
もう一つ聖書のたとえを挙げるなら羊飼いです。羊飼いは羊に命令するだけでなく、羊たちの世話をし、羊たちを守ります。だからこそ羊も彼の言う通りに動いてくれるわけです。
イエス様が「良き羊飼い」と呼ばれるのも、みんなの上に立って威張ったからではなく、むしろみんなのために自分を犠牲にしたからです。
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▲『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』
著者:MARO(上馬キリスト教会ツイッター部) 出版:KADOKAWA
TOP画像/(c)Shutterstock.com
上馬キリスト教会 MARO
1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。
キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。キリスト教ではない家に生まれ、23歳のときに洗礼を受けた「クリスチャン1世」。
10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。
著書に『上馬キリスト教会ツイッター部のキリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』、『上馬キリスト教会ツイッター部の世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。