便秘を改善したい… 生活習慣やトイレ時の姿勢、予防法って?
便秘で困っているという女性は多いと思いますので、今日は少し便秘の話をしようと思います。便秘といえば「病気」という意識で対応する人は少ないのも現実ですが、医学的には、「便秘」という相談を受けると、色々と検査をしなければならないのも事実です。
例えば、大腸に「がん」があることが原因で便秘の症状を訴える方もいます。病院で相談すると便秘の裏になにか大きな病気が潜んでいないかを検査で確認するというのは重要なポイントでもあります。ただ、今日ここでお話しするのは、特に便秘の原因となるような「病気」があるわけでもないのに、便秘の症状があるという方にむけて書こうと思います。
◆どのような生活習慣が便秘傾向にある?
便秘について色々と調査されていますが、例えば、朝ご飯を食べない人、排便する時間帯が不規則であったり、ダイエット経験者であったり、不眠傾向の人、喫煙本数の多い人、飲酒量の多い人などが便秘の傾向にあることが知られています。
一方で、ジョギング程度以上の運動強度の運動をする人、毎日運動する人、食物繊維の摂取量の多い人、BMI(体重kg÷身長m÷身長m)の値の低い人などは、便秘が少ないといわれています。
このことから、生活習慣と便秘は意外にもつながりが深そうですね。ですので、便秘の人は、まずライフスタイルを見直してみるということは最初に行うべき事かもしれません。
具体的には以下のようなことです。
【1】積極的にトイレに行く
【2】適度の運動と運動後の休息(この休息が大切。この休息のときに便意が!)
【3】食事と睡眠の質の維持
【4】脱水の予防
【5】意外かもしれませんが「排便時の姿勢」もすごく大切です
◆トイレ時の姿勢を見直すと解消される?
少し、臭い話をしましょう。最近あまり見ることはありませんが、昔の和式トイレ(いわゆるウンコ座り)の時代には便秘の人が少なかったといわれています。
これは、時代による食生活の欧米化の影響も原因の一つなのかもしれませんが、和式トイレの「あの姿勢」が排便にはすごくよかったと言われているのです。最近の洋式トイレの欠点は、子供や身長の低めな女性などの場合、足が床に届かない場合があります。
このような場合、あるいは、足が床に届いていても姿勢良く座りすぎると、お腹に力が入りませんので、便が出にくくなると考えられています。では洋式トイレでの姿勢は?
ロダンの考える人の姿勢(前かがみで、肘を太ももにのせる)で試してみてください。そして、もし足が床に届かないような場合はステップをおいてその上に足をおいてみてください。
◆便秘の予防法「プロバイオティクス」
では、最近注目されている、便秘の予防を一つご紹介しておきましょう。「プロバイオティクス」という言葉をご存じですか?
これは簡単に言うと、腸内細菌のバランスを整えることで、人に良い効果をもたらす、という考え方です。もうご存じの方も多くなってきているかも知れませんが、腸内細菌のバランスをコントロールすることが便秘の改善に有効かもしれないという研究結果が増えてきています。
いまのところ、「絶対にお勧め!」というほどのところまではいえないのですが、「一度試して見てはいかがでしょうか」といってもイイと思っています。
具体的には、ビフィズス菌を含むヨーグルトなどをよく食べる、もっといえば、ビフィズス菌自体を含むサプリやお薬をためしてみる、あるいはヤクルトなどを飲む、というのは良いかもしれません。
最後に、極端にひどい便秘、「いままではそうでもなかったのに、最近便秘がちだ」などの場合は、お医者さんに相談してみてくださいね。
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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉
1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ
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