世の中の悩みを「聖書」から解決#9
「悩みのない人生を送りたい!」というのは、人類の抱き続けてきた願望ですが、令和の時代になっても人の悩みは尽きるどころか増えてさえいるのかもしれません。
ツイッターフォロワー10万超【上馬(かみうま)キリスト教会】のまじめ担当MAROさんは、フォロワーの方々から寄せられるさまざまな悩みに「聖書」から解決の糸口を伝えようと日々発信中。『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』(KADOKAWA)より、MAROさんが提案する悩み解決のヒントをお伝えします。
質問:将来が不安です
回答:考えても不安はなくならない。明日の苦労は、明日考えよう
ここまでしばらく「幸せになる方法」のようなことを書いてきましたけれど、日々の幸せのために、何より障害になるのが「不安」です。老後2000万円問題とか、失業とか、受験失敗とか、失恋とか、世にはたくさんの「不安」があります。
しかしそもそも「不安」とは何でしょう。「不安」というのは言い換えれば「未来への恐怖」のことです。過去のことや現在のことを不安に思う人はほとんどいません。
ちょっと難しく言い換えれば「未来の不確定要素」のうち、あまり良くない方向のものが「不安」です。これが良い方向であれば「希望」です。
たとえば、同じ明日の不確定要素でも「○○だったらいいな」というのは「希望」で、「○○だったら嫌だな」というのが「不安」です。
しかし、いくら「不安」を心に強く抱いたところで、人間には「明日の不確定要素」を確定させることはできません。人間は、明日自分が生きているかだってわからない存在だからです。ですから聖書でイエス様はこのように言っています。
「空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。それでも、あなたがたの天の父は養っていてくださいます(マタイ6:26)」
「明日のことは心配しなくてよいのです。明日のことは明日が心配します。苦労はその日その日に十分あります(マタイ6:34)」
イエス様がこんなことを教えたということは、2000年も前のイエス様の時代から、人々は将来への不安を抱えて生きていたということですね。そう思うだけでも少し気が楽になりませんか。
一方で、これはイエス様ではありませんが、聖書の重要人物であるパウロはこんなことを言っています。
「いつまでも残るのは信仰と希望と愛、これら三つです(Iコリント13:13)」
イエス様のことばとパウロのことばを総合すると、「不安じゃなくて希望を持て」ということになります。
「未来の不確定要素」があるとき、人はついつい悪い方向へ考えがちです。人間の脳みそは「悪いこと」を優先的に察知するようにできているからです。しかし、だからこそ意識的に「希望」を持つようにする必要があります。
そしてその「希望」の根拠を神様に置きなさい、と教えているのが聖書です。砕いて言えば「不安じゃなくて希望を持ちなさいよ! 私がついてるんだから!」という神様からのメッセージが聖書なんです。
『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』発売中!
▲『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』
著者:MARO(上馬キリスト教会ツイッター部) 出版:KADOKAWA
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上馬キリスト教会 MARO
1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。
キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。キリスト教ではない家に生まれ、23歳のときに洗礼を受けた「クリスチャン1世」。
10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。
著書に『上馬キリスト教会ツイッター部のキリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』、『上馬キリスト教会ツイッター部の世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。