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2024年の恵方巻きの向きは「東北東」
「節分」に食べるものと言えば、「恵方巻」ですよね。毎年異なる方向を向きながら食べている人も多いのではないでしょうか? この毎年「恵方巻」を食べるために向いている方向のことを、「恵方」と言います。この「恵方」は「歳徳神(としとくじん)」という神様がいる場所とされており、「その年の中でも特に縁起のいい方角」とされていますよ。2024年の恵方は「東北東」で、2025年は「西南西」、2026年は「南南東」です。
「恵方」は様々なことを行うのに向いているとも言われています。そのため、かつては初詣も恵方の方向の神社に参ったり、初めてのことをおこなうときは恵方に向かっておこなったりしていたそうです。今は「節分」以外の機会で聞くことはあまりありませんが、かつて「恵方」はとても身近なものでした。
恵方巻きの由来とは?
実は「恵方巻」の由来についてですが、定説はありません。有力な起源とされているのは2つあります。
ひとつは大正時代から戦後にかけての間、大阪を中心に関西で「節分」に行われていた行事。関西では「節分」に芸遊びをしながら商売繁盛をお祈りする際に、「丸かぶり寿司」や「太巻き寿司」を食べていたことが始まりとされています。
もうひとつは、1973年頃。大阪海苔問屋協同組合が寿司店と手を組んで、節分に「太巻き寿司」を「恵方巻」として売り出したことが始まりとも言われています。その後、1998年に大手コンビニが海苔巻きを販売する際に、「恵方巻」として大々的にPRをした結果、全国に広まりました。
恵方の決め方
「恵方」は、「歳徳神」という神様がいる場所です。この「歳徳神」がいる場所は毎年変わるため、「恵方」もその度に変わります。それでは、この「恵方」は一体どうやって決まっているのでしょうか?
実は「恵方」は、基本的に「東北東」「西南西」「南南東」「北北西」の4つしかありません。この向きはその年の「十干(じっかん)」と組み合わせることで決めています。
「十干」は「十二支」のようなもの。中国から伝わったものであり、「甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)」の10通りで暦を表示しています。
「十干」は「十二支」と違って一般的ではないため、関連づけて覚えるのは難しいですよね。実は、「恵方」は西暦の1の位でも確認をすることができますよ。
西暦の1の位が「0、5」の年は「西南西」、「1、3、6、8」は「南南東」、「2、7」は「北北西」、「4、9」は「東北東」となっています。覚えておくと便利ですね。
恵方巻きの正しい食べ方・2024年はいつ食べるのかも知ろう
「恵方巻」の由来や、「恵方」についてのご紹介でした。続けて、「恵方巻」の正しい食べ方や、いつ食べるかについてのご紹介です。
◆恵方巻きの正しい食べ方
恵方巻を食べる際のポイントは3つあります。1つ目は、「切らずに食べること」。「恵方巻」は大きいため、食べやすいように切って食べたいと思う人も多いことでしょう。しかし、「恵方巻」は切らずにそのまま食べる必要があります。これには、「縁を切らない」という意味がありますよ。
2つ目は「恵方の方向を向いて食べること」。「恵方」はその年の福をつかさどる「歳徳神」がいるとされている方向です。その方向を向いて食べることで、縁起が良くなると言われていますよ。
そして3つ目が、「黙って願い事を思い浮かべながら食べること」。「恵方巻」は、1本すべてを食べきるまで言葉を発してはいけません。これは食べ終える前に言葉を発すると、運が逃げてしまうと言われているためです。黙って願い事を頭に浮かべながら食べることで、運が逃げず願いがかなうと言われていますよ。
「恵方巻」を食べるときは、このような3つのポイントがあります。福を招くためにも、これらのポイントをしっかり守って「恵方巻」を食べるようにしましょう。
◆2024年は2月3日(土曜日)
「恵方巻」は「節分の日」に食べるものです。そのため、2024年は「2月3日(土曜)」に食べましょう。
「節分は2月3日」と思っている方も多いのではないでしょうか。実は、「節分」は2月3日と決まっているのではありません。「節分」は旧暦の正月である「立春」の前日です。
「立春」は「2月4日」というイメージが強いですが、決して決まっていることではありません。例えば2021年の「立春」は「2月3日」でした。とはいえ、ここ30年の間で「立春」が「2月4日」ではなかったのはこの1回だけ。
2024年も「立春」が「2月4日」のため、「立春の前日」である「節分」は「2月3日」になります。
恵方巻きの中身(具)は七福神と関係している
「恵方巻」の正しい食べ方についてのご紹介でした。「恵方巻」は海鮮など、様々なものが具材として使われていますが、一般的には7種類です。この7種類は七福神と関係があるとされています。今回はその中でも3つの具材と関連する神様についてご紹介します。
1:恵比寿様ときゅうり
「恵比寿様」は七福神の中で唯一日本由来の神様であり、「商売繁盛」「五穀豊穣」をもたらす神様です。「きゅうり」が「九の利を得る」に通じることから、「恵比寿様」と関連があるとされていますよ。
2:大黒天様と玉子
玉子の黄色が風水的に金運がアップすると言われていることから、関連する神様は財宝の神様である「大黒天様」。「大黒天様」は「財宝」「福徳開運」の神様として信仰されています。
3:弁財天様とかんぴょう
「弁財天様」は、「音楽」や「芸術」、「縁結び」の神様です。かんぴょうは江戸時代には「成分が美容にいい」と期待されていたことから、七福神の中で唯一女性の神様である「弁財天様」が関連していると言われています。
節分の日の過ごし方とは?
「節分」は「恵方巻」を食べる以外にも様々な過ごし方があります。
1:豆まき
「節分」といえば「豆まき」。「豆まき」は一番奥の部屋から玄関に向けて、「鬼は外! 福は内!」という掛け声とともに豆をまく行事です。豆をまいたあとは、自分の歳+1した数の豆を食べるようにしましょう。
2:柊鰯(ひいらぎいわし)
鬼は柊と鰯が苦手とされています。そのため、鬼(厄)が入ってこないように、焼いた鰯の頭を柊の枝に指した「柊鰯」という飾りを玄関に飾るという風習がありますよ。
3:立春大吉
「立春大吉」は、「立春」に向けて運気アップをするための儀式です。「立春大吉」はすべての漢字が左右対称にできた、非常に縁起のいい言葉です。「立春大吉」と書かれたお札を玄関の表と裏に貼っておくと、無病息災の効果があるといわれています。「立春大吉」のお札を玄関に貼るときは、扉の右側に貼るようにしましょう。
最後に
「恵方巻」についての解説でした。「恵方巻」は、「節分の日」に特定の方角を見て食べるものだとは知っていても、「恵方」の決め方は知らなかったという方も多いのではないでしょうか?
「恵方」は「非常に縁起のいい方角」とされているため、「節分」だけでなく何か物事を始めるときには「恵方」を向いて行うといいとされています。また、「恵方巻」は七福神と関連があるとも言われている縁起のいい食べ物です。2024年の「節分」は縁起を担ぐためにも、「恵方巻」を正しい食べ方で食べてみてくださいね。
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