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2021.02.15

【医師解説】生理がこない… 放置すると子宮体がんリスクが上がる? 知っておきたいPCOS

生理がきそうでこない、生理がこなくて不安という女性も多いのでは? そこで女性のからだの悩み「生理」について解説。今回は月経不順にまつわる知識です。20年間以上、産科婦人科疾患を診療してきた、直レディースクリニック院長の竹村直也医師による連載コラム。

直レディースクリニック 院長 竹村直也

【月経不順】生理がこない… PCOS(多のう胞性卵巣症候群)かも

前回は、月経(生理)の経血量について解説しました。

前回記事▶︎経血量が多い… 過多月経の基準はナプキンのもつ時間?〈生理の知識〉

生理の回数が多くなっている現代では、生理に関するトラブルが増加しています。今回は、生理がきっちりこない、月経不順について解説していこうと思います。

月経不順とは?

(c)Shutterstock.com

正常の月経は月経周期日数が25日~38日、出血持続日数が3~7日でかつ変動は6日以内といわれています。

しかしこれにあてはまらず、25日未満で出血したり、次の月経までの間隔が39日以上かかったりといった状態のことを月経不順といいます。

無月経ってなに?

(c)Shutterstock.com

妊娠していないのに、生理が3ヶ月以上ない状態無月経と言い、以下の2種類に分かれます。

◆原発性無月経

症状:18歳以上になっても生理が全く来ない状態
原因:染色体異常、腟や子宮の先天異常など性器の異常、ホルモン異常

◆続発性無月経

症状:今まで月経はあったが、3ヶ月以上生理が来ない状態
原因:授乳、急激なダイエット、肥満、強いストレスや環境の変化などによるホルモンバランスの乱れ

Oggi世代では仕事、人間関係、恋の悩みなどでストレスを受けやすい年代でもあります。

続発性無月経を含めた月経不順を訴えて婦人科を受診される方も数多くいますが、ストレスが原因で一時的に不順になっていることが多いようです。その場合、ホルモンバランスを採血で確認することがあります。女性ホルモン以外のホルモンの影響で月経不順を起こしていることがあるからです。

たとえば甲状腺機能異常。甲状腺とは首にある臓器で新陳代謝をコントロールしています。この甲状腺の機能異常で排卵障害がおこり月経不順になることが知られています。

次に高プロラクチン血症があります。プロラクチンとは頭から分泌されるホルモンの一つです。プロラクチンは出産後に大量に分泌されることで授乳を促し、排卵を抑える働きがあります。授乳中は生理がなかったりするのは、このホルモンが大量に分泌されており排卵を止めているから。

妊娠に関係なく影響でプロラクチンが血中に多く存在している状態を、高プロラクチン血症といいます。原因としては脳腫瘍薬剤の影響などがあります。

最後にお話するのが、PCOS(多のう胞性卵巣症候群)です。

PCOS(多のう胞性卵巣症候群)について

(c)Shutterstock.com

月経不順に悩み、婦人科受診された方にはこの診断をされた方も多いと思います。20〜30人に1人の割合でPCOSが認められます。

多のう胞性卵巣症候群は、Polycystic Ovarian Syndromeの頭文字をとってPCOSと呼ばれています。Polyは「多い」、cysticは「のう胞」、ovarianは「卵巣」、syndromeは「症候群」という意味です。「のう胞」というのは「袋状のもの」のこと。

PCOSの患者さんの卵巣を超音波検査で観察すると、たくさんののう胞(袋状のもの)が見えます。これらは排卵されなかった卵胞と呼ばれているものです。つまり、PCOSの症状にかかると、排卵しにくい状態にあるといえるでしょう。排卵しにくければ、不妊の原因にもなります。

原因:通常、排卵には脳から分泌されるLH(黄体ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)という2つのホルモンが関わっています。PCOSではこのバランスが崩れて、LHばかりが過剰分泌されることによって、排卵がうまく行われなくなるのです。

PCOSの治療法は?

(c)Shutterstock.com

超音波検査、採血で診断されるPCOSですが、どのように治療していけばよいのでしょうか?

PCOSでは肥満の方もいます。肥満があれば、減量が最優先に行われます。適正体重に戻すことで月経不順の改善することが知られています。適正体重であれば次の2通りに分類されます。

[1]いますぐ妊娠希望がある場合と[2]いますぐの妊娠希望がない場合です。

[1]いますぐの妊娠希望がある場合

排卵を促すために排卵誘発剤を使用します。飲み薬の排卵誘発剤で排卵を認めない場合は、注射が必要なこともあります。また排卵誘発剤のほかに体内の水分バランス、ホルモンバランスを整える漢方薬を使用することもあります。

このほかにもPCOSの患者さんには糖の代謝能力が低下している方もおられるため、糖尿病薬を使用することもあります。

[2]いますぐの妊娠希望がない場合

ピルなどのホルモン剤を内服したり、体質改善目的で漢方薬を内服したりすることで、月経周期を整えていきましょう。

* * *

無月経、月経不順を放置していると、子宮体がんのリスクが上がることが知られています。

知らない人も知っておくとよいPCOSについて今回は話を掘り下げてみました。月経不順が心配な方は、一度婦人科受診してみて相談してみてはいかがでしょうか。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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直レディースクリニック 院長 竹村直也

2000年神戸大学医学部卒業
2008年神戸大学医学部大学院修了
兵庫県立こども病院、日高医療センター勤務の後神戸大学病院産科婦人科助教。
淀川キリスト教病院産科婦人科部長、
竹村婦人科クリニック勤務後、2020年5月直レディースクリニック開業

資格:医学博士 産婦人科専門医 母体保護法指定医

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