「立春」の意味とは? いつなのかを知ろう

「春が立つ」と書いて「立春」。2月になると、暦の上では春が始まる日が訪れますが、実際には春を微塵も感じないほどに寒い日々が続きます。今回はそんな「立春」の意味や過ごし方について見ていきましょう。
立春の意味
「立春」とは「二十四節気において春の始まりとされる日」を指します。「二十四節気」とは古代中国で作られた太陰太陽暦で定めた季節区分のこと。1年を4つの季節に分け、さらにそれぞれの季節を6つに分割しています。
四季の最初が、立春、立夏、立秋、立冬。この4つは「四立(しりゅう)」と呼ばれています。
2月という寒い時期に「春の始まりの日」が定められているのは、古代中国と日本の季節感には若干のずれがあるからだという説が有力です。さらに、寒さのピークから春へと向かう転換点としての意味も持っているともいわれています。
立春はいつ頃?
立春は太陽の位置に基づいて決められているため、クリスマスのように決まった日付があるわけではありません。ただ例年2月4日が該当する傾向にあり、年によっては2月3日や5日になることもあります。

2025年の立春は2月3日
2025年の立春は、2月3日(月)です。間違って4日にお祝いをしないようにご注意を。
立春と「節分」との関係
立春と同じタイミングに行われる行事に、「節分」があります。この2つには、つながりがあることをご存じでしょうか? 「節分」は、季「節」の「分」かれ目という意味を持つ言葉で、立春など季節が変わる日の前日を指します。本来は、春夏秋冬に応じて年に4回あるのですが、江戸時代頃から節分といえば立春の前日の節分を指すようになりました。
節分は必ず2月3日だと思っている方も多いかもしれませんが、立春が移動すれば節分も移動します。そのため、立春が2月3日になる2025年の節分は、2月2日(日)になります。
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「立春」の頃の行事や過ごし方とは?

ここまで「立春」の意味を説明しました。ここからは、「立春」という行事の過ごし方を紹介します。
お札「立春大吉」を寺門や玄関に貼る
禅寺では、新しい年の始まりである立春の早朝に、「立春大吉」と書かれた厄除けのお札を門に貼る習慣があります。「立春大吉」は縦書きにすると左右対称であり、鬼が家から出て行きやすいという言い伝えから、厄除けになるのだといわれているようです。
基本的には禅寺の風習であり、お札は檀家さんにのみ配るというお寺も多いですが、お寺や神社によっては一般の人への販売や、通信販売などをしていることも。また、本来は自分で書いていたともいわれ、自分でお札を作っても問題ないようです。
貼り方としては、玄関の表、向かって右側に、目線よりも高い位置に貼るのが一般的です。または、関に入ってすぐの柱や鬼門の方角に貼る、神棚に供えるといったケースもあります。
若水を飲む
「若水」とは「元日の朝一番にくむ水のこと」です。元は宮中において、立春の日に主水司が天皇に奉じた水のことを意味しました。
一年で一番初めに汲まれた若水は、健康や豊作など幸せを招く水といわれてきました。若水で淹れたお茶を「福茶」といい、煎茶やほうじ茶に結び昆布や小梅を入れて飲みます。春の兆しを感じる立春の日、心新たに一杯のお茶を淹れてみるのもいいかもしれませんね。

立春朝絞りを飲む
「立春朝絞り」という名のお酒をご存じですか? その名の通り、立春の朝に搾りあげるお酒です。節分の夜から一晩中、もろみを搾り続け、立春の早朝に搾りあがったばかりの生原酒で祝う、そんな祝い酒です。「立春朝搾り」は地域限定なので「その地域のお酒を造る人、届ける人、飲む人が、一緒に春の到来を祝う」という地酒ならではの意味合いも込められた、特別なお酒でもあります。
立春朝生菓子を食べる
「立春朝生菓子」は、その名の通り、立春の朝に作ってその日のうちに食べる生菓子のこと。桜餅やうぐいす餅など、おもに春を感じる生菓子があげられます。小豆や餅には穢れを祓う力があるとされ、立春の朝にできた大福も縁起がいいとされています。「立春大福」の文字が「立春大吉」に似ていることからも人気だとか。
豆腐を食べる
白い豆腐は昔から体を清める力があるとされていたことから、節分と立春に「立春大吉豆腐」を食べるという習慣もあるようです。節分には厄払いのために大豆をまきますが、豆腐を食べるといいともされています。節分に食べる豆腐は「それまでの罪や穢れを払う」とされ、立春に食べる豆腐は「健康な体に幸福を呼び込む」といわれています。
中華街では「春節」イベントを開催
旧暦の正月である立春を華やかに祝う国としては、中国が有名といえるでしょう。横浜の中華街では毎年「春節(しゅんせつ)」のイベントを開催し、獅子舞が舞ったり赤い提灯で彩られたりしています。
最後に

「立春」は暦における春の始まりの日だと分かりました。寒さの厳しい時期になるとはいえ、新しい春を祝うための古くから伝わる行事です。2025年は2月3日に、伝統的な立春の習慣を行ってみるのはいかがでしょうか。
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