「イミテーション」の意味、語源は?
ネットでモノを買うことが当たり前になり、現物を見ないまま購入ボタンをポチッと押しただけで、数日後には宝石でも家電製品でも自宅に届くような時代になりました。
しかし、時には注文内容を間違ってしまうことも。一人暮らし用の炊飯器を注文したと思っていたら、一升炊きの特大サイズが届いたり… 24本入りのミネラルウォーターを頼んだと思っていたら定期便で翌月もまた届いてしまったり…。はたまた、お買い得なジュエリーを買ったつもりが、実はイミテーションだったり…。
前置きが長くなりましたが、今日はこの「イミテーション」という言葉について解説していきます。
◆「イミテーション」の意味
「イミテーション」。それはずばり模倣品・ニセモノの事です。「イミテイション」と表記されることもしばしばあります。本物ではなく、それに似せて作ったモノを指す言葉です。決して否定的な意味合いにはならず、あえて「イミテーション」として本物よりも安価な形で売られているモノもあります。
◆「イミテーション」の語源
「イミテーション」という日本語はそもそも、英語の“imitation(名詞形)”から来ています。“imitate(動詞形)”は、見習う、真似する、再現するという意味があり、“imitate a cat(猫の真似をする)”、“imitation crab meat(かにかま)”など、日本語と同じように使うことが可能です。ちなみにさらに語源をたどると、ラテン語で「模倣(=“imitatio”)」になります。
「イミテーション」の類語は?
「イミテーション」には似たような言葉がいくつかあります。次に紹介する言葉について、皆さん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。それではひとつずつ見ていきましょう。
「フェイク」
「フェイク」とは、「ニセモノ、捏造する、装う」という意味で、英語の“fake”からきています。「フェイクファー」などは、衣料品店でよく目にする言葉だと思いますが、最近よく聞く言葉としては、ネットの「フェイクニュース」。これはネガティブな意味合いで使われる言葉ですが、情報過多な昨今、ひとりひとりが正しい情報を取捨選択しなければいけない時代ですね。
「レプリカ」
「レプリカ」とは、絵画や彫刻品などの芸術作品においてよく使われる言葉で、「複製品」を意味します。語源はイタリア語の“rèplica”。博物館などでは、歴史的な文化財を展示作品用としてレプリカが用いられることが多くあります。また美術館では、観賞用として著名な美術作品が手に入れやすい形で販売されることも多いです。
「ダミー」
「ダミー」とは、本物に似せた模造品ですが、実際には機能を持たないことを意味します。例えば、ダミーの監視カメラなどがまさにそれです。見かけは監視カメラのようですが、実際には録画機能はなく、防犯機能としての位置づけでよく使われていますね。また、マネキンの別名としても使われます。
「コピー」
「コピー」はよく耳にする方も多いと思いますが、日本語にすると「複製」という意味になります。ビジネスシーンではよく「書類のコピー」などと使われることが多いですよね。また、しばしば否定的な意味合いで使われますが、高級ブランドなどの「コピー品」といった模倣品(時としてニセモノ)がネットショッピングなどで出回っていることもあります。
「イミテーション」を使った言葉は?
次に、「イミテーション」を使った言葉をいくつかご紹介します。
「イミテーション・レイン」
2020年1月に同時にCDデビューを果たし、瞬く間に人気アイドルグループに昇りつめ、今や音楽番組やバラエティ番組に引っ張りだこのSixTONES(ストーンズ)とSnow Man。そんな彼らのデビューシングルが、両A面となっている『Imitation Rain / D.D.』(イミテーション・レイン/ディーディー)です。デビューシングルで初登場1位を獲得し、オリコン史上初の初週ミリオンを達成しました。
「イミテーション・ゲーム」
第2次世界大戦下のイギリスを舞台とし、実在した若き天才数学者アラン・チューリングの生き様を描いた映画です。ベネディクト・カンバーバッチ演じるチューリングは、イギリス軍の最高機密任務の一員として選ばれ、ドイツ軍の暗号「エニグマ」の解読に奔走します。
紆余曲折ありながら、暗号解読機を発明し「エニグマ」の解読に成功、それにより1400万人以上もの命を救い、戦争終結を2年も縮めたとされているのです。チューリングの業績はその後の世代の研究者たちを刺激し、チューリングマシンと呼ばれるマシンの開発へとつながります。それが、今私たちの生活には欠かせないものとなる、「コンピュータ」です。
「イミテイション・ゴールド」
「イミテイション・ゴールド」は、1977年に18枚目のシングルとして発売された山口百恵さんの楽曲です。2003年にB’zのギタリスト・松本孝弘さんによってカバー、ボーカリストには倉木麻衣さんが起用され、オリコン週間シングルランキングでは初登場1位を獲得しました。
ここ数年で、「昭和ポップス」の再ブームが到来し、若者たちの間で、松田聖子さん、山口百恵さん、中森明菜さんなどの80年代トップアイドルの楽曲やファッションが、SNSなどで多く取り上げられていますね。
最後に
「イミテーション」の意味について解説していきました。「イミテーション」は決してネガティブな場面でのみ使う言葉ではなく、歌や映画のタイトルとしても使われることが分かりましたね。ひとつ気をつけたいことは、イミテーション商品は、きちんと理解した上で購入する事! 決して、商品を手に取った途端がっかりすることのないようにしたいものですね。
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